犬vs猫
(途中砕蜂視点)
昼休み、修兵さんが阿散井と打ち合わせに行くのを見送って外に出た。
宛もなくふらふらしていれば休憩するのに丁度良さそうな木陰を見付けた。通路から地面に降り、木に近付く。
よじ登るのはアレなので、木陰に腰を下ろす事にした。隊首羽織を地面に敷き、その上に腰を下ろす。
さわさわと風が吹く。ああ、何か癒されるな。ぼんやりと木漏れ日を眺めていれば、手に柔らかなものが触れた
ん?何だこれ。
下を見て、青い目と視線がかち合う
『……ねこ』
「にゃあ」
高い声で鳴いた白猫はすりすりとくっ付いてきた。喉元を擽ってやれば甘える様に喉を鳴らす。可愛いな。
撫でていると、今度は空いていた右手に、ふわっと
『……増えた』
「にゃおん」
茶色い毛並みの猫がすぐ傍に居た。同じ様に喉元を撫でてやればごろごろと喉を鳴らす。あれ、僕って猫に好かれやすい人間だったっけ?そんな事を考えていれば、今度は膝に新たな猫が乗ってきた
「にゃー」
『…にゃー?』
見れば手元にも猫が増えている。辺りにも沢山居る
あれ、最初は一匹だったのに、何か増えてる。何時の間にこんなに増えたんだ?
『何これ。僕は食べ物なんか持ってないよ?』
「にゃあ」
判ってると言う様に鳴いた猫が僕に飛び掛かってきた。叩き落とす訳にもいかず受け止め、そのままこてんと隊首羽織の上に倒れる。
すると猫達はわらわらと僕の周りに集まり始めた
『え、何するつもり?』
「にゃー」
「みー」
猫達が僕の上に乗ったり隣に居たり、その位置で丸くなった。何これ、猫布団?
猫を転がしたくはないし、動けない。ならこのままじっとしておこう。胸の上の白猫も目を閉じてるし
じっとしていると暖かな温もりの所為か、だんだん眠くなってきた。重みも丁度良い。
顔の横で眠る黒猫を見て、それからゆっくりと目を閉じた。
執務を済ませ、通路を歩く。
二番隊舎に帰る途中の通路。視界の端にあるものを捉え、足を止めた
ゆらゆらと揺れる柔らかなもの。あれは、夜一様のものと同じ…!
通路を飛び下り庭に入る。足早に近付けば、すぐに正体は判った。
────────大量の、猫。
そしてそれに囲まれている、銀髪
「………桜花…?」
囲まれているというより、埋もれている。大小様々な猫が桜花の全身にくまなく乗っている為、顔以外身体が見えない。
そんな状態の中、左右で色の違う双眸は閉じられていた。猫に乗られ埋もれる様にしているが、どうやら眠っているらしい
それにしても、何故こんな事に?
こいつはマタタビでも身体に付けたのか。でなければこの様な事にはならないだろう
一歩近付けば、眠っていた筈の猫達が顔を上げた。まるで桜花を護る様に
「………………」
じっと私を見つめると、敵意がないと判断したのか猫達はまた眠りに就いた。
「にゃあ」
眺めていればまた新たな猫がふらりとやって来て、猫の群れに加わった。
じっと猫を観察していると、ある感情が沸々と沸き上がってくる事に気付く
……触りたい。
しゃがみ込み、夜一様の様な美しい毛並みの黒猫に、そっと手を伸ばす。
桜花の顔に寄り添う様に眠っている猫は、私をちらりと見てからまた眠りに就いた。
…これは触っても良いという事だろうか。
木漏れ日を浴びてキラキラと輝く黒い毛並みにそっと触れた
柔らかい。…夜一様も、この様な柔らかさなのだろうか。黒猫に扮した時のあの美しさ。あのしなやかさ。きっとこの様に柔らかく、温かいのだろう
「ああ、夜一様……!」
何故貴女様はそんなに美しいのですか。気高いのですか。
なのに何故貴女様は此処に居て下さらないのですか。何故浦原喜助なんぞと共に居るのですか。ああ夜一様、御会いしとうございます夜一様……!!
「……はっ」
しまった。
夜一様を想うあまりに意識が飛んだ。辺りに人が居ない事を確認して、ほっと息を吐く。
もし今の場面を大前田なんぞに見られたら私は奴を殺す自信がある。そうなれば新たな副官を立てるのが面倒だ。やはり奴を早めに替えるべきか?
そう考えつつ、ちらりと銀髪を見る。
この娘の副官は有能だ。少し過保護なきらいはあるが、それを含めても大前田なんぞより数倍優秀で。
「にゃあ」
「みぃ」
また猫が増えた。
桜花の頭に擦り付き猫は丸くなった。そういえばあの男も獣の様だった。桜花に仇為す者には牙を剥く獣。そうか、こいつは獣に好かれやすいのか。
納得して、また黒猫の背を撫でる。
思えばこいつも猫の様な奴だ。同じ隊長格であるにも関わらず、敬語を外さない。
恐らく本当に気を許している相手に対してしか敬語を外さないのだろう。まるで懐かぬ猫の様だ。そう思ったのは、こいつが隊長になってすぐの頃。
浮竹や京楽が頻りに気にしていた
馴れ合うのを好まない私としては丁度良かったが。
「…まだ、私に懐かないのか」
何となく呟いて、眉を寄せる。
私は馴れ合いたくなどない。なのに、何故こんな言葉を口にしてしまったのか
すうすうと寝息を立てる桜花を見る。あどけない表情。
柔らかな銀髪に触れて、気付いた
「…貴様も猫なのか」
浮かんだのは敬愛して止まないあの方。
そうか、夜一様と同じなのか。
確かにお前もあの方の様に美しく、しなやかだ。ああ、そうか。私はお前に夜一様と同じものを感じ取っていたのか
その考えはすとんと心に落ちて、あっさりと納得出来た
キラキラと輝く銀髪を撫でていれば、桜花が小さく唸った。
ぱっと手を退けたのと同時に青と紫の双眸が開かれた。
『ん………?』
寝惚けているのか、ゆるりと目蓋を上下させる。目を瞬かせ、私を視界に入れた
『あれ……そいふぉんたいちょ……?』
「……随分と良く眠っていたな」
舌足らずな口調で桜花が私の名を口にした。それを聞いて緩みそうになる口許を引き締める
無表情を努めて浮かべていれば、桜花は傍で眠る猫達を見て呟いた
『……あー…寝ちゃったのか、僕』
「貴様、マタタビでも身体に付けたのか?」
『いえ、此処に座ったら何か沢山集まって来たんです』
猫に埋もれたまま桜花は苦笑いを浮かべた。ならば本当に獣に好かれやすい人間なのか。見つめていれば、桜花は猫達に声を掛けた
『猫さん達、僕そろそろ隊舎に戻らなきゃ。起きてくれない?』
桜花が声を掛けると猫達はゆっくりと上から降り始めた。猫の毛だらけになった桜花が身を起こし、毛を払い落とす
『寝かせてくれてありがとう。隊舎に煮干あるけど、食べる?』
「にゃあ」
『判った。じゃあ着いてきて』
粗方払い落とした桜花が隊首羽織を身に纏った。
…猫と会話が成り立っている様に見えるのは何故だ。私が幾ら猫と触れ合おうとしても、普通は逃げるのに
考えていれば、鎧と胸当てを身に着けた桜花が此方を振り返った。
『起こしてくれてありがとうございました、砕蜂隊長』
「……ああ」
『さぁ、行こう』
「にゃあ」
私に頭を下げた桜花が沢山の猫を連れて去っていった。
…あの量の猫を引き連れて行って煮干は足りるのか。
そう思いつつ、私も隊舎に戻る為に踵を返した
「……なぁ独月」
『ん?』
「何だ、その猫」
『…昼寝させてくれた親切な猫さん達』
昼休みふらりと居なくなった独月は、またふらりと帰ってきた。
何故か、大量の猫を引き連れて。
二十、三十はゆうに越える猫、猫、猫。
大小様々な猫が独月を囲んでいる。てかお前昼寝させてくれたって何だ。猫に寝かされたのかお前…
色々突っ込みたいのを堪えていれば、独月は猫達に袋詰めの煮干をやっていた。
『はい、ありがとね』
「にゃー」
お前はそこで猫と会話すんのか。
縁側に座って眺めていれば何故か一斉に猫が俺を見た。え、何だお前ら。独月も気付いたのか、首を傾げた
『猫さん?どうしたの?』
「……何だ?」
じっと見つめられ、取り敢えず見つめ返す。大量の目に浮かぶのは挑発的な色。
……こいつら、まさか
「…おい、独月はやらねぇぞ」
「にゃー!」
「にゃあ!」
「にゃあああ!」
「うおっ!?」
『え、修兵さん!?』
俺がそう言った瞬間、大量の猫が飛び掛かってきた。堪らず受け止めるが多勢に無勢…つーか猫多いなおいっ!
『ちょっストップ!修兵さん埋もれてるからっ!』
猫で埋もれる俺を独月が必死こいて救出した。俺の手を掴んだ独月を引っ張り込む。胸に倒れ込んできた独月を抱え上げ、さっと立ち上がった
「はっ、てめぇらにはやらねぇよ!」
「にゃー!」
「にゃあ!」
『え、ちょっ、修兵さん!?』
独月を抱えたまま瞬歩で屋根の上に移動する。俺に横抱きされた独月は目を白黒させていた
「良し、逃げるぞ独月」
『え?え?なんでっ?』
「猫なんかにお前をやる訳ねぇだろっ!」
『はぁ!?』
何処かから追い掛けてきた猫共から走って逃げる。理解出来ていない独月は終始目を瞬かせていた
獣の取り合い
(ふむ、隊長殿は動物に好かれるのか)
(あ?屋根の上なんか見てどうしたよ)
(見てみろ六車、修、我らが隊長殿は猫に追われているぞ)
(あ?……何やってんだあいつら)
(原種が独月抱えて猫から逃げてんな)
(くくっ…どうやら独月は動物に好かれる体質らしいな。狗が飼い主を護ろうと必死だ)
(おま、狗って…)
(それ修兵聞いたら絶対キレるぞ)
昼休み、修兵さんが阿散井と打ち合わせに行くのを見送って外に出た。
宛もなくふらふらしていれば休憩するのに丁度良さそうな木陰を見付けた。通路から地面に降り、木に近付く。
よじ登るのはアレなので、木陰に腰を下ろす事にした。隊首羽織を地面に敷き、その上に腰を下ろす。
さわさわと風が吹く。ああ、何か癒されるな。ぼんやりと木漏れ日を眺めていれば、手に柔らかなものが触れた
ん?何だこれ。
下を見て、青い目と視線がかち合う
『……ねこ』
「にゃあ」
高い声で鳴いた白猫はすりすりとくっ付いてきた。喉元を擽ってやれば甘える様に喉を鳴らす。可愛いな。
撫でていると、今度は空いていた右手に、ふわっと
『……増えた』
「にゃおん」
茶色い毛並みの猫がすぐ傍に居た。同じ様に喉元を撫でてやればごろごろと喉を鳴らす。あれ、僕って猫に好かれやすい人間だったっけ?そんな事を考えていれば、今度は膝に新たな猫が乗ってきた
「にゃー」
『…にゃー?』
見れば手元にも猫が増えている。辺りにも沢山居る
あれ、最初は一匹だったのに、何か増えてる。何時の間にこんなに増えたんだ?
『何これ。僕は食べ物なんか持ってないよ?』
「にゃあ」
判ってると言う様に鳴いた猫が僕に飛び掛かってきた。叩き落とす訳にもいかず受け止め、そのままこてんと隊首羽織の上に倒れる。
すると猫達はわらわらと僕の周りに集まり始めた
『え、何するつもり?』
「にゃー」
「みー」
猫達が僕の上に乗ったり隣に居たり、その位置で丸くなった。何これ、猫布団?
猫を転がしたくはないし、動けない。ならこのままじっとしておこう。胸の上の白猫も目を閉じてるし
じっとしていると暖かな温もりの所為か、だんだん眠くなってきた。重みも丁度良い。
顔の横で眠る黒猫を見て、それからゆっくりと目を閉じた。
執務を済ませ、通路を歩く。
二番隊舎に帰る途中の通路。視界の端にあるものを捉え、足を止めた
ゆらゆらと揺れる柔らかなもの。あれは、夜一様のものと同じ…!
通路を飛び下り庭に入る。足早に近付けば、すぐに正体は判った。
────────大量の、猫。
そしてそれに囲まれている、銀髪
「………桜花…?」
囲まれているというより、埋もれている。大小様々な猫が桜花の全身にくまなく乗っている為、顔以外身体が見えない。
そんな状態の中、左右で色の違う双眸は閉じられていた。猫に乗られ埋もれる様にしているが、どうやら眠っているらしい
それにしても、何故こんな事に?
こいつはマタタビでも身体に付けたのか。でなければこの様な事にはならないだろう
一歩近付けば、眠っていた筈の猫達が顔を上げた。まるで桜花を護る様に
「………………」
じっと私を見つめると、敵意がないと判断したのか猫達はまた眠りに就いた。
「にゃあ」
眺めていればまた新たな猫がふらりとやって来て、猫の群れに加わった。
じっと猫を観察していると、ある感情が沸々と沸き上がってくる事に気付く
……触りたい。
しゃがみ込み、夜一様の様な美しい毛並みの黒猫に、そっと手を伸ばす。
桜花の顔に寄り添う様に眠っている猫は、私をちらりと見てからまた眠りに就いた。
…これは触っても良いという事だろうか。
木漏れ日を浴びてキラキラと輝く黒い毛並みにそっと触れた
柔らかい。…夜一様も、この様な柔らかさなのだろうか。黒猫に扮した時のあの美しさ。あのしなやかさ。きっとこの様に柔らかく、温かいのだろう
「ああ、夜一様……!」
何故貴女様はそんなに美しいのですか。気高いのですか。
なのに何故貴女様は此処に居て下さらないのですか。何故浦原喜助なんぞと共に居るのですか。ああ夜一様、御会いしとうございます夜一様……!!
「……はっ」
しまった。
夜一様を想うあまりに意識が飛んだ。辺りに人が居ない事を確認して、ほっと息を吐く。
もし今の場面を大前田なんぞに見られたら私は奴を殺す自信がある。そうなれば新たな副官を立てるのが面倒だ。やはり奴を早めに替えるべきか?
そう考えつつ、ちらりと銀髪を見る。
この娘の副官は有能だ。少し過保護なきらいはあるが、それを含めても大前田なんぞより数倍優秀で。
「にゃあ」
「みぃ」
また猫が増えた。
桜花の頭に擦り付き猫は丸くなった。そういえばあの男も獣の様だった。桜花に仇為す者には牙を剥く獣。そうか、こいつは獣に好かれやすいのか。
納得して、また黒猫の背を撫でる。
思えばこいつも猫の様な奴だ。同じ隊長格であるにも関わらず、敬語を外さない。
恐らく本当に気を許している相手に対してしか敬語を外さないのだろう。まるで懐かぬ猫の様だ。そう思ったのは、こいつが隊長になってすぐの頃。
浮竹や京楽が頻りに気にしていた
馴れ合うのを好まない私としては丁度良かったが。
「…まだ、私に懐かないのか」
何となく呟いて、眉を寄せる。
私は馴れ合いたくなどない。なのに、何故こんな言葉を口にしてしまったのか
すうすうと寝息を立てる桜花を見る。あどけない表情。
柔らかな銀髪に触れて、気付いた
「…貴様も猫なのか」
浮かんだのは敬愛して止まないあの方。
そうか、夜一様と同じなのか。
確かにお前もあの方の様に美しく、しなやかだ。ああ、そうか。私はお前に夜一様と同じものを感じ取っていたのか
その考えはすとんと心に落ちて、あっさりと納得出来た
キラキラと輝く銀髪を撫でていれば、桜花が小さく唸った。
ぱっと手を退けたのと同時に青と紫の双眸が開かれた。
『ん………?』
寝惚けているのか、ゆるりと目蓋を上下させる。目を瞬かせ、私を視界に入れた
『あれ……そいふぉんたいちょ……?』
「……随分と良く眠っていたな」
舌足らずな口調で桜花が私の名を口にした。それを聞いて緩みそうになる口許を引き締める
無表情を努めて浮かべていれば、桜花は傍で眠る猫達を見て呟いた
『……あー…寝ちゃったのか、僕』
「貴様、マタタビでも身体に付けたのか?」
『いえ、此処に座ったら何か沢山集まって来たんです』
猫に埋もれたまま桜花は苦笑いを浮かべた。ならば本当に獣に好かれやすい人間なのか。見つめていれば、桜花は猫達に声を掛けた
『猫さん達、僕そろそろ隊舎に戻らなきゃ。起きてくれない?』
桜花が声を掛けると猫達はゆっくりと上から降り始めた。猫の毛だらけになった桜花が身を起こし、毛を払い落とす
『寝かせてくれてありがとう。隊舎に煮干あるけど、食べる?』
「にゃあ」
『判った。じゃあ着いてきて』
粗方払い落とした桜花が隊首羽織を身に纏った。
…猫と会話が成り立っている様に見えるのは何故だ。私が幾ら猫と触れ合おうとしても、普通は逃げるのに
考えていれば、鎧と胸当てを身に着けた桜花が此方を振り返った。
『起こしてくれてありがとうございました、砕蜂隊長』
「……ああ」
『さぁ、行こう』
「にゃあ」
私に頭を下げた桜花が沢山の猫を連れて去っていった。
…あの量の猫を引き連れて行って煮干は足りるのか。
そう思いつつ、私も隊舎に戻る為に踵を返した
「……なぁ独月」
『ん?』
「何だ、その猫」
『…昼寝させてくれた親切な猫さん達』
昼休みふらりと居なくなった独月は、またふらりと帰ってきた。
何故か、大量の猫を引き連れて。
二十、三十はゆうに越える猫、猫、猫。
大小様々な猫が独月を囲んでいる。てかお前昼寝させてくれたって何だ。猫に寝かされたのかお前…
色々突っ込みたいのを堪えていれば、独月は猫達に袋詰めの煮干をやっていた。
『はい、ありがとね』
「にゃー」
お前はそこで猫と会話すんのか。
縁側に座って眺めていれば何故か一斉に猫が俺を見た。え、何だお前ら。独月も気付いたのか、首を傾げた
『猫さん?どうしたの?』
「……何だ?」
じっと見つめられ、取り敢えず見つめ返す。大量の目に浮かぶのは挑発的な色。
……こいつら、まさか
「…おい、独月はやらねぇぞ」
「にゃー!」
「にゃあ!」
「にゃあああ!」
「うおっ!?」
『え、修兵さん!?』
俺がそう言った瞬間、大量の猫が飛び掛かってきた。堪らず受け止めるが多勢に無勢…つーか猫多いなおいっ!
『ちょっストップ!修兵さん埋もれてるからっ!』
猫で埋もれる俺を独月が必死こいて救出した。俺の手を掴んだ独月を引っ張り込む。胸に倒れ込んできた独月を抱え上げ、さっと立ち上がった
「はっ、てめぇらにはやらねぇよ!」
「にゃー!」
「にゃあ!」
『え、ちょっ、修兵さん!?』
独月を抱えたまま瞬歩で屋根の上に移動する。俺に横抱きされた独月は目を白黒させていた
「良し、逃げるぞ独月」
『え?え?なんでっ?』
「猫なんかにお前をやる訳ねぇだろっ!」
『はぁ!?』
何処かから追い掛けてきた猫共から走って逃げる。理解出来ていない独月は終始目を瞬かせていた
獣の取り合い
(ふむ、隊長殿は動物に好かれるのか)
(あ?屋根の上なんか見てどうしたよ)
(見てみろ六車、修、我らが隊長殿は猫に追われているぞ)
(あ?……何やってんだあいつら)
(原種が独月抱えて猫から逃げてんな)
(くくっ…どうやら独月は動物に好かれる体質らしいな。狗が飼い主を護ろうと必死だ)
(おま、狗って…)
(それ修兵聞いたら絶対キレるぞ)