「おい独月、起きろ」

大きな手にゆさゆさと肩を揺さぶられる。酔うってば

『…あと…五分…』

「もう五分待ってやっただろうが。まだ待たせる気かよ」

布団をぺいっと剥がされた
もう朝飯来るぞ、と肩に手を置かれる。あ、もうそんな時間?
起き上がり修兵さんを見る

『おはよう修兵さん』

「ん、はよ。顔洗って来いよ」

タオルを渡されてベッドから出る。欠伸をすれば修兵さんに笑われた
顔を洗って病室に戻り並べられていた食事を食べる。正直修兵さんのご飯の方が美味しい

怪我の経過を卯ノ花隊長に見せ病室に戻る。因みに外出禁止令は出されたままなので卯ノ花隊長が良く居る隊首室か自分の病室か隣の修兵さんの病室までしか行けない。うわ三カ所、ああお風呂と御手洗いを入れたら五カ所だ
取り敢えず自分の病室に戻ると其処は空っぽ。修兵さんは居なかった。自分の病室に戻ってるらしい
病室に行けば修兵さんが外をぼんやり眺めていた。何かあるのかと同じ角度で見ても何もない。空と雲と緑しかない

「…明後日には…霊術院に戻るんだよな…」

ぽつりと修兵さんが呟いた。僕はそれに頷く
蟹沢さんと青鹿さんの死はもう伝えられているだろう。今の僕達の状態も

『…修兵さんは悪くないんだよ』

そう言えば修兵さんが僕の方を見た。立ち上がって頭を撫でてみる。あ、何時もと立場が逆って何か新鮮

「え…ちょっ…おまっ…」

驚き過ぎて動かなくなった修兵さんが面白い。てか其処まで驚く事はないと思うんだけど

『修兵さんが辛かったら、僕が護ってあげる』

恐らく霊術院に通えばこの実習の件で僕達は誹謗中傷を受けるだろう。僕は普段から悪口には慣れている。勿論優等生と言われる修兵さんも。でもこれには六回生二人の死が絡んでる。修兵さんはその事を気に病んでいるし。

『僕が、護るよ』

今まで修兵さんが僕を護ってくれた様に、今度は僕が修兵さんを護る。いや、まぁ何が出来るかは判んないけど

「……お前は…」

修兵さんが静かに口を開いた

「…お前は…強いな…」

『………』

強い訳じゃないよ。只薄情なだけ
蟹沢さんと青鹿さんが死んだのに、僕は修兵さんが生きてて良かったって考えてるんだから
確かに二人を護れなかった。でも何よりも大切だったのは修兵さんで。現に僕は二人の死を其処まで重く感じていない
抱き付いて来た修兵さんの頭をそっと撫でる。ごめんね、薄情者で。
その代わり、修兵さんは何があっても護るから


不安、決意


((僕が護る))

((俺は…))