「先輩はどのくらいが良いんすかー?」

「あ?俺か?」

顔を真っ赤にした阿散井が俺に水を向ける。隣の吉良も真っ赤。お前ら随分酔ってんな

「んー……好きな女なら別にどんなサイズでも良いかも知れねぇ」

多分好みのサイズとかはないんだと思う。最近はでかいからって惹かれる事もねぇし。

「先輩はどっちかっつったら貧乳好きなんじゃないすかー?」

「あ?何でだよ」

阿散井の発言に首を傾げる。何だ今の誤解を招く発言は。何か変態くせぇじゃねぇか

「だってちびさぎ隊長のぺったんこな胸好きっしょー?」

「や、待てあいつもほんのちょっとあるぞ。ぺったんことか言うな」

因みにあいつは貧乳じゃなくて微乳だ。
そう返してからしまったと口を噤む。俺を見た阿散井と吉良がニヤリと笑った

「先輩マニアックっすねー。微乳が好きなんすかー」

「だから桜花隊長を腕に乗せて歩くんですねー。頭を胸にくっ付けられるから」

「ちょっ待て誤解すんなてめぇら」

何か非常に俺の人格が疑われる様な事を言い始めたぞこいつら。慌てていれば阿散井が悪どい笑みで俺を見た

「巨乳な娘に告られても振ったのは、でけぇのはタイプじゃなかったからっすかー」

「や、あの娘は何かバランス悪くて乳牛に見えた…って違ぇ!何言わせてんだてめぇ!」

つか何で告られた事知ってんだ。訊けばもう知れ渡ってますよ、と。や、何の話だ

「檜佐木副隊長は貧乳好きだって」

「はぁっ!?」

何てこった、有り得ねぇ。誰だんな事言った奴。その言い方だと俺が危ない奴みてぇじゃねぇか

「だって乱菊さんの巨乳には目もくれずにちびさぎ隊長にくっつくでしょー?」

「や、だからそれは俺あいつの副官だし」

「この前桜花隊長の胸に甘えてるとこ見ましたよー」

「あれは寝惚けて抱き付いて…って何で見てたんだてめぇ」

「書類持って九番隊に行ったらたまたま」

吉良の言葉に溜息を吐く。何か話が危ない方にしか進んでねぇ。結局は俺が変態にされる気がする

「なんだかんだ言ってちびさぎ隊長の胸が好きなんでしょー?」

「だーもうそれで良いよ!俺はあいつの胸好きですけど何か!?」

こうなりゃ自棄だ。どうせこの酔っ払い共は明日になりゃ忘れてるだろ
今この話を終わらせる為にそう怒鳴れば────

『………うわぁ』

「…………え?」

妙に聞き慣れた中性的な声が後ろから聞こえた。ぎぎぎっと音がしそうな程ゆっくりと振り向く。

『…やっぱり変態だったのか、修兵さん』

「……独月…」

丁度店の扉を開けた状態で固まっていたのは銀髪の九番隊隊長。あいつは盛大に口許を引き攣らせ、俺を見ていた

『…乱菊さんの胸を好くのは別に良いけど、こういう所で大声で言うのはどうかと思いますよ』

あれ?何か勘違いしてね?俺が言ったのは乱菊さんの事じゃないんだが。
訂正する間もなく独月が踵を返した

「ちょっ待て独月お前誤解してんぞ!」

『え、ちょっと知り合いだとか思われたくないんで名前呼ばないで下さい檜佐木副隊長』

「虐めかそれ!や、ほんと勘違いだから!マジで待てって!!」

『追って来ないで下さいよ顔面卑猥、変態、公害』

「え、そこまで言う?」






勘違いは良くある話






(俺が好きだって言ったのは乱菊さんじゃなくてお前だっての!)

(うわぁ……寧ろそっちの方が引くんですけど。ほんとどうしようもない変態ですね)

(何でだよ!ちょっと待て走るな!)

(当たり前。あの爆乳じゃなくて貧乳とすら言えない絶壁が好きとか…マニアック過ぎる)

(や、お前微乳と言え。少しはある)

(黙れロリコン)

(は!?ちょっ待て誰だんな事教えた奴!)

(斑目さん)

(あのハゲ殺す…!)

(てか尸魂界にも警察作った方が良いんじゃないかな。現に僕は今変態に追われてるし)

(おまっほんとぶっ飛ばすぞ!?)

(きゃー変態が追い掛けてきて怖いでーす)

(棒読みで言うな!)