独月と斬魄刀が消えて三日。今日も俺は居酒屋に居た。

「……くそ…」

総隊長も朽木隊長も見付からない。
独月に至ってはあの村正って野郎に操られてやがる。あいつに関する手掛かりはなし。
二進も三進も行かないこの状態じゃ精々瀞霊廷周辺を走り回るのが関の山
何も出来ないその状況に無性に苛ついて、酒を煽った

「何処に居んだよ……独月…」

「――やっぱり此処に居た」

隣から聞こえた声に顔を上げれば其処に立っていたのは吉良。何の用だと見れば奴は俺の隣に座った

「捜しに行かないんですか?」

「……るせぇ」

俺を責める様な声に腹が立つ。何回も捜してる。けど見付かるのは他の奴の斬魄刀で
あいつや風死の手掛かりはない

「阿散井くんの蛇尾丸からめぼしい情報は得られませんでした」

「そうかい」

全然気のない風な返事しておいて、それなりにへこんでいる俺は馬鹿だ。
もしかしたら、なんて期待しても無駄なのに

「飛梅や灰猫の目撃情報もありました」

「へぇ」

目撃情報って事は捕らえてはいない。酒を煽れば吉良が溜息を吐くのが聞こえた

「捜しに行かないんですか」

「しつけぇぞ、吉良」

今の状態で捜したって無駄だ。酒が回ったこの頭じゃ正常な判断は下せねぇし、見付けたとしてまともに戦えるかどうか

「桜花さん、きっと待ってますよ」

「わーってるよ」

金を置いて席を立つ。
これ以上ネチネチ言われんのは御免だ。


飲み直すかこのまま帰るかどちらにするかと悩んでいると、目の前に見知った人影が現れた。明らかに俺に説教しそうなその人と目が合って、思わず眉を寄せる

「修兵」

「……乱菊さん」

彼女は静かに此方に歩いて来た。その表情は硬い。あー、明らかに説教コースじゃねぇか。今日は厄日か

「何すか?説教ならお断りっすよ」

「説教なんてもんじゃないわ。あたしが言いたいのは一言だけ」

目の前で止まった乱菊さんがゆっくりと口を開いた

「大切なものはしっかり捕まえておかないと、後悔するわよ」

乱菊さんは一瞬悲しそうな目をしてそう言った
闇に消えたその姿を眺め、自嘲。

「それぐらい判ってますよ」

確かに見えない。けどまだ手は届く。まだ、捕まえられる

「判ってんだ……なぁ、独月」

左耳のカフスに触れて、小さく笑う。
何してんだ俺。周りから言われる程らしくねぇ事してんのか
ゆっくりと歩き出せば風死に付いた飾り紐が揺れた。あいつとお揃いの飾り紐。これがある限り俺はあいつの藤凍月の力を借りる事が出来る。独月と、繋がっていられる

「待ってろ、助けてやるから」



闇を払え



(絶対に助け出す)