「あの子は無事だったらしいよ」

「蟹沢と青鹿は死んだのに」

「あいつが死ねば良かったのにな」





一回生から四回生に飛び級した僕が周りから良く思われていない事ぐらい知っていた。それがつまらない妬みから来る事も。
霊術院に復帰して数日。無事に抜糸も済んだ僕の周りは其処まで変化はなかった。同じクラスの人に嫌われなかった事だけでも驚いたが藤堂さんに「心配した」と飛びつかれた時は明日は槍が降るんじゃないかと本気で疑った。だってそんな風に言ってくれたのはお爺ちゃんとお婆ちゃんと修兵さんしか居なかったから
藤堂さんは僕に出来た涙の痕みたいな傷痕を見て悲しそうな顔をしたけど、「良く頑張ったね」と撫でてくれた。この人熱でもあるんじゃないかと額に触れたら叩かれた。心配したのに
移動中なんかは沢山視線を感じた。彼等の目は主に右目の傷とそれによって晒された左目に向けられている。縦に瞳孔が裂けている色の違う左目を見て気味が悪いやら化け物やら。隣の藤堂さんがキレようとしたので何とか宥める。あんたは修兵さん二号か。
うざったい視線を感じつつやり過ごしていればあっという間に昼休憩。片付けをしていれば良く知った霊圧が近付いて来る

「独月」

『こんにちは修兵さん』

「おう、こんにちは。飯食おうぜ」

そう言って口角を上げた修兵さん
この人は前みたいに心から笑う事はなくなった。最近では作り笑いが増えた。その作り笑い嫌いなんだけど


教室を出て何時もの木陰へ。座って巾着を漁れば新発売の飴が出て来た。あれ、何時買ったっけ

「ほれ。弁当」

『……ありがとう』

食事中特に会話はなし。僕は自分から話しはしないし修兵さんは機械的に食べている。御馳走様でした、と弁当箱を空にして隣の修兵さんを見る。彼はぼんやりと空を眺めていた

『……修兵さん』

「んー?」

話し掛ければ気怠げな返事。構わず素直に思った事を言ってみる

『修兵さんの作り笑い、嫌い』

「………」

『次僕に作り笑いしたら凍らせるから』

「………」

『………』

「……わーったよ…」

お前なら本気でやりかねねぇ、と修兵さんは首を振った。いや本気ですとも。寧ろ凍らせて雷吼炮食らわそうと思ってる

「………あと半年か」

目を閉じた修兵さんがぽつりと呟いた。何が、とか聞かなくても判ってる。卒業までが、だ。
修兵さんはもう護廷隊入隊、しかも席官入りが決まっている。確か九番隊、だったっけ
出来る事なら僕も九番隊に入りたいな

「……良し、決めた」

突然修兵さんが手をぱんと叩いた。どうした、頭おかしくなりましたか

「俺が卒業するまでの間、相棒としてお前をみっちり鍛えてやる!」

『いや結構です』

死ぬ。この人スパルタだから死ぬ。死ぬぐらいなら相棒止めたい


復活


(取り敢えず実践形式な)

((ああ生きてられる気がしない))