暫く綜合救護詰所でお世話になって、大分傷も癒えたから三日後には霊術院に通える事になった。もう直ぐ顔の傷の抜糸も出来るらしい。つまり、順調



『――破道の六十三・雷吼炮』

只今病室をこっそり抜け出して鬼道の練習中。うん、霊力も順調に回復してる

「破道の十一・綴雷電!」

修兵さんも回復は順調。只顔は大虚の爪痕の所為で前より厳つくなった。元から目付き悪いのに三本線の傷痕なんか付けたら最早只のヤクザ。顔面卑猥でヤクザって軽く最凶コンボだ

「おい今失礼な事考えてなかったか」

『気のせい』

何で気付かれたんだ。エスパーか

「この様な場所で鬼道の練習ですか?」

「『………』」

今何か聞いちゃいけない声聞いた気がした。優しい声だけど絶対怒ってるもんあれは。振り向いちゃいかん。振り向いたら終わる
僕の意思とは裏腹に首は少しずつ振り向いていく。ぎぎぎって音がしそうな程ぎこちなく

「部屋からは出ない様に、と言ってあった筈なのですが?」

振り向いた先には笑顔の卯ノ花隊長。笑顔が、怖い

「何故此処に居るのですか、二人共」

冷や汗が半端ない。取り敢えず言い訳してみるか

『あ、あはは……ちょっと散歩に…』

「詰所内ならまだしもこの様な遠い場所まで?」

卯ノ花隊長がにっこり笑った
此処から詰所まで瞬歩で来たから直ぐ着いたけど結構使った。つまりそれなりに遠い

「ち、ちょっと競走してたらこんな所まで……」

今度は修兵さんが言い訳を試みる。僕と同じ様に冷や汗だらだらで

「瞬歩で?」

「瞬歩で!」

勢い良く首を縦に振る修兵さん。でも卯ノ花隊長はにっこりと。

「そもそも瞬歩の使用を許可した覚えはありませんよ?」

それはもう素晴らしい笑顔でそう仰った。僕と修兵さんが固まる。え、これ確実に怒られるじゃん

「勿論」

そんな僕達を見ながら卯ノ花隊長は更に言葉を続ける。勿論笑顔で

「鬼道の使用許可も出してはいません」

『「ごめんなさいっ!!」』


脱走→捕獲


(あの笑顔怖い)

(逆らえる気がしねぇ)