恐怖の十一番隊
「オイ」
『?』
――振り向いた僕に向かって刀が振り下ろされていた
『……っ…何すんですか更木隊長!』
右頬からたらりと何かが流れる。躱さなかったら確実に真っ二つになってた気がするんだけど。つか呼び止めて振り向いた瞬間に斬りつけるとか何処の通り魔だ
「一角と弓親から話は聞いてる。さっさと構えな」
そう言ってにやりと笑った更木隊長。いや、何でこんな事するのか聞きたかったんだけど。斑目さんと綾瀬川さん何言ったんだこの人に
『今は忙しいので遠慮したいんですが』
書類配達終わってないし。未だ手に持っているそれをひらひらさせれば再び刃が振り下ろされた
『ちょっ話訊いてました!?』
数歩後退して刀を躱す
つかさっきから脳天狙い過ぎ。そんなに僕を真っ二つにしたいか
「来ねぇなら此方から行くぜ!」
あれ、言葉のキャッチボールが成立してない。駄目だこいつ人間じゃない。だって言葉理解してないもん。本能のままに向かって来るもん
『………っ』
一撃を上に跳んで躱してから此処が七番隊舎へ続く廊下だと思い出した。何で他隊の隊舎近くで襲い掛かって来たのかは知らないが此処だと少なからず迷惑になる。狛村隊長に迷惑は掛けたくないし。くるりと回って屋根の上に飛び乗ると僕は走り出した。
「待ちやがれ!」
やばい顔が怖い。何これ何のホラーだよ。後ろからボロボロの刀片手に走って来る大男とかホラー以外の何者でもない。つか逃げ切れるならこのまま撒こうと思ったのにやたら足速いなあの人
『何で僕がこんな目に……』
全力で走ろうかとも思うが追い付かれた時に疲れてるとかシャレにならないので却下。多分相手するしか解放される術はない。逃げ切れる気がしないし。でもぶっちゃけ勝てる気もしない。何これほんと何の罰ゲーム?
取り敢えず戦っても大丈夫な所、といえば修練場か。うん、十四番隊に行ったらきっと財前が煩いから此処は十一番隊の修練場に行こう。派手に壊れたら更木隊長の自己責任だ。僕は悪くない。
『退け邪魔消えろ!』
「ぐああああっ!」
屯している十一番隊士の頭を踏みつけ修練場に侵入する。後ろからは馬鹿でかい霊圧。
更木隊長は勿論着いてきていた
「逃げんのは終いか?」
『はい』
深呼吸して藤凍月を抜く。それを見た更木隊長が笑みを深くした。何アレあんな凶悪な笑顔初めて見た。
『行きます』
走り出して正面から斬りつける。それを何故か身体で受け止められた。え、何故構えない?更木隊長の胸に赤い線が出来る
「やるじゃねぇか」
『そりゃどうも』
何この人斬られて喜んでるし絶対危ない人だよああもう逃げたくなってきた
つかそもそも隊長に刀向けるとか重罪なんだけど。
『っ!!』
寒気がして飛び退けば其処には更木隊長の刀が食い込んでいた。油断したらマジで殺される。頬を冷や汗が伝った
『破道の三十三・蒼火墜』
「効かねぇ!」
蒼火墜で生じた粉塵に紛れ更木隊長の背後を取る。斬りつけても傷は出来るものの致命傷にまでは至らない。そして斬れば斬る程奴のテンションが上がる。何この人超怖い。斬られてテンション上がるとか変態か
「まだ隠してるモンがあんだろ!?使えよ!!」
『流石に始解は処罰ものなんで断ります』
大体隊長に刀を向ける事自体修行してましたで誤魔化せるか危ういのに下手に始解なんざしたら僕が処罰される。それは絶対嫌だ。そもそも更木隊長の所為だし
卍解なんざ以ての外。総隊長怒ると怖いし
さてどうしようかと考えていれば不意に近付いて来る霊圧を感じる。それに合わせて数歩後退すれば更木隊長目掛けて黒い影が斬り掛かった
「何してるんですか更木隊長。鍛練の域を越えていますが」
「ぁあ?…てめぇは」
「怪我はねぇか、独月」
『ん』
ちらりと視線を寄越され頷けば安心した様に微かに笑った。
「何だぁ?腰抜け野郎のオマケが何の用だ」
「……腰抜け野郎?」
『…オマケ?』
それぞれ更木隊長の言葉に反応する。オマケって修兵さんの事か。修兵さんをオマケ扱いとか有り得ない。
「…腰抜け野郎とは誰の事ですか」
普段より低い声で修兵さんが問い掛ける。
明らかに怒ってるわ修兵さん
「ああ?てめぇの上司に決まってんだろうが」
更木隊長の言葉にぴくりと修兵さんのこめかみが引きつった。あ、やばい本気でキレるかもこの人
「遠くからしか攻撃出来ねぇ腰抜け野郎――っ!」
「取り消せよ」
金属音がして、気付いたら修兵さんが更木隊長に斬り掛かっていた。鍔迫り合いになり、更木隊長が笑う
「はっ!所詮はてめぇもその程度だろうなぁ!上司が腰抜けなら部下も腰抜けか?」
な ん だ と ?
『虚空に色付け――『藤凍月』』
「っ独月!?」
修兵さんの隣を駆けて更木隊長に突っ込む。右手の拳銃で殴り掛かり、受け止めた掌に向かって零距離で発砲した
「ぐっ!」
『取り消せ。修兵さんを腰抜け扱いした事を今すぐに』
今謝ってくれれば一発殴る程度で終わらせる。けど謝らないなら隊長相手でも容赦はしない。長刀を向ければ更木隊長がにやりと笑った
「何だぁ?そんなにオマケ野郎が好きなのかよ」
『オマケって言うな』
睨み付けていれば修兵さんが僕の隣に並ぶ。ちらりと此方を見てから溜息を吐いた。
「しゃーねぇな。やるぞ独月」
『ん』
静かに藤凍月を構える。それを見た更木隊長が笑った
貶す事は誰であっても許さない
(…で、更木と戦闘になった、と)
(すみませんでした東仙隊長……)
(僕が悪いんです修兵さんは関係ありません)
(まぁ喧嘩買ったんはお前やしな……独、1ヶ月減給や)
(………はい)
(檜佐木、君も同じく1ヶ月減給だ)
(……すみませんでした)
(……ま、暫くは謹慎やな。檜佐木さん、謹慎の間うちのじゃじゃ馬頼んます)
(え………)
(桜花、謹慎の間檜佐木を頼むよ)
(え、あ、はい)
『?』
――振り向いた僕に向かって刀が振り下ろされていた
『……っ…何すんですか更木隊長!』
右頬からたらりと何かが流れる。躱さなかったら確実に真っ二つになってた気がするんだけど。つか呼び止めて振り向いた瞬間に斬りつけるとか何処の通り魔だ
「一角と弓親から話は聞いてる。さっさと構えな」
そう言ってにやりと笑った更木隊長。いや、何でこんな事するのか聞きたかったんだけど。斑目さんと綾瀬川さん何言ったんだこの人に
『今は忙しいので遠慮したいんですが』
書類配達終わってないし。未だ手に持っているそれをひらひらさせれば再び刃が振り下ろされた
『ちょっ話訊いてました!?』
数歩後退して刀を躱す
つかさっきから脳天狙い過ぎ。そんなに僕を真っ二つにしたいか
「来ねぇなら此方から行くぜ!」
あれ、言葉のキャッチボールが成立してない。駄目だこいつ人間じゃない。だって言葉理解してないもん。本能のままに向かって来るもん
『………っ』
一撃を上に跳んで躱してから此処が七番隊舎へ続く廊下だと思い出した。何で他隊の隊舎近くで襲い掛かって来たのかは知らないが此処だと少なからず迷惑になる。狛村隊長に迷惑は掛けたくないし。くるりと回って屋根の上に飛び乗ると僕は走り出した。
「待ちやがれ!」
やばい顔が怖い。何これ何のホラーだよ。後ろからボロボロの刀片手に走って来る大男とかホラー以外の何者でもない。つか逃げ切れるならこのまま撒こうと思ったのにやたら足速いなあの人
『何で僕がこんな目に……』
全力で走ろうかとも思うが追い付かれた時に疲れてるとかシャレにならないので却下。多分相手するしか解放される術はない。逃げ切れる気がしないし。でもぶっちゃけ勝てる気もしない。何これほんと何の罰ゲーム?
取り敢えず戦っても大丈夫な所、といえば修練場か。うん、十四番隊に行ったらきっと財前が煩いから此処は十一番隊の修練場に行こう。派手に壊れたら更木隊長の自己責任だ。僕は悪くない。
『退け邪魔消えろ!』
「ぐああああっ!」
屯している十一番隊士の頭を踏みつけ修練場に侵入する。後ろからは馬鹿でかい霊圧。
更木隊長は勿論着いてきていた
「逃げんのは終いか?」
『はい』
深呼吸して藤凍月を抜く。それを見た更木隊長が笑みを深くした。何アレあんな凶悪な笑顔初めて見た。
『行きます』
走り出して正面から斬りつける。それを何故か身体で受け止められた。え、何故構えない?更木隊長の胸に赤い線が出来る
「やるじゃねぇか」
『そりゃどうも』
何この人斬られて喜んでるし絶対危ない人だよああもう逃げたくなってきた
つかそもそも隊長に刀向けるとか重罪なんだけど。
『っ!!』
寒気がして飛び退けば其処には更木隊長の刀が食い込んでいた。油断したらマジで殺される。頬を冷や汗が伝った
『破道の三十三・蒼火墜』
「効かねぇ!」
蒼火墜で生じた粉塵に紛れ更木隊長の背後を取る。斬りつけても傷は出来るものの致命傷にまでは至らない。そして斬れば斬る程奴のテンションが上がる。何この人超怖い。斬られてテンション上がるとか変態か
「まだ隠してるモンがあんだろ!?使えよ!!」
『流石に始解は処罰ものなんで断ります』
大体隊長に刀を向ける事自体修行してましたで誤魔化せるか危ういのに下手に始解なんざしたら僕が処罰される。それは絶対嫌だ。そもそも更木隊長の所為だし
卍解なんざ以ての外。総隊長怒ると怖いし
さてどうしようかと考えていれば不意に近付いて来る霊圧を感じる。それに合わせて数歩後退すれば更木隊長目掛けて黒い影が斬り掛かった
「何してるんですか更木隊長。鍛練の域を越えていますが」
「ぁあ?…てめぇは」
「怪我はねぇか、独月」
『ん』
ちらりと視線を寄越され頷けば安心した様に微かに笑った。
「何だぁ?腰抜け野郎のオマケが何の用だ」
「……腰抜け野郎?」
『…オマケ?』
それぞれ更木隊長の言葉に反応する。オマケって修兵さんの事か。修兵さんをオマケ扱いとか有り得ない。
「…腰抜け野郎とは誰の事ですか」
普段より低い声で修兵さんが問い掛ける。
明らかに怒ってるわ修兵さん
「ああ?てめぇの上司に決まってんだろうが」
更木隊長の言葉にぴくりと修兵さんのこめかみが引きつった。あ、やばい本気でキレるかもこの人
「遠くからしか攻撃出来ねぇ腰抜け野郎――っ!」
「取り消せよ」
金属音がして、気付いたら修兵さんが更木隊長に斬り掛かっていた。鍔迫り合いになり、更木隊長が笑う
「はっ!所詮はてめぇもその程度だろうなぁ!上司が腰抜けなら部下も腰抜けか?」
な ん だ と ?
『虚空に色付け――『藤凍月』』
「っ独月!?」
修兵さんの隣を駆けて更木隊長に突っ込む。右手の拳銃で殴り掛かり、受け止めた掌に向かって零距離で発砲した
「ぐっ!」
『取り消せ。修兵さんを腰抜け扱いした事を今すぐに』
今謝ってくれれば一発殴る程度で終わらせる。けど謝らないなら隊長相手でも容赦はしない。長刀を向ければ更木隊長がにやりと笑った
「何だぁ?そんなにオマケ野郎が好きなのかよ」
『オマケって言うな』
睨み付けていれば修兵さんが僕の隣に並ぶ。ちらりと此方を見てから溜息を吐いた。
「しゃーねぇな。やるぞ独月」
『ん』
静かに藤凍月を構える。それを見た更木隊長が笑った
貶す事は誰であっても許さない
(…で、更木と戦闘になった、と)
(すみませんでした東仙隊長……)
(僕が悪いんです修兵さんは関係ありません)
(まぁ喧嘩買ったんはお前やしな……独、1ヶ月減給や)
(………はい)
(檜佐木、君も同じく1ヶ月減給だ)
(……すみませんでした)
(……ま、暫くは謹慎やな。檜佐木さん、謹慎の間うちのじゃじゃ馬頼んます)
(え………)
(桜花、謹慎の間檜佐木を頼むよ)
(え、あ、はい)