注意
・ぶっちゃけややこしい
・檜佐木が暴走し過ぎて最早アホの子





















緩やかに意識が浮上する。
ゆっくりと目を開いて────────

『……あ?』

俺は、固まった
























「今回君達に行ったのは魂魄の核のみを入れ替える実験だヨ」

朝一で向かったのは技局。
回転椅子に座った涅隊長がそう言って、興味深げに俺達を見た。

「核のみの交換だから、恐らく斬魄刀も自分のものしか使えないだろう。身体も互いの肉体そのものだから、怪我を負えば元に戻った時に相手が負傷すると考え給えヨ」

「……何時僕達は元通りになるんです?」

俺の姿をした独月が涅隊長に質問をした。うん、なんか違和感。つか違和感半端ねぇ。
だって隣に自分が立ってる訳だし。
つか俺の声で僕って変。あの厳つい顔で僕ってかなり変。そう考えたら笑えてきた。
思わず口許を手で隠せば、二人から怪訝そうな目を向けられた

『あー…すいません。なんか俺が僕口調で喋ってると不思議で』

「…呑気だなあんたは…」

「ふん、それだけ余裕があるのなら十分だろう。明日には戻るから、精々楽しみ給えヨ」

そう言われ技局から追い出された。
ちらりと隣を見上げれば、無表情な俺が立っている。
俺無表情だと人相悪ぃな。
そんな事を思いつつ眺めていれば、独月と目が合った

「……何?」

『や、俺の無表情ってやべぇなーと思って』

「…え、やばい?」

『人相悪ぃ』

そう返せば、独月が手で頬を持ち上げた。おいそれ俺の顔が面白い事なってる。
暫く頬を持ち上げてから、ぱっと手を離した。そしてまた無表情に戻る

「……笑えてる?」

『や、ぜんっぜん』

てか笑ったつもりだったのか。思わず苦笑いすれば独月が目を丸くした

『どした?』

「…僕の顔が笑った」

『は?…そういやお前の笑顔って見た事ねぇな』

数ミリ単位で微笑んでるのなら見た事あるけど、口許をミリ以上に上げた笑顔は一度もない。
そこではっと閃く。
今は俺が独月だ。なら俺が笑ってこいつの笑顔作れば良いんじゃね?
やべ、超見たい。
となればするべき事は一つ。俺はダッシュで隊舎に向かった

「ちょっ、修兵さん!?」

『ぶはっ、おま、俺の声で修兵さんとか止めろ!腹痛ぇ!』

「あんたこそ僕の顔でそんなゲラゲラ笑うな!」

追い掛けてきた独月を連れてそんな会話をしていれば、擦れ違う隊士達から不思議なものを見る視線を頂いた。悪かったな、変な事なってて。
隊舎に入り、直ぐ様隊首室に駆け込む。
机の引き出しから手鏡を取り出した。映ったのは銀髪の幼いながらに怜悧な風貌。
うん、何時も通り可愛い。
それをじっと見つめてから、口角を上げた。
勿論鏡に映る独月も同じ様に動く訳で

『…………っ!!!!!』

思わず手鏡を放り投げ、机をばんばん叩いた。突然の事に驚いているらしい独月は手鏡を受け止めた状態で目を瞬かせている。
その手から鏡を奪い、再度確認。
柔らかく笑う独月を見て俺は感想を吐き出した

『かーわーいーいー!!!』

「……は?」

『なにこれ天使!?可愛過ぎだろ!俺可愛い!間違えた独月可愛い!!』

一人できゃいきゃいはしゃぐ俺に冷たい視線を送る奴が一人。勿論俺の姿になった独月である。
独月は頬を掻き、遠慮がちに口を開いた

「…修兵さん、頭大丈夫?」

『今溶けそう!お前の可愛さに頭ぱーんってなりそう!!』

「あのさ、僕の見た目でそういうアホなリアクションするの止めてくれない?」

『だって可愛いんだもん!お前可愛いんだもんっ!!』

「だからそれ止めろってば」

手足をばたつかせれば、溜息を吐いた独月にデコピンされた。呆れた様な表情に、俺って呆れた時はこんな顔すんのかと知る。てかあれだ、女の子にデコピンは駄目だ

『独月、それ他の女の子にすんなよ』

ぴっと指を差せばやんわりと折り曲げられた。あ、これもアウト。
そう言えば何言ってんだこいつと言わんばかりの顔をされた

「あんた男でしょうが」

『今はすっげぇ可愛い女の子ですー。取り敢えずデコピンは駄目。あとそうやってやんわり手ぇ握んのも。判ったか?』

「理由は」

『俺の独月の胸キュン行動は俺以外には断固反対します!』

胸を張って言ってやれば、独月は額に手をやった。え、何で?
首を傾げれば、無表情にたっぷりの呆れを含ませた顔で独月が俺を見た

「…あんたのものになった覚えはない。てか胸キュンて」

『え、キュンってクるだろ?俺は勿論お前だからそうなる訳だけど』

「だけど?」

『他の奴からすればお前にしか興味ねぇ俺がそういう事をするんだから、気ぃあるんじゃねぇかって勘違いすんだろ』

簡単な事だ。普段自他共に認める独月命な俺が急に女性隊士の額や手に触れたら。
普通なら自分に気があるのかと思うだろう。勿論見た目は俺だから、自己申告でもしねぇ限りこれが独月だとは気付かねぇ。それに普通なら有り得ねぇ事だから、入れ替わってるのを信じて貰えねぇ可能性もある。
そこまで説明すれば、顎に手をやった独月がふむと頷いた

「つまり俺のファンを増やすなよ、と。イケメン爆発しろ」

『え、俺イケメン?マジで!?』

「間違えた、修兵さんはなんかムカつくからイケメンじゃない」

『えぇえ…』

しょげた俺を見て、独月が笑った。
目を細め、ほんの少しだけ口角を上げた表情。なんだろう、中身が独月だからか大変魅力的に見えます隊長

『隊長』

「ん?」

『結婚して下さい』

「お断りします」

『えー…って、何してるんですか隊長』

「隊首羽織を脱がせてます」

無表情のまま独月はそう言った。言葉通り、大きな手が隊首羽織を脱がせに掛かっている

『え、まさかの逆転で致しちゃう?』

「何の話だ。隊長は僕なんだから、目印にするだけ」

『あ、なんだ』

てっきりこのままヤっちゃうのかと。でもこれ言ったら絶対ボコられる。こいつ絶対自分の身体だとか関係なくボコる。
可愛い独月の身体を護る為に、俺黙秘します。うん俺偉い。
俺から隊首羽織を脱がせた独月は、それの肩を摘まんでじっと眺め始めた

『…流石に着られねぇよ?』

「……予想以上に小さい」

『そりゃお前、俺らの身長差考えろ』

お前140台、俺180台。結構な身長差だぞこれ。俺も細身って言われるけどそれなりに筋肉付いてるし。お前ガリッガリだし。
それを聞いた独月は、右肩に隊首羽織を巻き付けた。
裾を袖みてぇに右腕に掛けて、一つ頷く

「これで良い」

隊首羽織を身に付けた独月は、俺の机の引き出しを開けた。手に取ったそれをぽいと放る。受け取った俺は小さく笑った

『ま、こっちのが落ち着くわな』

「ん」

渡された副官章を左腕に巻く。だが腕が細過ぎて副官章がでかい。なんじゃこりゃ、ぶっかぶかなんだが

『おい独月』

「ん?」

『お前もっと太れ。副官章が上手く着けらんねぇ』

そう言えば独月が自らの腕をぱんと叩いた。

「あんたアホか。この逞しい腕に巻く様になってんだからぶかぶかに決まってんでしょうが」

『……あ』

深く溜息を吐いた独月は書類整理を始めた。
何時も独月が座る席に俺が座っているという光景。俺が左利きになっているのもなかなか面白い。ぼんやりと眺めていれば、眉を寄せた独月が顔を上げた

「書類。早く」

『へいへい』













「朝会を始める前に、皆に伝えておきたい事がある」

隊舎前に九番隊の隊士を集めた朝会で、独月がすっと俺を指差した。

「涅隊長の実験で今僕と檜佐木さんは外見が入れ替わってる。明日には戻るから、取り敢えず今日は頑張れ」

『え、何を?』

「違和感との戦い」

『あー…』

思わず納得。
独月の言葉にざわつき始めた隊士達を代表して拳西さんが口を開いた

「…じゃあ此方が独月で、そっちが修兵だってのか?」

「ん、隊首羽織を着けてるのが僕」

『んで、副官章着けてんのが俺です』

「霊圧も入れ替わっている様だな」

呟く様に言った国後に独月が頷いた

「斬魄刀も自分のものしか使えない」

俺と独月は簡単に言えば外見が入れ替わってるだけだから、斬魄刀は変わらない。や、見た目から考えたら変わってる…のか?
首を捻っていれば、拳西さんが頭を掻いた

「……違和感半端ねぇ」

「大丈夫、僕らもそうだから」

『俺は幸せです』

にこっと笑えば目を尖らせた独月にがしっと頭を掴まれた。
そのままぐぐっと力を込められる

『ちょっ、痛ぇ!頭が歪むっ!』

「構わん。僕は少し歪んだ所で気にしない」

『やだやだ綺麗な頭の形をキープさせて下さいっ!!』

「ならアホな発言をするな。やたら笑うな。無駄に鏡を見るな」

『判った判っただから力抜けっ!!』

「……ふん」

仕方なさそうに独月が俺の頭から手を離した。
ひりひりする頭を撫でていれば、再び独月が隊士達に目を向けた

「…取り敢えず、今日は僕が隊長だ。それで頼む。じゃあ解散」

物凄く面倒そうな顔になった独月の言葉で隊士達は各々動き出した。
まだ俺と独月を不思議そうな目で見てくる奴も居るが、それはまぁ仕方ねぇだろう。
見た目は無表情な俺にやたらにこにこしてる独月。絶対二度見は必須な状態。
や、俺も普段はそんなに笑わねぇけどこんな嬉しい事になれば笑うだろ。寧ろウハウハだわ。
またにやけていたのか見慣れた手が俺の頬を抓んだ

『いへぇっ!!』

「に・や・け・る・な」

『わーっは!わーっははらっ!!』

「……ったく」

溜息を吐いた独月が俺の頬を解放した。隊首羽織を靡かせて隊舎へと帰っていく

『たーいちょっ』

その背に飛び付けば、肩越しに灰色の瞳が向けられた

「ちょっと。危ないから背中に張り付かないで」

『せめて抱き付いてるって言って欲しかった』






















だらだらと歩いていれば、前方に身長差の激しい二人組を見付けた。
銀髪に紫がかった黒髪。言わずもがな九番隊の隊長と副隊長だ。俺はちらりと隣の朽木隊長を見た。隊長はただ小さく頷く。判りました、挨拶してきます。
前を歩く二人に声を掛けようと口を開けた時、会話が聞こえてきた

『たっいっちょー!これ食べます?』

「食べない」

『えー、すっげぇ美味いのに』

「両手に持って食べないで。何時から僕は食いしん坊キャラになったの」

『お前普段食わねぇから、今のうちに俺が沢山食っとこうと思って』

「…明日胃もたれしたら修兵さんの所為だ」

二人の会話に思わず首を傾げた。
今ちびさぎ隊長が檜佐木先輩を隊長って呼んだ?それに檜佐木先輩がちびさぎ隊長を修兵さんって…
朽木隊長を見れば、隊長も怪訝そうな顔をしている

『んー!やっぱフランクフルトは美味ぇ!』

「…見てるだけで胸焼けしてきた」

深々と溜息を吐いた檜佐木先輩と、笑顔でフランクフルトとはし巻きを両手に持っているちびさぎ隊長。
…ん?笑顔?
思わず凝視するが、銀髪の小せぇ隊長は笑顔のまま。可笑しい。普段から無表情な筈のちびさぎ隊長が笑顔ってどういう事だ。
それに両手に食いもん持ってるし。何時もは全然食わねぇのに。
てか檜佐木先輩が無表情なのは何でだ。なんか二人共反対に見えるんだが。
じっと見ていれば、気付いたのか二人が此方を振り向いた

「ああ、阿散井に朽木隊長。どうも」

『あ、ども』

「「………」」

無表情なまま会釈した檜佐木先輩と、へらりと笑ったちびさぎ隊長。
反応が逆だ。これは何時もなら反対の筈だ。
何を言って良いのか判らず口をパクパクさせていれば、俺の気持ちを悟ったらしい先輩が自分の右肩に巻いた隊首羽織を指差した

「今僕と檜佐木さんは涅隊長の実験で身体が入れ替わってる」

「へ?」

目を丸くする俺を笑いながらちびさぎ隊長が左腕に何重にも巻いた副官章を指す

『そ。だから俺が檜佐木副隊長な訳』

「え」

視線を檜佐木先輩に向ければ、彼は溜息を吐きながら頷いた

「…僕が桜花だ」

「…霊圧が異なるのはその所為か」

静かに呟いた朽木隊長にこくりと頷く檜佐木先輩…いや、ちびさぎ隊長。
ちびさぎ隊長の姿になった檜佐木先輩ははし巻きを頬張っていた。
いやいやあんた普段でもそんな豪快に食わねぇでしょ。基本立ち食いもしねぇのに何で今日に限ってやってるんすか。
訊ねれば、檜佐木先輩はにっと笑った

『今日一日隊長の身体に食い溜めしようと思って』

「…ああ、移動中も無駄にはしないんすね」

食いしん坊万歳な状態の檜佐木先輩は、食べ終わったフランクフルトの棒を腰から提げていたゴミ箱らしき小さな箱に入れ、背中に背負っていた袋に手を突っ込んだ。
そこから取り出したのはりんご飴。はし巻きにフランクフルトにりんご飴って、あんた祭りにでも行ったのか

「ちょっと。口許に付いてる」

『ん?』

口許を男にしては細い指先で拭ったちびさぎ隊長が、そのまま自分の口に手を運ぶ。
はし巻きの食べかすを口にしたちびさぎ隊長がげんなりとした顔をした

「…これ食べきるとか胃袋どうなってんの」

『ん?普通だろ』

「今日のうちに胃薬飲んどいてね。明日苦しむのは僕なんだから」

『わーってるって。りんご飴はちょっと甘過ぎんな…』

そう言った檜佐木先輩はちびさぎ隊長にりんご飴を握らせた。
代わりにまた袋を漁り、今度はたこ焼きを取り出す。…はし巻きにたこ焼きって結構重くね?

「……甘い」

『好きだろ?』

「…嫌いじゃない」

『そうかい』

ぺろりとりんご飴を舐めたちびさぎ隊長がそう呟いて、俺と朽木隊長に目を向けた。
ちびさぎ隊長が朽木隊長に軽く会釈した

「…じゃあ、失礼します」

『失礼します』

ぺこりと頭を下げた檜佐木先輩が俺にじゃあなとはし巻きを持った手を挙げる。それに軽く頭を下げて、結局混乱したまま二人を見送った。
つかもうあの二人あのままで良いんじゃねぇか?
ちびさぎ隊長が入った檜佐木先輩の方がなんかクールだし。檜佐木先輩が入ったちびさぎ隊長の方がニコニコしてて女っぽいし。
ぼんやりとそんな事を思っていれば朽木隊長が歩き始めた。
その背中を慌てて追い掛ける。

「…そういや大概涅隊長の実験に巻き込まれてるよな、あの人達」


















「あーかったりぃ」

「黙れ大前田、貴様の声が不快だ」

前も後ろもぺったんこな砕蜂隊長と歩いていれば、反対側の通路を歩く二人が目に入った。
背の高い、俺様程じゃねぇがなかなかイケメンな檜佐木と砕蜂隊長並みのツルペタなちびさぎ隊長。
その二人を見て、砕蜂隊長が眉を寄せた

「どうかしたんすか、砕蜂隊長」

「……いや、珍しいと思ってな」

「珍しい?」

呟く様に出された言葉に俺は二人を注視した。そして砕蜂隊長の言いたい事に気付く

「……ちびさぎ隊長が飯食ってる…だと…!?!?」

「黙れ大前田」

「ごっふぉ!!」

有り得ねぇ光景に思わず大きな声を出せば、砕蜂隊長の小せぇ拳が顔にめり込んだ

「ちょっと!俺様のクールな顔が変になったらどうするんすか!?」

「安心しろ、貴様は元々不細工だ」

「ひっど!!!」

さらりと返された言葉に反論すればまた殴られた。暴力反対!言葉には出さず目で訴えれば鬱陶しいと目潰しを食らわされた

「目がっ!目がぁ!!!」

「鬱陶しい。死ね」

甃の上で転がっていれば、男にしては高ぇし女にしては低い声が降ってきた

『うわぁ…何してるんです、砕蜂隊長』

何って、今現在俺を苛めてるトコだよ。これって現世で言うパワハラってヤツじゃね?俺訴えたら勝てるんじゃね?
そんな事を考えていれば、僅かに戸惑った様な声がした

「……貴様…檜佐木か?」

痛む目を開ければ、砕蜂隊長が見ているのは銀髪のチビ。どう見たってちびさぎ隊長だ。
あんた何言ってんすか砕蜂隊長、とうとう頭イカれたんすか?
そう言おうとしたその時、ちびさぎ隊長がへらりと笑った
……え、笑った?

『さっすが砕蜂隊長。大正解』

「…という事は、貴様は桜花か」

次に砕蜂隊長が見たのはりんご飴をちまちま食ってる紫がかった黒髪。
右肩に隊首羽織を巻いた檜佐木は、無表情のままこくりと頷いた

「そうです。傍迷惑なものに巻き込まれたので」

「涅か」

「はい」

冷めた表情の檜佐木とりんご飴が物凄くミスマッチ。ついでに言えばひたすらたこ焼き食ってるちびさぎ隊長の違和感やべぇ。なんだこの違和感の塊。最早お前ら気持ち悪いんですけど

「ちびさぎ隊長が笑ってるとか天変地異の前触れかと…ぐぎゃっ!」

『おい大前田てめぇ俺の隊長愚弄すんな。天変地異とか有り得ねぇから。寧ろ世界が幸福で満たされるわ。お前にそんな貴重で綺麗で可愛くて稀有な天使の笑顔を見せてやった俺に感謝しろ。跪け。寧ろ這いつくばれ』

俺の頭を踏みつけて怒濤のマシンガントークをちびさぎ隊長の声で繰り広げたのは、紛う事なく檜佐木である

「ぶごふっ!てんめぇこのロリコン野郎!俺様の整った顔を踏むとはごべぇっ!!」

『あ゙?だ・れ・が、ロリコンだって?』

言い返す間もなく顔面をぐりぐりと甃に押し付けられる。駄目だ、こいつほんとちびさぎ隊長絡むと見境ねぇ

『うちの可愛い隊長はちょっと見た目が幼いだけだ。俺とも五十ぐらいしか変わんねぇし。大体この可憐な少女の笑顔が天変地異の前触れとかお前頭可笑しいんじゃねぇの?つかロリコンじゃねぇし。ロリコンってのは幼女趣味であって独月だけを愛でてる俺には当て嵌まんねぇし。まぁそれを除いても俺の愛情の前じゃ歳の差とか紙切れよりもうっすい壁になりますけど何か?』

「だっだずげでぞいぶぉんだいぢょっ!!」

「…砕蜂隊長、りんご飴食べます?」

「要らん」









砕蜂隊長と大前田副隊長と別れた後も何故か色んな人達と遭遇した。なんだ、厄日か。
隊首室で深々と溜息を吐いていれば、爆乳美人に向かって銀髪が笑顔でピースしていた

「やーん可愛い!!もっとやんなさい修兵!」

『りょーかい』

あれ、僕はその見た目でやらかすなって注意した筈なんだけどな。
何でだろう、何であの人はやたらと笑みを浮かべてるのかな。乱菊さんの持つカメラに向かって。
なんか今日一日あの人やらかしてるし。散々食べまくるわ大前田副隊長に暴言吐くわ、写真撮らせるわ。
………良い加減懲らしめても良いよね?
ゆらりと椅子から立ち上がった僕を見た拳西さんと直哉さんは、自分の湯呑みを持って部屋の隅に避難した

「ねぇ、檜佐木副隊長」

『ん?どうしましたたいちょ…』

此方を振り向いた修兵さんが顔を引き攣らせた。うん、そういう反応するって事は、何で僕が怒ってるのか判ってるんだよね?
無表情のまま近付けば、僕の顔が笑った

『……えへっ☆』

「…そうか。死にたいのか」

背負っていた斬魄刀を抜く。
流石にやばいと思ったらしい修兵さんが瞬歩で逃げ出した。

「逃がさん」

僕も直ぐ様追い掛ける。
九番隊舎の屋根を駆ける銀髪に向かって始解した藤凍月を投げ付けた。
握っていた長刀を引き、鎖で逃げる奴の身体を拘束する

『うえっ』

「捕まえた」

きっちり縛り上げたまま近付けば、修兵さんが固まった。

「覚悟は良いか」

『や、ちょっせめて疑問符…うぎゃあああああああああっ!!!!』









実験はロクな事にならない