たまには
「なぁ、隊長」
『ん?』
「遊び行かね?」
『………へ?』
きっかけは修兵さんのそんな一言。何故だか猛烈に休憩…というか外出を押した修兵さんにより、今二人で瀞霊廷内をぶらついている。
『どうしてこうなった』
「俺がデートしたかったから」
『は?』
思わぬ返答に修兵さんを見れば彼は涼しい顔。え、何さらっとトンデモ発言してんの
『デート?』
「おう」
『誰が?』
「俺が」
『誰と?』
「お前と」
何てこった、これデートだったのか。あれか、男女がきゃっきゃ言って通りでいちゃつくヤツか
「お前はデートにどんな偏見持ってんだ」
『アレとか』
向かい側の二人を指差す。彼女の肩を抱きながら彼氏がにこにこ。周りは冷めた目で見ている
「あれは大声でぎゃーぎゃー言ってっからあんな目で見られてんだよ。普通にしてりゃ大丈夫だ」
『ふぅん……』
てか周りから注目されてるのが気になる。死覇装もだけど、どっちかっていうと多分羽織見られてる。これだったら隊首羽織脱いだ方が良かったか?
『注目されてる』
「あ?ああ……あれじゃね?あんまお前外出歩かねぇし、見るの初めてって奴が多いんじゃねぇの?」
『……それか』
だったらこの視線にも頷ける。基本的には僕此方に来ないし。たまに出掛けても居酒屋にしか行かないし
『銀蜻蛉?』
「ん?ああ、阿散井が良く出没するぞ」
『ああ、サングラスの』
「そうそう」
あいつ任務中に着けると必ず壊して帰ってきてた様な。それで、後からこれ高かったのにって嘆いてるのを良く見た気がする
『確か今年も最新モデルがどうとかって』
「だからあいつ今月やばいって言ってたのか」
新しいサングラスを買う前は大概奴は今月やばいと騒ぐ。何であんなのが欲しいんだろう。一個あれば十分だと思うんだけど
「まぁ好きな奴は好きだしな……お、甘味屋」
『?修兵さん甘いの苦手じゃなかった?』
「ああ。でもお前好きだろ?」
『…判んない』
最近食べたっけ。首を傾げていれば溜息を吐かれた
「お前どんだけ自分に無頓着なんだよ」
『…人並みに?』
「いや、それが人並みだったら周りが全部可笑しくなるから」
てか僕が好きな食べ物って何だ?善哉は財前への嫌がらせで食べていただけで、正直そんなに好きでもない。
悩んでいれば修兵さんに手を引かれた
「ま、良いから行くぞ」
『ん』
店内に入れば昼時だからか人が多かった。通された席に座り、周りを見る。落ち着いた店内の中、数名が此方を見ている。え、何で。また隊首羽織か。藤凍月を降ろしつつ溜息。見られるのは慣れてるが好きじゃない
「決まったか?」
『まだ』
「というかメニュー見てなかったろ」
『ん』
良く判ったな。見れば修兵さんはしょうがねぇなと笑う。何がしょうがないのか。や、その笑い方も好きだけども
『修兵さんは?』
「俺?茶かな」
『それ注文じゃないし』
「甘ぇもんはあんま食えねぇし」
『む……』
確かにこの人は甘いものをあんまり食べない。なら甘さ控えめのものを探せば良いのか。メニューを眺め、甘さ控えめと書かれたものを見付ける
『ん』
「あ?…わらび餅?」
『ん』
「これを俺に食えと」
『甘さ控えめ』
「…ははっ。りょーかいです、隊長」
修兵さんが笑って僕の頭を撫でた。何がそんなに面白かったのか。首を傾げていればすっと長い指がメニューを差した
「お前はこれか?」
『…何故』
「ん?何となく」
指されていたのは餡蜜。確かにそれにしようとは思ってたけど、何で判ったんだろう。頷けば修兵さんが笑う
「やっぱりな。じゃ、注文して良いか?」
『ん』
修兵さんが店員の女の人に注文した。その間も周りは此方をガン見。何でだ。ちらりと見れば彼等は慌てて目を逸らした。なら見なきゃ良いのに
「そういやお前と此処に来んのは初めてか」
『ん』
「やっぱ慣れねぇと周り気になるか?」
『…というか周りの視線が鬱陶しい』
「あー…」
修兵さんが困った様に笑った。次から近くをふらつく時は隊首羽織脱ごう。そう考えていれば修兵さんが優しく僕の頭を撫でた
「てか、隊首羽織もあるけどどっちかっつったら俺ら二人が珍しいのかもな」
『?』
その言葉で辺りを見回し、納得する。女性客は結構な確率で修兵さんを見てる。そうだ、この人モテるんだった
『確かに黙ってれば…というか動かなきゃ格好良い…目付きの悪さを気にしなければ』
「おい…それは俺の事か……?」
『ん』
てか何か一部を除けば護廷隊って顔整ってる人多いよね。あれか、護廷隊はアイドルグループか何かか。そう聞きたくなるぐらい上位席官は美形揃いな気がする
あれだもんね、修兵さんとか阿散井とか目付き悪いけど顔は良いもんね。あと中身を除けば。
「おい阿散井は判るが何で俺まで中身を除くんだよ」
『え、判ってないの?』
「中身も良いだろうが」
『………うわぁ』
「おい引くな」
気付いてないのか。あんた僕に構い倒してるからロリコン扱いされてるんだぞ。一般的に考えたら明らかにそれアウトだから
「わらび餅と餡蜜お持ちしました。ごゆっくりどうぞ」
運ばれてきた餡蜜にスプーンを入れれば不機嫌そうな修兵さんが口を開く
「一般的って……じゃあお前は?」
『僕?……餡蜜美味しい』
「そりゃ良かった。お前も俺の事アウトな訳?」
ああ、それか。入っていた白玉を咀嚼して修兵さんを見る。あれ、何か不機嫌っていうか拗ねてる?
『僕は好きだけど』
「……ほんとに?」
『嘘吐いても僕に得はない』
まぁロリコン扱いなのも僕の所為だし。でも僕そんなに修兵さんと歳変わんない気もするんだけど
「や、俺とお前結構な歳の差あんぞ?」
『じゃあ修兵さんどのぐらい生きてる?』
「あ?えーと……二百ぐらいか?ん?それ以上……?」
『ほら、僕と大体同じじゃん』
「あんま長くてもう歳なんか数えてねぇけどな。つかお前どのぐらい?」
『多分百五十とかそこら辺』
「…案外近ぇな」
でしょ?頷けば神妙な顔をした修兵さんが僕をじっと見た。そしてわらび餅を口に放り込む。何だその顔は。見ていれば飲み込んだ修兵さんが口を開いた
「何でお前はそんなにちっこいんだ」
『……身長の質問は受け付けません。次』
「…なら何でお前は見た目ガキなんだ」
『……見た目の質問も受け付けません。次』
「や、もう聞ける事がねぇよ」
『では質疑応答を終了します』
「マジか」
『わらび餅所望』
「ほれ」
口に放り込まれたわらび餅を咀嚼する。
見た目も身長も変わんないんだから仕方ない。てか成長出来るならとっくにしてるわ。百五十ぐらい生きてて変わったのは身長五センチと髪の長さぐらいだっての
「…阿近さんに相談してみるか?」
『え、薬に頼って成長すんの?』
「だってお前それ童顔ってレベルじゃねぇぞ」
『や、それは自分で判ってるけど』
てかそこまでしてあんたは僕を成長させたいのか。別に変わらないならそれはそれで僕はこのままで良いんだが
「や、二十代のお前とか綺麗なんだろうなーって」
『綺麗とかないわ』
「じゃあ可愛い?」
『それもない』
僕が綺麗とか可愛いとか何の冗談だ。溜息を吐けば修兵さんが首を傾げた
「どした?」
『や、綺麗とか可愛いとか修兵さんが有り得ない事言うから溜息が出た』
「有り得なくはねぇだろ。お前可愛いし」
『は?』
今この人さらっと変な事言った?瞬きすれば修兵さんが笑った。
そして平然と、第二打を
「ああ、綺麗でもあるよな。やっぱ綺麗で可愛いよ、お前」
『〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!』
持っていたスプーンが手から離れ、餡蜜の中に着地した。やばい、顔が熱い。咄嗟に口許を押さえ下を向く。何だこれ、心臓が煩い。え、僕病気だったの?
「独月?どうした?」
『…修兵さん、僕は心臓病っぽい』
「は?心臓病?」
不思議そうな修兵さんに頷いて、静かに顔を上げる。まだ顔は熱い。修兵さんを見れば、彼は目を見開いて、それから笑った
「大丈夫、それは心臓病じゃねぇよ」
『……ほんと?変じゃない?』
おうと返した修兵さんが僕の頭を撫でた。その表情は酷く優しい
「俺もお前にだけそうなっちまうから、一緒だな」
『…一緒』
「おう。…やべぇ、俺まで伝染りそうだ」
そう言った修兵さんの頬が僅かに赤い。何でだろう、伝染ったのか?見ていれば修兵さんが柔らかく目を細めた
「……あんま見んなよ。恥ずかしいだろ」
『…心臓病じゃなくて伝染病?』
たまには照れる
(あれ、そう来る?)
(え?)
『ん?』
「遊び行かね?」
『………へ?』
きっかけは修兵さんのそんな一言。何故だか猛烈に休憩…というか外出を押した修兵さんにより、今二人で瀞霊廷内をぶらついている。
『どうしてこうなった』
「俺がデートしたかったから」
『は?』
思わぬ返答に修兵さんを見れば彼は涼しい顔。え、何さらっとトンデモ発言してんの
『デート?』
「おう」
『誰が?』
「俺が」
『誰と?』
「お前と」
何てこった、これデートだったのか。あれか、男女がきゃっきゃ言って通りでいちゃつくヤツか
「お前はデートにどんな偏見持ってんだ」
『アレとか』
向かい側の二人を指差す。彼女の肩を抱きながら彼氏がにこにこ。周りは冷めた目で見ている
「あれは大声でぎゃーぎゃー言ってっからあんな目で見られてんだよ。普通にしてりゃ大丈夫だ」
『ふぅん……』
てか周りから注目されてるのが気になる。死覇装もだけど、どっちかっていうと多分羽織見られてる。これだったら隊首羽織脱いだ方が良かったか?
『注目されてる』
「あ?ああ……あれじゃね?あんまお前外出歩かねぇし、見るの初めてって奴が多いんじゃねぇの?」
『……それか』
だったらこの視線にも頷ける。基本的には僕此方に来ないし。たまに出掛けても居酒屋にしか行かないし
『銀蜻蛉?』
「ん?ああ、阿散井が良く出没するぞ」
『ああ、サングラスの』
「そうそう」
あいつ任務中に着けると必ず壊して帰ってきてた様な。それで、後からこれ高かったのにって嘆いてるのを良く見た気がする
『確か今年も最新モデルがどうとかって』
「だからあいつ今月やばいって言ってたのか」
新しいサングラスを買う前は大概奴は今月やばいと騒ぐ。何であんなのが欲しいんだろう。一個あれば十分だと思うんだけど
「まぁ好きな奴は好きだしな……お、甘味屋」
『?修兵さん甘いの苦手じゃなかった?』
「ああ。でもお前好きだろ?」
『…判んない』
最近食べたっけ。首を傾げていれば溜息を吐かれた
「お前どんだけ自分に無頓着なんだよ」
『…人並みに?』
「いや、それが人並みだったら周りが全部可笑しくなるから」
てか僕が好きな食べ物って何だ?善哉は財前への嫌がらせで食べていただけで、正直そんなに好きでもない。
悩んでいれば修兵さんに手を引かれた
「ま、良いから行くぞ」
『ん』
店内に入れば昼時だからか人が多かった。通された席に座り、周りを見る。落ち着いた店内の中、数名が此方を見ている。え、何で。また隊首羽織か。藤凍月を降ろしつつ溜息。見られるのは慣れてるが好きじゃない
「決まったか?」
『まだ』
「というかメニュー見てなかったろ」
『ん』
良く判ったな。見れば修兵さんはしょうがねぇなと笑う。何がしょうがないのか。や、その笑い方も好きだけども
『修兵さんは?』
「俺?茶かな」
『それ注文じゃないし』
「甘ぇもんはあんま食えねぇし」
『む……』
確かにこの人は甘いものをあんまり食べない。なら甘さ控えめのものを探せば良いのか。メニューを眺め、甘さ控えめと書かれたものを見付ける
『ん』
「あ?…わらび餅?」
『ん』
「これを俺に食えと」
『甘さ控えめ』
「…ははっ。りょーかいです、隊長」
修兵さんが笑って僕の頭を撫でた。何がそんなに面白かったのか。首を傾げていればすっと長い指がメニューを差した
「お前はこれか?」
『…何故』
「ん?何となく」
指されていたのは餡蜜。確かにそれにしようとは思ってたけど、何で判ったんだろう。頷けば修兵さんが笑う
「やっぱりな。じゃ、注文して良いか?」
『ん』
修兵さんが店員の女の人に注文した。その間も周りは此方をガン見。何でだ。ちらりと見れば彼等は慌てて目を逸らした。なら見なきゃ良いのに
「そういやお前と此処に来んのは初めてか」
『ん』
「やっぱ慣れねぇと周り気になるか?」
『…というか周りの視線が鬱陶しい』
「あー…」
修兵さんが困った様に笑った。次から近くをふらつく時は隊首羽織脱ごう。そう考えていれば修兵さんが優しく僕の頭を撫でた
「てか、隊首羽織もあるけどどっちかっつったら俺ら二人が珍しいのかもな」
『?』
その言葉で辺りを見回し、納得する。女性客は結構な確率で修兵さんを見てる。そうだ、この人モテるんだった
『確かに黙ってれば…というか動かなきゃ格好良い…目付きの悪さを気にしなければ』
「おい…それは俺の事か……?」
『ん』
てか何か一部を除けば護廷隊って顔整ってる人多いよね。あれか、護廷隊はアイドルグループか何かか。そう聞きたくなるぐらい上位席官は美形揃いな気がする
あれだもんね、修兵さんとか阿散井とか目付き悪いけど顔は良いもんね。あと中身を除けば。
「おい阿散井は判るが何で俺まで中身を除くんだよ」
『え、判ってないの?』
「中身も良いだろうが」
『………うわぁ』
「おい引くな」
気付いてないのか。あんた僕に構い倒してるからロリコン扱いされてるんだぞ。一般的に考えたら明らかにそれアウトだから
「わらび餅と餡蜜お持ちしました。ごゆっくりどうぞ」
運ばれてきた餡蜜にスプーンを入れれば不機嫌そうな修兵さんが口を開く
「一般的って……じゃあお前は?」
『僕?……餡蜜美味しい』
「そりゃ良かった。お前も俺の事アウトな訳?」
ああ、それか。入っていた白玉を咀嚼して修兵さんを見る。あれ、何か不機嫌っていうか拗ねてる?
『僕は好きだけど』
「……ほんとに?」
『嘘吐いても僕に得はない』
まぁロリコン扱いなのも僕の所為だし。でも僕そんなに修兵さんと歳変わんない気もするんだけど
「や、俺とお前結構な歳の差あんぞ?」
『じゃあ修兵さんどのぐらい生きてる?』
「あ?えーと……二百ぐらいか?ん?それ以上……?」
『ほら、僕と大体同じじゃん』
「あんま長くてもう歳なんか数えてねぇけどな。つかお前どのぐらい?」
『多分百五十とかそこら辺』
「…案外近ぇな」
でしょ?頷けば神妙な顔をした修兵さんが僕をじっと見た。そしてわらび餅を口に放り込む。何だその顔は。見ていれば飲み込んだ修兵さんが口を開いた
「何でお前はそんなにちっこいんだ」
『……身長の質問は受け付けません。次』
「…なら何でお前は見た目ガキなんだ」
『……見た目の質問も受け付けません。次』
「や、もう聞ける事がねぇよ」
『では質疑応答を終了します』
「マジか」
『わらび餅所望』
「ほれ」
口に放り込まれたわらび餅を咀嚼する。
見た目も身長も変わんないんだから仕方ない。てか成長出来るならとっくにしてるわ。百五十ぐらい生きてて変わったのは身長五センチと髪の長さぐらいだっての
「…阿近さんに相談してみるか?」
『え、薬に頼って成長すんの?』
「だってお前それ童顔ってレベルじゃねぇぞ」
『や、それは自分で判ってるけど』
てかそこまでしてあんたは僕を成長させたいのか。別に変わらないならそれはそれで僕はこのままで良いんだが
「や、二十代のお前とか綺麗なんだろうなーって」
『綺麗とかないわ』
「じゃあ可愛い?」
『それもない』
僕が綺麗とか可愛いとか何の冗談だ。溜息を吐けば修兵さんが首を傾げた
「どした?」
『や、綺麗とか可愛いとか修兵さんが有り得ない事言うから溜息が出た』
「有り得なくはねぇだろ。お前可愛いし」
『は?』
今この人さらっと変な事言った?瞬きすれば修兵さんが笑った。
そして平然と、第二打を
「ああ、綺麗でもあるよな。やっぱ綺麗で可愛いよ、お前」
『〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!』
持っていたスプーンが手から離れ、餡蜜の中に着地した。やばい、顔が熱い。咄嗟に口許を押さえ下を向く。何だこれ、心臓が煩い。え、僕病気だったの?
「独月?どうした?」
『…修兵さん、僕は心臓病っぽい』
「は?心臓病?」
不思議そうな修兵さんに頷いて、静かに顔を上げる。まだ顔は熱い。修兵さんを見れば、彼は目を見開いて、それから笑った
「大丈夫、それは心臓病じゃねぇよ」
『……ほんと?変じゃない?』
おうと返した修兵さんが僕の頭を撫でた。その表情は酷く優しい
「俺もお前にだけそうなっちまうから、一緒だな」
『…一緒』
「おう。…やべぇ、俺まで伝染りそうだ」
そう言った修兵さんの頬が僅かに赤い。何でだろう、伝染ったのか?見ていれば修兵さんが柔らかく目を細めた
「……あんま見んなよ。恥ずかしいだろ」
『…心臓病じゃなくて伝染病?』
たまには照れる
(あれ、そう来る?)
(え?)