あ?俺の一日?
別に言うのは構わねぇが、面白くもなんともねぇぞ?

そうだな…先ず朝起きて、布団片して顔洗って着替える。
んで、十四番隊舎に向かう。
何でって、独月の所に行くからに決まってんだろうが
あいつの部屋に行って、先ず冷蔵庫の中身を確認する。じゃねぇと偶に食材がない時があるからな。そん時は瞬歩で俺の部屋から食材持って来るけど
で、何作るか決めて、料理を始める。
大体目処が立ったらまだ寝てる独月を起こしに行く。低血圧であいつは寝起きは最悪だから多少時間は掛かるが問題ねぇ。その分まで考えて行動してるし
あいつが身支度を始めたら俺は飯を皿に盛り付けてテーブルに運ぶ。そんで寝室から出て来たあいつが飲み物の準備をする。準備が終わって二人で席に着いたら飯を食う。まぁ俺はあいつが一口食ってから食うけど
あ?何でかって?そりゃ感想訊く為だよ。あいつが美味しいって笑うの見てから食うの
あいつの美味しいって言葉には何時もありがとうって意味も含まれてるからな、そうなると聞きてぇだろ?

食い終わったらあいつにはテレビでも観とけって言っとく。その間俺は皿洗い。
何で俺がするのかって?あいつが下手に皿割ったりしたら大変だからだよ。それにあいつ肌弱ぇから洗剤使ったら絶対手荒れるし
片付け終わったら戸締まりの確認をして部屋を出る。ああ、偶にあいつ副官章面倒臭がって着けねぇから俺が無理矢理着けてやる。そうでもしねぇとあいつは副隊長だって自覚がねぇからな。いや、着けてても自覚ナシか…?
まぁあいつの副隊長としての自覚は置いといて
出舎する時は大概俺があいつを運ぶ。何でって、俺が運びてぇから。寧ろ他に理由はねぇ
俺の頭に引っ付いて来るのが可愛いんだよ。少し脅かしたら耳元で心臓が速くなるしな。体温低めだから夏も引っ付いてて暑くねぇし。ああ、あいつは暑いって嫌がるけどな。まぁ氷枕でも持たせときゃ静かになるから気にしねぇ。俺が引っ付きたい訳だし
…話が逸れたな。取り敢えずほぼ毎日俺は独月を腕に乗せて出舎する。十四番隊にあいつを送り届けてから、俺も隊舎に向かう

そんで隊務をこなして昼に入る時に十四番隊隊舎に向かう。
あ?そりゃ独月を迎えに行くからだよ。
あいつ放置すると飯食うの忘れるから俺が昼に入る時にあいつも休ませんだ。勿論財前隊長から許可は頂いてる。
弁当作ってねぇ時は食堂に行って、作って来た時はそのまま副官室で食う。
あいつは小食で直ぐ食うのを止めるから暫くは問答無用で口に突っ込む。基本的に嫌がっても無視だ。食わねぇあいつが悪い。つか食わねぇからあんなに細ぇんだよ。先ずは文句言う前に米を食え、米を。飴は主食じゃねぇ
……すまん、また逸れたな
取り敢えずあいつが食えるだけ飯を食わせて、残りは俺が食う。んで、食後の茶飲んでゆっくりしてから仕事に戻る

仕事が終わったら伝令神機のメールチェックをする。
あ?何でって独月からメールが来てる時があるからだよ。あいつが俺の部屋に来る時は必ずメール入ってるし、たまに夕飯のリクエストも来るからな。他にもふとした時にメール送って来るし、一時間に一回は確認してる
ん?ああ、大概メールしてる時は仕事中だけど。何、仕事中の伝令神機の私用は禁止?…うるせぇ、ルールは破る為にあるんだよ。てか東仙隊長にはバレてねぇからセーフだっての
あ、この事東仙隊長にチクんなよ?チクったらキャメルクラッチな
…メールが来てねぇ時は十四番隊隊舎に行って、あった時は俺の部屋に帰る。基本的に俺の方が上がりが早いから先に帰って飯の準備してる。昨日はスープスパだったかな。美味しいって笑う独月が可愛かった。
つかあいつ絶対自分が笑ってるって気付いてねぇな。嬉しそうだなっつったら首傾げるし。まぁそんなとこも可愛いけど
あれ、何の話だったっけか……あー、夕飯か。
あいつからリクエストがねぇ時は冷蔵庫にあるやつとかその時俺が食いてぇもんから考える。あいつ嫌いな物も頑張って食うし。ん?あいつの嫌いな物?ああ、あいつピーマン嫌いなんだよ。餓鬼みたいだろ?
てか俺の料理に出て来るピーマンは苦くねぇっつって普通に食うな。外で食う時はさり気なく残そうとすっけど。そういう時に必ず修兵さんの料理に出て来るピーマンなら苦くないのにってぼやくあいつはほんと可愛い。つか俺に聞かれてるって気付いてねぇトコがちょっと抜けてて可愛い
まぁ残さず食えよって言えばちゃんと食うからあいつはマジで良い子だ

飯が終わったら俺が食器洗って、その間に独月が風呂に入る。何で食器洗うのかって?さっきも言っただろうが、独月の手が洗剤で荒れんのが嫌だからだよ。あいつの柔らけぇ手はデリケートなんだ。冬なんか肌荒れ酷くて身体洗うのにベビーソープ使うんだぞ。
あ?何でそんな事知ってんのかって、そりゃ俺も風呂入るからだよ。部屋戻るのが面倒な時はどっちかが泊まってくからな。つかほぼ毎日泊まる。だから風呂場の事とか箪笥の中身の位置も大体知ってる。お互い部屋にお泊まりグッズ置いてあるし
部屋に帰れって?無理無理隊舎までの距離が遠いの。五分も歩きたくねぇの。だから泊まる
つかさっきまで何の話を……ああ、風呂か。
独月が風呂から上がって来たら取り敢えずあいつの髪を拭いて、風呂を焚く。あ?何でって当たり前だ。あいつが入るのは水風呂なんだよ。んなもんに入ったら俺が風邪引くわ。
身体に悪そうだがあいつに止める気はねぇだろうし
あいつ前に一回俺が水風呂阻止しようとして風呂焚いたらそれ以上の水入れて結局水風呂にしやがったからな…しかも俺が風呂入ってる時に洗面器一杯の氷水掛けてきやがった。地味に頭やら肩やらに氷が当たって痛かった。そんなもんやられたお陰で次の日にゃ風邪引いた。冬だってのに氷水掛けやがって
ん?何で冬かって?
ああ、あいつ年中水風呂なの。何かあんまり熱いのに入ると秒速で逆上せるらしくてな。一回俺が浸かった後の風呂に湯加減そのまんまで入ったら目ぇ回して風呂から出て来たし。聞いてみたら湯を被った時点でクラクラしたんだと。どんだけ熱に弱いんだか
冬に風邪引かねぇのかって?風呂入った後は俺が毛布で蓑虫にするから問題ねぇ
冬によくどっちかの部屋に出没するぞ、独蓑虫。飼育方法は飯と風呂と毛布をきちんと準備するだけ。随分お手軽なこった
……あいつはやらねぇぞ阿散井。あの貴重種は俺限定の愛玩動物なんだからな
つか冬ってか年中か。あいつは身体弱いから割と体調崩しやすい。腹とかかなり弱ぇし
体調悪い時は良く俺がその部分撫でてんな。ま、手当てってヤツだ。それした時のありがとって言う独月に癒されるんだよな
ん?嫌いな季節?
んー……夏と冬、か?
夏は暑さにやられて冬は寒さにやられる。あーでも夏祭りとか花火は好きらしい。あと俺の誕生日が夏だから夏は嫌いじゃないとは言ってた。何なんだろうなあいつ、何であんなに可愛いんだろう
冬は冬で雪が好きだし…って事は冬も嫌いじゃねぇのか?
まぁ暑いのと寒いのが苦手って事で。
……取り敢えず脱線しまくったがマジで話題何だった?
………ああ、風呂ね。さっきから此処で脱線してんのは気の所為か?まぁ気の所為なら良いけど
ん?あいつが好きな匂い?……シャンプーの事か?
確か俺が使ってるシャンプー好きだって言ってたな。何かそんなに甘くねぇのが好きらしい。ボディーソープもそんな感じ。つか俺が適当に選んだのをあいつも使ってるって状態か
…良し、風呂の話お終い!次だ、次!
何でって当たり前だろうが、これ以上は俺の口からは言えねぇゾーンに突入する気だろてめぇら
まぁ風呂上がって、俺も入り終わったらあいつとのんびり過ごす。テレビ観ながら酒飲んだりしてんな。
トランプしたりジェンガやってる時もあるぞ。他にも人生ゲームとか。や、修学旅行じゃねぇから。つか何でそんな現世の学校行事知ってんだてめぇ

まぁそんな感じで時間潰して寝るのは十二時頃か。
大体そんくらいの時間になったらあいつの目が半開きになるからぶっちゃけ時計見なくても判る。
そっからは普通に歯磨いてから布団……あいつの部屋ん時はベッドか?に入って寝る
あ?布団なんか敷くの面倒臭ぇから一緒に寝てるけど
あいつの部屋のベッドはでけぇから二人で寝ても平気だし、俺のトコは二組も布団敷くの面倒臭ぇし。あいつちいせぇから二人で寝ても気にならねぇよ
あ?寝る時の体勢?俺が枕使ってあいつに腕枕しながら抱き合って寝るけど?え、何か可笑しいか?
……は?ちょっ、何で鼻血噴いたこいつっ!!









「………はぁ」

鼻血を噴いて倒れた九番隊の女性隊士を慌てて介抱する檜佐木さんを眺める。女性が鼻血を噴くっていうのもどうかと思うんだけど

「吉良!ちり紙寄越せ!」

「はいはい…」

阿散井くんも女性隊士をソファに運んで心なしかぐったりした様子。雛森くんは女性隊士の鼻血を拭っている
そして床に落ちた血を拭う僕

「……はぁ…」

僕達は檜佐木さんへの取材を興味本位に聞いていただけの筈。なのに何故こんな事をしているのだろうか
というか素面の状態であれだけ惚気られるとは思わなかった。喉渇かないのかな、あの人




彼女を四番隊に運んで全員が一息吐いた時、不意に僕の隣に座った阿散井くんが口を開いた

「つーか思ったんすけど」

「何だよ阿散井」

檜佐木さんがお茶を飲みながら首を傾げた動きが一瞬桜花さんと被った。ああ、アレか。夫婦で居ると仕草が似てくるってアレだ
そう思いながら阿散井くんを見る。彼の顔を見て直感した。
――阿散井くん、絶対余計な事しか言わない

「檜佐木先輩って、通い妻みたいっすね」

「「「………」」」

やっぱり。
余計な事どころか何故か彼は檜佐木さんの地雷をわざわざ金属探知機で探し出して踏みつけた。
君子危うきに近寄らず、触らぬ神に祟りなし。
僕はそっとソファから離れる。それに合わせる様に檜佐木さんがソファから立ち上がった

「なぁ、阿散井」

「何すか先輩?」

阿散井くんは危機感知能力が素晴らしく抜け落ちていると思う。現に今青筋立てて笑ってる檜佐木さんに向かって首傾げてるし。
僕は雛森くんと副官室の端に避難した。あの状態の檜佐木さんに巻き込まれたくはない

「マジで頭足りてねぇのかっんのクソ犬がぁぁぁぁぁっ!!」

「ぐはあああああああっ!?」

笑顔が一変、鬼も逃げ出す様な表情で檜佐木さんが阿散井くんにキャメルクラッチを仕掛けた。
阿散井くんがばんばん床を叩いても無視。寧ろその締め方が更にキツくなる

「誰が妻だこの馬鹿犬!駄犬!赤パインが!髪引き抜いて斑目の刑に処してやろうかてめぇ!!」

「ほんとすんませんでしたっ!てかハゲは嫌っす!」

タップし続ける阿散井くんを眺めていると雛森くんが口を開いた

「…ねぇ吉良くん」

「何だい、雛森くん」

「………阿散井くんって自分から痛い思いしに行く人だよね」

「そうだね」

寧ろ馬鹿って言っちゃって良いと思うよ、雛森くん












「おい、独」

『何だぜんざい』

「財前や。隊長付け」

はぁと溜息を吐いた財前が一切の冊子を挙げた

「コレ、見たか?」

『瀞霊廷通信?まだだけど』

首を傾げつつ近付けば財前はパラパラとページを捲り始めた
そしてあるページで捲る手を止め、僕に渡して来る

『?』

「まぁ読んでみぃ。お前の事載っとるで」

僕の事?
良く判らないまま瀞霊廷通信を受け取り、目を通す。
――でかでかと載せられた題材に思わず頭がフリーズした

『……なにこれ』

「"皆気になる檜佐木副隊長と桜花副隊長の一日!"やって」

財前がご丁寧に題名を読みやがった。そんなお節介は要らんわボケ
そもそも皆気になるって何だ。何がどう気になるって言うんだ。渦巻く疑問を放置しつつ記事を見て、自然と手に力が入った。持っていた瀞霊廷通信にぐしゃりと皺が寄る

『…何ぺらぺら喋ってんだあの顔面卑猥野郎……!』

「朝起きてから寝るまで筒抜けやな」

個人情報の流出や、なんて平然と言った目の前のぜんざい野郎に軽く殺意が湧いた。
だが今はこいつをシメるより先に人のプライベートをぶっちゃけやがったあの顔面卑猥を一発ぶん殴りたい

『ちょっと顔面卑猥殺って来る』

「早よ戻って来いよ」



皆気になる檜佐木副隊長と桜花副隊長の一日!



(檜佐木修兵この野郎っ!)

(おー、そんなに慌ててどうしたんだ独月)

(何ぺらぺら喋ってんだあんた。僕のプライバシー無視か)

(あ?あああの記事か。あんなもんちょっとしか載せてねぇじゃねぇか)

(四ページも使っといてちょっととか…)

(お前が酔った時の話とか甘える時の癖とか載せてねぇし)

(…ほう…顔面卑猥様は謝る気がないと見た…なら僕にも考えがある)

(え?おい、独月?)

(修兵さんが酔って甘えたになった時の様子と二人の時にやたら甘えて来る事とか恥ずかしい話を写真付きで今から編集部に持って行ってこよう)

(は!?んな写真何時撮りやがった!)

(じゃ、行って来ます)

(ちょっ、待て…スンマセンッ!…ほんとごめんなさいそれだけはやめて下さい独月様あああああっ!!!)



(あの二人仲良しだよねー)

(ああ、そうだね(仲良しというよりは桜花さんが檜佐木さんに仕返ししてるだけな気が…))

(あ、檜佐木先輩土下座した)