愛しくて
(非常に男性的なネタなので注意)
仕事が終わり、居酒屋で開かれている飲み会に参加する。
どうせ遅くなるだろうと思って、独月には先に寝とく様に電子書簡送っといたから、まぁ布団には入っといてくれるだろう
「うーっす。遅くなりましたー」
「お疲れ様っす先輩」
此方に手を上げた阿散井に手を上げ返し、個室に入る。先に飲み会を開いていた吉良と射場さんは既に出来上がっていた
「あーひしゃぎしゃーん!おそいれすよー!」
「お前飲む量控えたらどうだ、吉良」
「随分遅かったのう」
「ちょっと書類に手間取っちまって」
向かい側の二人に返事してから阿散井の隣に座る。いただきますと手を合わせてから並べられた料理に手を伸ばせば、阿散井が不思議そうな顔で俺を見た
「先輩って行儀良いっすよね」
「あ?」
また不思議な事を言い始めたな。
小さく首を傾げれば、その仕草ちびさぎ隊長に似てますねと言われた。
「行儀なんか考えた事もねぇけど」
「でも必ず手ぇ合わすし、口ん中のもん飲み込んでから喋るっしょ?」
「それ普通だろ」
何でそんな事をわざわざ持ち上げるのか。これぐらい普通だろ。手ぇ合わすのはその食材と作ってくれた人に対して行う礼儀だし、口ん中のもんを飲み込んでから喋るのだって、俺がそうするのが好きじゃねぇからだ。
「良く判んねぇ事言うな赤パイン」
「人っすよ!」
「じゃあ鳥頭」
「もっと酷ぇ!」
喚く阿散井を無視して酒を煽る。やっぱ仕事の後の一杯は最高だよな
暫く好き勝手飲んで食ってれば、自然と酔いも回ってくる訳で。
適度に酒が入っちまえば、それこそ普段はあんまりしねぇ様な話にも発展しちまう訳で
「檜佐木先輩って、何時ヌいてるんすか?」
「…おま、そういう事こういうトコで聞くなよ」
あまりにも明け透けな質問に、思わず阿散井の頭をぶっ叩きたくなった。
此処はあくまでも外だ。誰が聞いてるのか判んねぇんだぞ。そんな中でそういう話は駄目だろ。
質問を流す為に酒を流し込んでいれば肩を掴んで揺さぶられる。おいそれ酔いが回るから止めろ。
頭を叩けば漸く手が止まった
「大体何でんな事聞くんだよ」
「だって先輩って何時でもちびさぎ隊長と一緒に居るでしょ?だから何時ヌいてんのかなーって」
「何時でも良いだろうが」
正直てめぇにゃ関係ねぇだろうよ。
溜息を吐きつつ酒を注ぐ。
すると今度は向かい側から声を掛けられた
「そりゃあ儂も気になっちょった。お前さん、普段はどうしとるんじゃ?」
「…あんたも酔ってんのか」
真っ赤な顔をした射場さんが、斜め向かいから興味津々といった視線を此方に向けている。因みに俺の正面に座った吉良はすーすーと寝息を立てていた。寝てるお前が羨ましい。
俺の隣には馬鹿、斜め向かいには酔っ払いのヤクザ。…うわ、逃げ場ねぇし。
深く溜息を吐いて、渋々口を開いた
「……厠とか、風呂の時ですけど」
面白くもなんともねぇだろう答えを返せば二人はへーと声を出す。
もう良いだろうと酒を飲んでいればまた阿散井が質問してきた
「じゃあ朝勃ちはどうしてるんすか?ちびさぎ隊長と何時も一緒に寝てるんでしょ?」
「……あいつより早く起きて処理する。以上」
黙秘は無駄だろうと思い、簡潔に返す。すると阿散井がニヤリと笑った
「ズリネタってやっぱちびさぎ隊長っすか?」
「っごふ!?」
思わず口にしていた酒を噴き出した。
気管に入ってげほげほと噎せる俺を見た二人がゲラゲラ笑った。くっそ酔っ払い共覚えてろ
「何じゃ、檜佐木も男じゃのう」
「毎日ちびさぎ隊長でヌいてるんすねー」
「ばっ…違ぇよ!!」
それは違ぇ。断じてそんな事はない。
独月を俺の妄想で汚す様な真似はしてねぇ。
そう言うと、じゃあ何でヌいてるんじゃと聞かれた
「何でって…」
厠と風呂の時を思い出す。
やってる時は、大概さっさと片付けようって考えてる気がする。
その時は特別何かを頭に浮かべてる訳じゃなくて
「どっちかっつーと……ボディーソープの匂い…?」
「ボディーソープっすか?」
不思議そうな阿散井に頷く。
だって俺風呂の時は身体中泡だらけにしてからヌくし。厠の時はひたすらイイトコ触ってるけど。
そう言うと、射場さんが口を開いた
「それは桜花隊長も使うとるヤツか?」
「え?ああ、はい」
大概俺が独月の部屋に泊まるから、あいつの部屋にある風呂に入る事が多い。俺の部屋にあるヤツよりは甘い匂いのするボディーソープ。まぁどっちの部屋のもお互いに良く使うけど。
そう話すと射場さんのサングラスが怪しく光った。…あれ、何か嫌な予感
「檜佐木、やっぱりお前さん桜花隊長でヌいとるぞ」
「え」
思わず固まれば射場さんが口の端を吊り上げた。阿散井が楽しそうな声を出す
「あ、やっぱりそうっすか?」
「じゃなきゃ石鹸の匂いでヌける訳ないじゃろ」
「いや、ちょっ…」
「アレっすかね、罪悪感があるから頭には浮かべねぇけど匂いでヌくとか?」
「かも知れんのう」
「ほんと止まれっての!!」
声を荒らげればやっと二人が黙った。酔っ払い共二人を睨みながら言葉を吐き出す
「俺は隊長をそんな事に使ってねぇし、そんな風に思ってません。勝手な憶測で冷やかすのは止めて下さいよ」
そう言うと、二人が漸く黙り込んだ。それにほっと息を吐き酒を煽る。
自棄になって暫く胃に流し込む様にして酒を飲んでいれば、ぽつりと射場さんが呟いた
「のう、檜佐木」
「……何すか」
「何でお前さんは、そがいに想いを隠すんじゃ」
何の事だと射場さんを見れば、思いの外真剣な顔で俺を見ていて。
その表情を崩さねぇまま、静かに問われた
「お前さん、桜花隊長の事が好きなんじゃろ?なら男じゃけぇ、そういう疚しい事に想う相手を使う事も、仕方無い事じゃと儂は思うとるんじゃが」
大分酒が回ってきて軽くなった口が、言葉を紡いだ
「……それは、駄目なんですよ」
「何でじゃ」
「………あいつは、そんなんじゃないんです」
あいつが俺に抱いてる感情は親愛だ。崇拝にも近いその感情は、それでも恋愛とは違う。
「俺はあいつを壊したくないんですよ。その為なら幾らだって嘘も吐くし、騙し通す」
そうでもしなきゃ、あいつは俺に流されちまう。恋愛感情が判らねぇまま、俺に求められて応える様な真似はさせたくねぇ。
だから、もし仮に俺が独月に恋愛感情を抱いていたとしても、俺はその気持ちを隠し通す。
独月にも俺自身にも嘘を吐いて騙し抜く。それが、独月の為になるから
「だから俺はこういう疚しい事にもあいつを使いたくないんですよ。何つーか、あいつ天使だし」
「天使、すか?」
「おう」
神妙な顔をした射場さんから目を逸らし、目を瞬かせた阿散井に向かって頷く。
でも阿散井はまだ良く判ってねぇアホ面のまま。この単細胞判ってねぇな
「独月はエロい事とか一切知らねぇんだよ。初心で純情な天使なんだよ」
「え、マジっすか」
「当たり前だろ。あの可愛くて綺麗な顔で淫乱だったらそれは逆にそそる……げふんげふん。あんな可愛い娘がエロい事知ってる訳ねぇだろ」
「…本音が駄々漏れっすよ先輩」
「……気の所為だ」
間違っても繋がったまま俺の上に乗って腰振って欲しいとか思ってない。綺麗な顔を俺のムスコで歪ませてぇとか思ってない。
気の所為っつーか寧ろ気の迷いを頭を振って打ち消した。
……やべぇ、余計に酔いが回った気がする
「でも先輩ってちびさぎ隊長に触られただけでイきそうっすよね」
「……だから、んな事言うなって」
口ではそう言いつつ、頭は勝手に働いた。酒にやられた残念な脳味噌が思い描くのは、俺のムスコを手コキする独月の姿。
上目遣いしながら軽く先端にキスされたりしたらもうやべぇ…って
「頼む阿散井マジ止めろ。俺は汚ぇ男になりたくねぇ」
机に頭をぶつけて妄想を強制終了させた。危ねぇ、自分で自分の首絞めたくなるトコだった
「何すか、想像したんすか?」
「してねぇ。断じてしてねぇ」
「じゃあ何で鼻押さえてるんすか」
「…鼻水が出そうなだけだ」
断じて違う。鼻血ではない。
ティッシュで然り気無く拭き取りつつニヤニヤしている射場さんを見た
「…何で射場さんは此方見てニヤニヤしてるんですか?」
「いや、お前さんが面白いからのう」
「面白くないっす」
弄られてる俺からすれば全然面白くない。
口を尖らせれば阿散井が口を開く
「そういや俺、胸のでけぇ娘好きっす」
「じゃあ乱菊さんにアプローチしろよ」
んでもってあわよくばこっぴどくフラれろ。それか金づるにされて金を搾り取られろ。
そう言うと阿散井が首を横に振った
「あの人はどっちかっつーと姉貴でしょ。ああいうタイプじゃなくてもっと可愛らしい感じの娘が良いんすよ」
「可愛らしい……例えば?」
「んー…性格なら雛森とか、ああ、虎徹さんとかも良いっすよね」
雛森はともかく、虎徹は可愛らしいとは違うんじゃね?あいつはどっちかっつったらおしとやかだろ
「気が強ぇのも良いけどやっぱ可愛らしい娘か優しい娘が良いっすよねー」
「気位が高いのはちぃとばかし扱いにくいけんのう…」
二人の会話を聞きながらのんびりと酒を飲む。今日は結構飲んだかも。明日二日酔いしたら嫌だな
「檜佐木先輩が好きなタイプは?」
「俺?」
阿散井に問われ悩む。
好きなタイプ、ねぇ……
「俺結構意地っ張り好きかも」
「え、意外っすね」
驚いた様子の阿散井にそうか?と返す。
だって甘えてぇのにプライドが邪魔して甘えられねぇのって可愛いだろ。
それを言うと阿散井がニヤリと笑った
「それってちびさぎ隊長っすか?」
「え?」
や、あいつは基本素直だぞ?
たまに甘えてぇって事に気付いてねぇ時あるし、そういう時は俺が言わねぇと甘えてこねぇけど。
「あいつはツンデレだ」
「俺らからしたら只のクールかツンですけどね。先輩は甘えてぇのにツンツンしてんのが好きなんでしょ?」
「や、ツンツンしてからのデレが良いんだ。アレはやべぇぞ。破壊力半端ねぇ」
顔赤くしながらくっ付いてくるのとかマジで可愛い。その顔で暴言吐くのも照れ隠しだって判っちまうから余計に可愛い。
そう言うと阿散井がしたり顔をした
「ほら、やっぱちびさぎ隊長の事じゃないっすか」
「………あ」
思わず固まればまた阿散井と射場さんが笑いだした。赤くなった顔を手で隠し、そっぽを向く。
くっそ何か俺独月の事大好きみてぇじゃねぇか。や、好きだけど。でも好きと大好きってやっぱ違うだろ。何か恥ずかしいし
「…射場さんはどういう娘が良いんですか?」
「やっぱり優しい娘かのう」
俺弄りを止めさせる為に話を振れば、射場さんは顎を撫でながらそう言った。
何か凄ぇ一般的だな。
呟けばまた阿散井が厄介な話題を持ち出した
「胸の大きさってどんぐらいが好きっすか?」
「………」
なにこいつ。何でそんなネタばっか出すんだよ。
黙ってつまみを食っていれば射場さんが口を開いた
「儂はやっぱりでかいのがええのう」
「乱菊さんクラスとか?」
「おう、あの乳はたまらんのう……」
射場さんの鼻の下が伸びてるんだけど。てか乱菊さんクラスってどんだけでけぇの好きなんだよあんた。
「あのでけぇのは良いっすよね」
「腰もええ感じで括れとるしのう」
「凄ぇ柔らかそうっすよね」
「ええのう……」
「良いっすね…」
やべぇ、ただの飲んだくれの会話がどうしようもなくなってんだけど。
聞き流していれば、しみじみと語っていた二人が同時に此方を向いた
「お前さんはどうなんじゃ?」
「檜佐木先輩は貧乳好きっすよね?」
「ちょっと待て貧乳じゃねぇ」
「ちびさぎ隊長ってツルペタっすよ?つか絶壁?」
…ちょっと待て
阿散井の言葉にカチンときた
「独月は貧乳でも絶壁でもねぇ、微乳だ。あの控えめなのが可愛いって事に気付かねぇのか」
「や、でも胸じゃねぇっしょアレ」
「おっぱいだ。あいつのおっぱいは控えめなだけで凄ぇんだぞ」
あいつのおっぱいは柔らけぇんだぞ。胸に顔くっ付けた時に柔らけぇのがあるし。
勿論身体もすべすべでずっと触ってたくなるぐらい魅力的だ。身体は芸術品みてぇに綺麗だって乱菊さんも言ってたし
「つかあの大きさって胸当て必要あるんすか?」
「何時もサラシ巻いてる。神々しい微乳は隠されてる」
「サラシ巻いてねぇ時って膨らみあります?」
「可愛いおっぱいならある」
「…ああ、大きさ変わんねぇのか」
阿散井が半眼になった。何だその目は。今からあいつの微乳の良さを語ってやろうか。
そんな事を考えていると阿散井がぐいっと酒を煽った
「でもあの大きさじゃパイズリできなくないっすか?」
「良いんだよ。微乳で出来たら微乳じゃなくなるだろうが」
微乳は控えめだからこそ微乳なんだぞ。
そう反論すればああと阿散井が声を出した
「じゃあ乳首に擦り付けて出せば良いんすね」
「おい止めろ。神々しい頂に邪なもんを擦り付けんじゃねぇ」
「俺ちびさぎ隊長の乳首に先っぽ擦り付けてイってる檜佐木先輩簡単に想像出来ますけど」
「儂もじゃ」
「止めてくれ…!」
思わず頭を抱えた。また浮かんできそうな妄想を必死こいて追い払う。
いかん、いかんぞ俺。酔っ払い二人のペースに乗せられるな
「パイズリしながら先っぽを舐められるのって良いですよね」
「ええのう」
「ちびさぎ隊長じゃそれ無理っすね先輩」
「だからそういうの言うなって…!!」
そういうのは望んでねぇし、多分そういう事になったら俺はあいつをヨくするのに専念すると思う……って考えるな俺!天使を汚すな!
「先輩絶対上に乗っかって抱き合いながら突くタイプでしょ」
「や、俺バックが良い」
「何でっすか?」
「顔見なくて済むし」
「ああ、他の女の時っすねそれ。じゃあ相手がちびさぎ隊長だったら?」
「勿論正常位で抱き合いながらじっくり……って止めろっつってんだろ!!」
「檜佐木も男じゃのう」
「頼むから俺を弄るな…!!」
部屋に帰る頃にはもう空が薄暗くなっていた。
どんだけ飲んだんだ俺。つかもう朝だし。
割としっかりした足取りで扉を開けて部屋に入った。
草履を脱いで玄関に上がり、居間に向かう。
其処に鎮座するソファの背凭れから僅かに覗く銀色に思わず固まった。
「……独月?」
小さな声で名を呼ぶが、返事はねぇ。
そっと近寄り、ソファを覗き込んだ。
「………………」
独月は眠っていた。
犬っころを胸に抱え、ソファの上で小さくなって。
それを見て込み上げてきたのは、言い表せねぇ程の愛しさで
「……ったく」
布団で寝てろって言ったろ?
毛布を被せ直し、独月を抱え上げた。静かに寝室に向かい、敷かれていた布団に寝かせる。
布団が冷えていたからか、独月が小さく震えた。その髪を撫でて、布団を掛ける
「犬っころ、起きてんだろ?」
「犬っころ言うな原種」
今までピクリとも動かなかった犬っころに声を掛ければ、ぬいぐるみの目がパチリと開いた
「俺が風呂入ってる間人型になって独月の事暖めててくれよ」
「良いぜ」
頷いた犬っころがぽんっと音を立てて人型になった。独月を抱き寄せた院生時代の俺がしっしっと手を動かす
「あー酒臭ぇ。とっとと風呂に行きやがれ」
「るせ。上がったらぬいぐるみに戻れよ」
「それまでに寝とくからてめぇはソファで寝ろ」
「ほざけ馬鹿犬」
「風呂で沈め。あわよくば死ね」
「てめぇが死ね」
あいつ俺が死んだら独月を独占するつもりだろ。んな事誰がさせるか。
死覇装を脱いで浴室に入る。種火にしてあった湯槽の水は丁度良い温度だった。
あいつ種火にしておいてくれたのか。俺が何時帰ってきても良い様に。
手早く全身を洗って湯槽に浸かる。
何かあいつの寝顔見ただけで凄ぇ癒されたんだけど。大概風呂場で来やがるムラムラもどっか飛んでっちまったし。
やっぱりあいつ天使だわ。その内背中から白い翼が生えそうで怖ぇ。
ぼんやりと水滴の付いた白い天井を見上げた。
幾分か覚めた頭に浮かぶ言葉は一つ
「……格好悪ぃな、俺」
何か俺ばっかりのめり込んで行ってそうで怖ぇ、なんて。
馬鹿みてぇな考えを顔に湯を掛ける事で掻き消した。
良し、明日は独月に優しくしよう。何時もよりずっと。あいつが気持ち悪がるぐらい優しくしよう。
そうじゃねぇとこのあったけぇ感情は伝えられねぇから。
お前の事がこんなにも大切なんだって、愛しいんだって、お前がしてくれる些細な事が凄ぇ嬉しいんだって、伝えられねぇから
君が愛しくて
(あー頭痛ぇ…)
(修兵さん飲み過ぎ。昨日結局何時ぐらいに帰ってきたの?)
(えーと、朝方)
(……馬鹿?)
(…すまん)
(飲み過ぎ。肝臓駄目になるよ)
(次からは気ぃ付ける)
(ん。……ねぇ修兵さん)
(どうした?)
(…何か今日可笑しくない?何時も以上に優しくて気持ち悪い)
(今日は独月チャン感謝デーだから)
(は?)
檜佐木にも欲はある。
聖人君子じゃないんだよっていう話
仕事が終わり、居酒屋で開かれている飲み会に参加する。
どうせ遅くなるだろうと思って、独月には先に寝とく様に電子書簡送っといたから、まぁ布団には入っといてくれるだろう
「うーっす。遅くなりましたー」
「お疲れ様っす先輩」
此方に手を上げた阿散井に手を上げ返し、個室に入る。先に飲み会を開いていた吉良と射場さんは既に出来上がっていた
「あーひしゃぎしゃーん!おそいれすよー!」
「お前飲む量控えたらどうだ、吉良」
「随分遅かったのう」
「ちょっと書類に手間取っちまって」
向かい側の二人に返事してから阿散井の隣に座る。いただきますと手を合わせてから並べられた料理に手を伸ばせば、阿散井が不思議そうな顔で俺を見た
「先輩って行儀良いっすよね」
「あ?」
また不思議な事を言い始めたな。
小さく首を傾げれば、その仕草ちびさぎ隊長に似てますねと言われた。
「行儀なんか考えた事もねぇけど」
「でも必ず手ぇ合わすし、口ん中のもん飲み込んでから喋るっしょ?」
「それ普通だろ」
何でそんな事をわざわざ持ち上げるのか。これぐらい普通だろ。手ぇ合わすのはその食材と作ってくれた人に対して行う礼儀だし、口ん中のもんを飲み込んでから喋るのだって、俺がそうするのが好きじゃねぇからだ。
「良く判んねぇ事言うな赤パイン」
「人っすよ!」
「じゃあ鳥頭」
「もっと酷ぇ!」
喚く阿散井を無視して酒を煽る。やっぱ仕事の後の一杯は最高だよな
暫く好き勝手飲んで食ってれば、自然と酔いも回ってくる訳で。
適度に酒が入っちまえば、それこそ普段はあんまりしねぇ様な話にも発展しちまう訳で
「檜佐木先輩って、何時ヌいてるんすか?」
「…おま、そういう事こういうトコで聞くなよ」
あまりにも明け透けな質問に、思わず阿散井の頭をぶっ叩きたくなった。
此処はあくまでも外だ。誰が聞いてるのか判んねぇんだぞ。そんな中でそういう話は駄目だろ。
質問を流す為に酒を流し込んでいれば肩を掴んで揺さぶられる。おいそれ酔いが回るから止めろ。
頭を叩けば漸く手が止まった
「大体何でんな事聞くんだよ」
「だって先輩って何時でもちびさぎ隊長と一緒に居るでしょ?だから何時ヌいてんのかなーって」
「何時でも良いだろうが」
正直てめぇにゃ関係ねぇだろうよ。
溜息を吐きつつ酒を注ぐ。
すると今度は向かい側から声を掛けられた
「そりゃあ儂も気になっちょった。お前さん、普段はどうしとるんじゃ?」
「…あんたも酔ってんのか」
真っ赤な顔をした射場さんが、斜め向かいから興味津々といった視線を此方に向けている。因みに俺の正面に座った吉良はすーすーと寝息を立てていた。寝てるお前が羨ましい。
俺の隣には馬鹿、斜め向かいには酔っ払いのヤクザ。…うわ、逃げ場ねぇし。
深く溜息を吐いて、渋々口を開いた
「……厠とか、風呂の時ですけど」
面白くもなんともねぇだろう答えを返せば二人はへーと声を出す。
もう良いだろうと酒を飲んでいればまた阿散井が質問してきた
「じゃあ朝勃ちはどうしてるんすか?ちびさぎ隊長と何時も一緒に寝てるんでしょ?」
「……あいつより早く起きて処理する。以上」
黙秘は無駄だろうと思い、簡潔に返す。すると阿散井がニヤリと笑った
「ズリネタってやっぱちびさぎ隊長っすか?」
「っごふ!?」
思わず口にしていた酒を噴き出した。
気管に入ってげほげほと噎せる俺を見た二人がゲラゲラ笑った。くっそ酔っ払い共覚えてろ
「何じゃ、檜佐木も男じゃのう」
「毎日ちびさぎ隊長でヌいてるんすねー」
「ばっ…違ぇよ!!」
それは違ぇ。断じてそんな事はない。
独月を俺の妄想で汚す様な真似はしてねぇ。
そう言うと、じゃあ何でヌいてるんじゃと聞かれた
「何でって…」
厠と風呂の時を思い出す。
やってる時は、大概さっさと片付けようって考えてる気がする。
その時は特別何かを頭に浮かべてる訳じゃなくて
「どっちかっつーと……ボディーソープの匂い…?」
「ボディーソープっすか?」
不思議そうな阿散井に頷く。
だって俺風呂の時は身体中泡だらけにしてからヌくし。厠の時はひたすらイイトコ触ってるけど。
そう言うと、射場さんが口を開いた
「それは桜花隊長も使うとるヤツか?」
「え?ああ、はい」
大概俺が独月の部屋に泊まるから、あいつの部屋にある風呂に入る事が多い。俺の部屋にあるヤツよりは甘い匂いのするボディーソープ。まぁどっちの部屋のもお互いに良く使うけど。
そう話すと射場さんのサングラスが怪しく光った。…あれ、何か嫌な予感
「檜佐木、やっぱりお前さん桜花隊長でヌいとるぞ」
「え」
思わず固まれば射場さんが口の端を吊り上げた。阿散井が楽しそうな声を出す
「あ、やっぱりそうっすか?」
「じゃなきゃ石鹸の匂いでヌける訳ないじゃろ」
「いや、ちょっ…」
「アレっすかね、罪悪感があるから頭には浮かべねぇけど匂いでヌくとか?」
「かも知れんのう」
「ほんと止まれっての!!」
声を荒らげればやっと二人が黙った。酔っ払い共二人を睨みながら言葉を吐き出す
「俺は隊長をそんな事に使ってねぇし、そんな風に思ってません。勝手な憶測で冷やかすのは止めて下さいよ」
そう言うと、二人が漸く黙り込んだ。それにほっと息を吐き酒を煽る。
自棄になって暫く胃に流し込む様にして酒を飲んでいれば、ぽつりと射場さんが呟いた
「のう、檜佐木」
「……何すか」
「何でお前さんは、そがいに想いを隠すんじゃ」
何の事だと射場さんを見れば、思いの外真剣な顔で俺を見ていて。
その表情を崩さねぇまま、静かに問われた
「お前さん、桜花隊長の事が好きなんじゃろ?なら男じゃけぇ、そういう疚しい事に想う相手を使う事も、仕方無い事じゃと儂は思うとるんじゃが」
大分酒が回ってきて軽くなった口が、言葉を紡いだ
「……それは、駄目なんですよ」
「何でじゃ」
「………あいつは、そんなんじゃないんです」
あいつが俺に抱いてる感情は親愛だ。崇拝にも近いその感情は、それでも恋愛とは違う。
「俺はあいつを壊したくないんですよ。その為なら幾らだって嘘も吐くし、騙し通す」
そうでもしなきゃ、あいつは俺に流されちまう。恋愛感情が判らねぇまま、俺に求められて応える様な真似はさせたくねぇ。
だから、もし仮に俺が独月に恋愛感情を抱いていたとしても、俺はその気持ちを隠し通す。
独月にも俺自身にも嘘を吐いて騙し抜く。それが、独月の為になるから
「だから俺はこういう疚しい事にもあいつを使いたくないんですよ。何つーか、あいつ天使だし」
「天使、すか?」
「おう」
神妙な顔をした射場さんから目を逸らし、目を瞬かせた阿散井に向かって頷く。
でも阿散井はまだ良く判ってねぇアホ面のまま。この単細胞判ってねぇな
「独月はエロい事とか一切知らねぇんだよ。初心で純情な天使なんだよ」
「え、マジっすか」
「当たり前だろ。あの可愛くて綺麗な顔で淫乱だったらそれは逆にそそる……げふんげふん。あんな可愛い娘がエロい事知ってる訳ねぇだろ」
「…本音が駄々漏れっすよ先輩」
「……気の所為だ」
間違っても繋がったまま俺の上に乗って腰振って欲しいとか思ってない。綺麗な顔を俺のムスコで歪ませてぇとか思ってない。
気の所為っつーか寧ろ気の迷いを頭を振って打ち消した。
……やべぇ、余計に酔いが回った気がする
「でも先輩ってちびさぎ隊長に触られただけでイきそうっすよね」
「……だから、んな事言うなって」
口ではそう言いつつ、頭は勝手に働いた。酒にやられた残念な脳味噌が思い描くのは、俺のムスコを手コキする独月の姿。
上目遣いしながら軽く先端にキスされたりしたらもうやべぇ…って
「頼む阿散井マジ止めろ。俺は汚ぇ男になりたくねぇ」
机に頭をぶつけて妄想を強制終了させた。危ねぇ、自分で自分の首絞めたくなるトコだった
「何すか、想像したんすか?」
「してねぇ。断じてしてねぇ」
「じゃあ何で鼻押さえてるんすか」
「…鼻水が出そうなだけだ」
断じて違う。鼻血ではない。
ティッシュで然り気無く拭き取りつつニヤニヤしている射場さんを見た
「…何で射場さんは此方見てニヤニヤしてるんですか?」
「いや、お前さんが面白いからのう」
「面白くないっす」
弄られてる俺からすれば全然面白くない。
口を尖らせれば阿散井が口を開く
「そういや俺、胸のでけぇ娘好きっす」
「じゃあ乱菊さんにアプローチしろよ」
んでもってあわよくばこっぴどくフラれろ。それか金づるにされて金を搾り取られろ。
そう言うと阿散井が首を横に振った
「あの人はどっちかっつーと姉貴でしょ。ああいうタイプじゃなくてもっと可愛らしい感じの娘が良いんすよ」
「可愛らしい……例えば?」
「んー…性格なら雛森とか、ああ、虎徹さんとかも良いっすよね」
雛森はともかく、虎徹は可愛らしいとは違うんじゃね?あいつはどっちかっつったらおしとやかだろ
「気が強ぇのも良いけどやっぱ可愛らしい娘か優しい娘が良いっすよねー」
「気位が高いのはちぃとばかし扱いにくいけんのう…」
二人の会話を聞きながらのんびりと酒を飲む。今日は結構飲んだかも。明日二日酔いしたら嫌だな
「檜佐木先輩が好きなタイプは?」
「俺?」
阿散井に問われ悩む。
好きなタイプ、ねぇ……
「俺結構意地っ張り好きかも」
「え、意外っすね」
驚いた様子の阿散井にそうか?と返す。
だって甘えてぇのにプライドが邪魔して甘えられねぇのって可愛いだろ。
それを言うと阿散井がニヤリと笑った
「それってちびさぎ隊長っすか?」
「え?」
や、あいつは基本素直だぞ?
たまに甘えてぇって事に気付いてねぇ時あるし、そういう時は俺が言わねぇと甘えてこねぇけど。
「あいつはツンデレだ」
「俺らからしたら只のクールかツンですけどね。先輩は甘えてぇのにツンツンしてんのが好きなんでしょ?」
「や、ツンツンしてからのデレが良いんだ。アレはやべぇぞ。破壊力半端ねぇ」
顔赤くしながらくっ付いてくるのとかマジで可愛い。その顔で暴言吐くのも照れ隠しだって判っちまうから余計に可愛い。
そう言うと阿散井がしたり顔をした
「ほら、やっぱちびさぎ隊長の事じゃないっすか」
「………あ」
思わず固まればまた阿散井と射場さんが笑いだした。赤くなった顔を手で隠し、そっぽを向く。
くっそ何か俺独月の事大好きみてぇじゃねぇか。や、好きだけど。でも好きと大好きってやっぱ違うだろ。何か恥ずかしいし
「…射場さんはどういう娘が良いんですか?」
「やっぱり優しい娘かのう」
俺弄りを止めさせる為に話を振れば、射場さんは顎を撫でながらそう言った。
何か凄ぇ一般的だな。
呟けばまた阿散井が厄介な話題を持ち出した
「胸の大きさってどんぐらいが好きっすか?」
「………」
なにこいつ。何でそんなネタばっか出すんだよ。
黙ってつまみを食っていれば射場さんが口を開いた
「儂はやっぱりでかいのがええのう」
「乱菊さんクラスとか?」
「おう、あの乳はたまらんのう……」
射場さんの鼻の下が伸びてるんだけど。てか乱菊さんクラスってどんだけでけぇの好きなんだよあんた。
「あのでけぇのは良いっすよね」
「腰もええ感じで括れとるしのう」
「凄ぇ柔らかそうっすよね」
「ええのう……」
「良いっすね…」
やべぇ、ただの飲んだくれの会話がどうしようもなくなってんだけど。
聞き流していれば、しみじみと語っていた二人が同時に此方を向いた
「お前さんはどうなんじゃ?」
「檜佐木先輩は貧乳好きっすよね?」
「ちょっと待て貧乳じゃねぇ」
「ちびさぎ隊長ってツルペタっすよ?つか絶壁?」
…ちょっと待て
阿散井の言葉にカチンときた
「独月は貧乳でも絶壁でもねぇ、微乳だ。あの控えめなのが可愛いって事に気付かねぇのか」
「や、でも胸じゃねぇっしょアレ」
「おっぱいだ。あいつのおっぱいは控えめなだけで凄ぇんだぞ」
あいつのおっぱいは柔らけぇんだぞ。胸に顔くっ付けた時に柔らけぇのがあるし。
勿論身体もすべすべでずっと触ってたくなるぐらい魅力的だ。身体は芸術品みてぇに綺麗だって乱菊さんも言ってたし
「つかあの大きさって胸当て必要あるんすか?」
「何時もサラシ巻いてる。神々しい微乳は隠されてる」
「サラシ巻いてねぇ時って膨らみあります?」
「可愛いおっぱいならある」
「…ああ、大きさ変わんねぇのか」
阿散井が半眼になった。何だその目は。今からあいつの微乳の良さを語ってやろうか。
そんな事を考えていると阿散井がぐいっと酒を煽った
「でもあの大きさじゃパイズリできなくないっすか?」
「良いんだよ。微乳で出来たら微乳じゃなくなるだろうが」
微乳は控えめだからこそ微乳なんだぞ。
そう反論すればああと阿散井が声を出した
「じゃあ乳首に擦り付けて出せば良いんすね」
「おい止めろ。神々しい頂に邪なもんを擦り付けんじゃねぇ」
「俺ちびさぎ隊長の乳首に先っぽ擦り付けてイってる檜佐木先輩簡単に想像出来ますけど」
「儂もじゃ」
「止めてくれ…!」
思わず頭を抱えた。また浮かんできそうな妄想を必死こいて追い払う。
いかん、いかんぞ俺。酔っ払い二人のペースに乗せられるな
「パイズリしながら先っぽを舐められるのって良いですよね」
「ええのう」
「ちびさぎ隊長じゃそれ無理っすね先輩」
「だからそういうの言うなって…!!」
そういうのは望んでねぇし、多分そういう事になったら俺はあいつをヨくするのに専念すると思う……って考えるな俺!天使を汚すな!
「先輩絶対上に乗っかって抱き合いながら突くタイプでしょ」
「や、俺バックが良い」
「何でっすか?」
「顔見なくて済むし」
「ああ、他の女の時っすねそれ。じゃあ相手がちびさぎ隊長だったら?」
「勿論正常位で抱き合いながらじっくり……って止めろっつってんだろ!!」
「檜佐木も男じゃのう」
「頼むから俺を弄るな…!!」
部屋に帰る頃にはもう空が薄暗くなっていた。
どんだけ飲んだんだ俺。つかもう朝だし。
割としっかりした足取りで扉を開けて部屋に入った。
草履を脱いで玄関に上がり、居間に向かう。
其処に鎮座するソファの背凭れから僅かに覗く銀色に思わず固まった。
「……独月?」
小さな声で名を呼ぶが、返事はねぇ。
そっと近寄り、ソファを覗き込んだ。
「………………」
独月は眠っていた。
犬っころを胸に抱え、ソファの上で小さくなって。
それを見て込み上げてきたのは、言い表せねぇ程の愛しさで
「……ったく」
布団で寝てろって言ったろ?
毛布を被せ直し、独月を抱え上げた。静かに寝室に向かい、敷かれていた布団に寝かせる。
布団が冷えていたからか、独月が小さく震えた。その髪を撫でて、布団を掛ける
「犬っころ、起きてんだろ?」
「犬っころ言うな原種」
今までピクリとも動かなかった犬っころに声を掛ければ、ぬいぐるみの目がパチリと開いた
「俺が風呂入ってる間人型になって独月の事暖めててくれよ」
「良いぜ」
頷いた犬っころがぽんっと音を立てて人型になった。独月を抱き寄せた院生時代の俺がしっしっと手を動かす
「あー酒臭ぇ。とっとと風呂に行きやがれ」
「るせ。上がったらぬいぐるみに戻れよ」
「それまでに寝とくからてめぇはソファで寝ろ」
「ほざけ馬鹿犬」
「風呂で沈め。あわよくば死ね」
「てめぇが死ね」
あいつ俺が死んだら独月を独占するつもりだろ。んな事誰がさせるか。
死覇装を脱いで浴室に入る。種火にしてあった湯槽の水は丁度良い温度だった。
あいつ種火にしておいてくれたのか。俺が何時帰ってきても良い様に。
手早く全身を洗って湯槽に浸かる。
何かあいつの寝顔見ただけで凄ぇ癒されたんだけど。大概風呂場で来やがるムラムラもどっか飛んでっちまったし。
やっぱりあいつ天使だわ。その内背中から白い翼が生えそうで怖ぇ。
ぼんやりと水滴の付いた白い天井を見上げた。
幾分か覚めた頭に浮かぶ言葉は一つ
「……格好悪ぃな、俺」
何か俺ばっかりのめり込んで行ってそうで怖ぇ、なんて。
馬鹿みてぇな考えを顔に湯を掛ける事で掻き消した。
良し、明日は独月に優しくしよう。何時もよりずっと。あいつが気持ち悪がるぐらい優しくしよう。
そうじゃねぇとこのあったけぇ感情は伝えられねぇから。
お前の事がこんなにも大切なんだって、愛しいんだって、お前がしてくれる些細な事が凄ぇ嬉しいんだって、伝えられねぇから
君が愛しくて
(あー頭痛ぇ…)
(修兵さん飲み過ぎ。昨日結局何時ぐらいに帰ってきたの?)
(えーと、朝方)
(……馬鹿?)
(…すまん)
(飲み過ぎ。肝臓駄目になるよ)
(次からは気ぃ付ける)
(ん。……ねぇ修兵さん)
(どうした?)
(…何か今日可笑しくない?何時も以上に優しくて気持ち悪い)
(今日は独月チャン感謝デーだから)
(は?)
檜佐木にも欲はある。
聖人君子じゃないんだよっていう話