Unforgettable tragedy happens4
『っはぁ……はぁ…』
「はぁ……くそっ…」
同時に放った双蓮蒼火墜は三体の巨大虚を打ち消した
でもまだ少なくても五体以上は残ってる。…これまでか
巨大虚が口から光線を放つのを走って躱す。修兵さんが巨大虚の仮面目掛けて斬り掛かった。でもそれは巨大虚の爪に防がれる。続けざまに斬り掛かった僕も撥ね飛ばされた
背中合わせになった僕達を嘲笑うかの様に巨大虚が腕を構える。その腕に付いた鋭い爪が何本にも分かれた。マジかよ
脚を襲う疲労感にたまらず膝を着く。修兵さんが僕を庇う様に前に出た
「上等だ――舐めんじゃねぇ!!」
爪が、迫る
それぞれ僕達を狙って伸ばされた爪は刀に防がれていた。僕と修兵さんの目の前に降り立つ人影が三つ
「馬鹿野郎!てめぇら何で戻ってきた!」
それはさっき逃げた筈の一回生
「命令違反お許し下さい檜佐木先輩!」
「助太刀するんだから見逃してくれよな!」
「破道の三十一・赤火砲!」
幾ら人数を連れてきても彼等は一回生。どうなるかなんて見えてる。てか何でわざわざ死にに来た
僕は怠い身体を引きずって立ち上がった。修兵さんが驚いた顔で僕を見ていたけど無視
『…雷鳴の馬車…糸車の間隙………光もて此を六に別つ』
咳込めば吐血した。うわぁもしかしなくても案外やばいのか僕
『縛道の六十一・六杖光牢』
一回生が向き合っている巨大虚を拘束する。そして藤凍月を見た。鎖を切られて痛いと思うけど、もう少しだけ頑張ってくれ
『…虚空に…色付け…『藤凍月』』
何とかもう一度始解する。銃と長刀を繋ぐ鎖は切れたままだった。無理させてごめん
動けない巨大虚の一体に的を絞り、引き金を引く。仮面に僅かに亀裂が走った。後はあの亀裂に何発か鬼道をぶつければ――
「独月っ!!」
修兵さんの呼ぶ声。見れば巨大虚が僕に向かって大きな口を開いていた。虚閃?頭の中が真っ白になる
「射殺せ――『神鎗』」
背後からの一撃で巨大虚は消え去った。異様に長い刀身が次々と仮面に突き刺さる
「遅くなって済まない」
聞こえて来た優しい声。振り向けば眼鏡の人と糸目の人が立っていた。眼鏡の人が着ているあれは隊長羽織。あの人隊長なのか
「良く頑張ったね」
隊長さんが女の子(確か雛森って呼ばれてた)の頭に手を置く。そのまま視線を糸目さんに向け、ギン、と言った。それに糸目さんははいと応える。
ギンってあの人の名前なのか
『……修兵さん…』
今更ながら僕の体制が修兵さんに横抱きされている様な状態な事に気付く。いや頭真っ白になっちゃったから気付かなかった。心配そうな顔で僕を見ているものだから安心させようと少し笑ってみる
あ、無理顔の右半分が引きつって痛い。ついでに言うと喉も滅茶苦茶痛い
「……無茶ばっかしやがって…」
『…人の事…言えない癖に』
修兵さんも充分無茶してるからね
ふと誰かが近付いて来た事に気付く。修兵さんも其方を見て驚いた顔をした。え、どうしたの
「上級医療班の代表として参りました四番隊隊長の卯ノ花烈です。今から応急処置をしますね」
黒髪の女の人はそう言って優しく笑った。あ、隊長だから修兵さんが驚いたのか
取り敢えず修兵さんを先に治療して貰おうと離れようとすればがっしりと掴まれた。寧ろ抱え込まれた。何故
「卯ノ花隊長、怪我の治療はこいつからお願いします」
いやいやふざけんな。僕が抵抗しようとすれば右手が首元に回される。ちょっと待てそれはヘッドロックだ
『…っ卯ノ花隊長この人の治療からお願いします…僕は平気なんでっ!』
足を蹴飛ばしながら言えば修兵さんが更に腕に力を込める
「ふざけんなてめぇの方が大怪我だろうがっ!声出すのも辛ぇ癖に強がんじゃねぇっ!」
『けほっ…修兵さん程じゃないっ!』
言い争いをしていればふと卯ノ花隊長が静かな事に気付く
隊長は笑っていた。凄く優しい笑みを浮かべ背後から真っ黒いオーラが見える。やだ何この人怖い
「二人共同時に治しますから、お静かに出来ますね?」
『「は、はいっ!」』
結局もう一人四番隊の人が来て卯ノ花隊長と二人で治してくれた。応急処置だと言われたが動けるしもう充分だと思う
あの一回生達と別れて僕と修兵さんは瀞霊廷の綜合救護詰所まで連れてこられた。わざわざ部屋まで送ってくれた二人にお礼を言うと、僕の隣に居た修兵さんが卯ノ花隊長を呼んだ
「どうしました?」
「…あの……顔の傷は綺麗に治りますか?こいつの」
そう言って修兵さんが目を向けたのは僕。え、僕?
僕を見た卯ノ花隊長が口を開く
「痕が少し残ってしまうかも知れませんが、殆ど目立たない位には出来るでしょう」
「そうですか……」
それを聞いた修兵さんが少し悲しそうな顔で僕を見る。何故
『あの、卯ノ花隊長』
「はい、何でしょう」
修兵さんから目を離し卯ノ花隊長を見る
『この傷、このまま痕を残す事って出来ますか』
「何言ってんだてめぇっ!!」
え、何故修兵さんが怒る
『僕の無力さを忘れない為です』
蟹沢さんと青鹿さんを護れなかった、修兵さんを護れなかった無力な自分を忘れない為に
「あれはお前の所為じゃねぇ!!…俺の方が…よっぽど無力だ…!!」
修兵さんが辛そうに顔を歪めた。違うよ修兵さん。僕は始解出来るのに護れなかったんだよ。寧ろ護られた。あの中でまだ対抗出来たのは僕だけだったのに
「始解は関係ねぇ!あの時俺が動けていれば……」
「あれは誰の所為でもありません。二人共自分を責めるのをお止めなさい」
僕の所為だ俺の所為だと引かない僕達に卯ノ花隊長が静かに言った
「今貴方達のするべき事は、強くなる事です」
強くなる事?
首を傾げた僕達に卯ノ花隊長は笑った
「もう誰も失わずに済む様に、自らの手で護れる様に、強くなるのです」
亡くなられてしまった二人の分まで。
その言葉は凄く重い。けれど僕は…僕達はそれを受け止めないといけない
『……判り、ました…』
修兵さんの手が頭に置かれる
「………強くなります。ご教示有り難う御座いました」
卯ノ花隊長が部屋を出て行って暫く。修兵さんが口を開いた。それはもう嫌そうに
「…傷痕を残してぇなら目の下の一本だけにしろ」
『……此処のやつ?』
包帯だらけの右頬の目の下を指差す。確かこの辺に一本あった筈。ん、と頷いた修兵さん。てか目の下って事は上目蓋のやつは治して貰えって事?
そう問えばまた頷く修兵さん。
てか二人して顔半分包帯だらけとかどんなホラー?
「……本当は…」
僕を横目で見る修兵さんは何だかふてくされた様だった
「…女の顔に傷痕残すのとか…嫌なんだよ…」
『………』
新発見。この人は僕を女として見ていたらしい。てっきりペット扱いしてるんだと思ってた。いや自分で言うのも悲しいけれども
『…え、じゃあ刺青も駄目?』
僕刺青入れようと思ってたんだけど
それを聞いた修兵さんは首を真横に振った。あんまり激しく動かさない方が良いと思うんだ。怪我してるし
「駄目だ!絶対にやらせんっ!」
『あんたは僕のお父さんか』
「保護者だ!」
『何時から!?』
何でこの人今真顔でボケた?もしかして本気?
こんな顔面卑猥様が保護者とか泣ける。無理嫌だ
『ま、そのうち入れるけどね』
「てめっ」
何を何処に入れるかは何となくは決めてる。まぁまだ修兵さんには教えないけど。面白いし
伸ばされた手を躱して笑う
そのままわーわー騒いでいたら見回りに来た四番隊の隊士の方に怒られた
悲しみを強さに
(詰所内ではお静かに!!)
((はいすみませんっ!!))
「はぁ……くそっ…」
同時に放った双蓮蒼火墜は三体の巨大虚を打ち消した
でもまだ少なくても五体以上は残ってる。…これまでか
巨大虚が口から光線を放つのを走って躱す。修兵さんが巨大虚の仮面目掛けて斬り掛かった。でもそれは巨大虚の爪に防がれる。続けざまに斬り掛かった僕も撥ね飛ばされた
背中合わせになった僕達を嘲笑うかの様に巨大虚が腕を構える。その腕に付いた鋭い爪が何本にも分かれた。マジかよ
脚を襲う疲労感にたまらず膝を着く。修兵さんが僕を庇う様に前に出た
「上等だ――舐めんじゃねぇ!!」
爪が、迫る
それぞれ僕達を狙って伸ばされた爪は刀に防がれていた。僕と修兵さんの目の前に降り立つ人影が三つ
「馬鹿野郎!てめぇら何で戻ってきた!」
それはさっき逃げた筈の一回生
「命令違反お許し下さい檜佐木先輩!」
「助太刀するんだから見逃してくれよな!」
「破道の三十一・赤火砲!」
幾ら人数を連れてきても彼等は一回生。どうなるかなんて見えてる。てか何でわざわざ死にに来た
僕は怠い身体を引きずって立ち上がった。修兵さんが驚いた顔で僕を見ていたけど無視
『…雷鳴の馬車…糸車の間隙………光もて此を六に別つ』
咳込めば吐血した。うわぁもしかしなくても案外やばいのか僕
『縛道の六十一・六杖光牢』
一回生が向き合っている巨大虚を拘束する。そして藤凍月を見た。鎖を切られて痛いと思うけど、もう少しだけ頑張ってくれ
『…虚空に…色付け…『藤凍月』』
何とかもう一度始解する。銃と長刀を繋ぐ鎖は切れたままだった。無理させてごめん
動けない巨大虚の一体に的を絞り、引き金を引く。仮面に僅かに亀裂が走った。後はあの亀裂に何発か鬼道をぶつければ――
「独月っ!!」
修兵さんの呼ぶ声。見れば巨大虚が僕に向かって大きな口を開いていた。虚閃?頭の中が真っ白になる
「射殺せ――『神鎗』」
背後からの一撃で巨大虚は消え去った。異様に長い刀身が次々と仮面に突き刺さる
「遅くなって済まない」
聞こえて来た優しい声。振り向けば眼鏡の人と糸目の人が立っていた。眼鏡の人が着ているあれは隊長羽織。あの人隊長なのか
「良く頑張ったね」
隊長さんが女の子(確か雛森って呼ばれてた)の頭に手を置く。そのまま視線を糸目さんに向け、ギン、と言った。それに糸目さんははいと応える。
ギンってあの人の名前なのか
『……修兵さん…』
今更ながら僕の体制が修兵さんに横抱きされている様な状態な事に気付く。いや頭真っ白になっちゃったから気付かなかった。心配そうな顔で僕を見ているものだから安心させようと少し笑ってみる
あ、無理顔の右半分が引きつって痛い。ついでに言うと喉も滅茶苦茶痛い
「……無茶ばっかしやがって…」
『…人の事…言えない癖に』
修兵さんも充分無茶してるからね
ふと誰かが近付いて来た事に気付く。修兵さんも其方を見て驚いた顔をした。え、どうしたの
「上級医療班の代表として参りました四番隊隊長の卯ノ花烈です。今から応急処置をしますね」
黒髪の女の人はそう言って優しく笑った。あ、隊長だから修兵さんが驚いたのか
取り敢えず修兵さんを先に治療して貰おうと離れようとすればがっしりと掴まれた。寧ろ抱え込まれた。何故
「卯ノ花隊長、怪我の治療はこいつからお願いします」
いやいやふざけんな。僕が抵抗しようとすれば右手が首元に回される。ちょっと待てそれはヘッドロックだ
『…っ卯ノ花隊長この人の治療からお願いします…僕は平気なんでっ!』
足を蹴飛ばしながら言えば修兵さんが更に腕に力を込める
「ふざけんなてめぇの方が大怪我だろうがっ!声出すのも辛ぇ癖に強がんじゃねぇっ!」
『けほっ…修兵さん程じゃないっ!』
言い争いをしていればふと卯ノ花隊長が静かな事に気付く
隊長は笑っていた。凄く優しい笑みを浮かべ背後から真っ黒いオーラが見える。やだ何この人怖い
「二人共同時に治しますから、お静かに出来ますね?」
『「は、はいっ!」』
結局もう一人四番隊の人が来て卯ノ花隊長と二人で治してくれた。応急処置だと言われたが動けるしもう充分だと思う
あの一回生達と別れて僕と修兵さんは瀞霊廷の綜合救護詰所まで連れてこられた。わざわざ部屋まで送ってくれた二人にお礼を言うと、僕の隣に居た修兵さんが卯ノ花隊長を呼んだ
「どうしました?」
「…あの……顔の傷は綺麗に治りますか?こいつの」
そう言って修兵さんが目を向けたのは僕。え、僕?
僕を見た卯ノ花隊長が口を開く
「痕が少し残ってしまうかも知れませんが、殆ど目立たない位には出来るでしょう」
「そうですか……」
それを聞いた修兵さんが少し悲しそうな顔で僕を見る。何故
『あの、卯ノ花隊長』
「はい、何でしょう」
修兵さんから目を離し卯ノ花隊長を見る
『この傷、このまま痕を残す事って出来ますか』
「何言ってんだてめぇっ!!」
え、何故修兵さんが怒る
『僕の無力さを忘れない為です』
蟹沢さんと青鹿さんを護れなかった、修兵さんを護れなかった無力な自分を忘れない為に
「あれはお前の所為じゃねぇ!!…俺の方が…よっぽど無力だ…!!」
修兵さんが辛そうに顔を歪めた。違うよ修兵さん。僕は始解出来るのに護れなかったんだよ。寧ろ護られた。あの中でまだ対抗出来たのは僕だけだったのに
「始解は関係ねぇ!あの時俺が動けていれば……」
「あれは誰の所為でもありません。二人共自分を責めるのをお止めなさい」
僕の所為だ俺の所為だと引かない僕達に卯ノ花隊長が静かに言った
「今貴方達のするべき事は、強くなる事です」
強くなる事?
首を傾げた僕達に卯ノ花隊長は笑った
「もう誰も失わずに済む様に、自らの手で護れる様に、強くなるのです」
亡くなられてしまった二人の分まで。
その言葉は凄く重い。けれど僕は…僕達はそれを受け止めないといけない
『……判り、ました…』
修兵さんの手が頭に置かれる
「………強くなります。ご教示有り難う御座いました」
卯ノ花隊長が部屋を出て行って暫く。修兵さんが口を開いた。それはもう嫌そうに
「…傷痕を残してぇなら目の下の一本だけにしろ」
『……此処のやつ?』
包帯だらけの右頬の目の下を指差す。確かこの辺に一本あった筈。ん、と頷いた修兵さん。てか目の下って事は上目蓋のやつは治して貰えって事?
そう問えばまた頷く修兵さん。
てか二人して顔半分包帯だらけとかどんなホラー?
「……本当は…」
僕を横目で見る修兵さんは何だかふてくされた様だった
「…女の顔に傷痕残すのとか…嫌なんだよ…」
『………』
新発見。この人は僕を女として見ていたらしい。てっきりペット扱いしてるんだと思ってた。いや自分で言うのも悲しいけれども
『…え、じゃあ刺青も駄目?』
僕刺青入れようと思ってたんだけど
それを聞いた修兵さんは首を真横に振った。あんまり激しく動かさない方が良いと思うんだ。怪我してるし
「駄目だ!絶対にやらせんっ!」
『あんたは僕のお父さんか』
「保護者だ!」
『何時から!?』
何でこの人今真顔でボケた?もしかして本気?
こんな顔面卑猥様が保護者とか泣ける。無理嫌だ
『ま、そのうち入れるけどね』
「てめっ」
何を何処に入れるかは何となくは決めてる。まぁまだ修兵さんには教えないけど。面白いし
伸ばされた手を躱して笑う
そのままわーわー騒いでいたら見回りに来た四番隊の隊士の方に怒られた
悲しみを強さに
(詰所内ではお静かに!!)
((はいすみませんっ!!))