あんたは鬼か
瞬歩で背後に回り込み思い切り練習用の刀を振り下ろす。後頭部を狙ったそれは簡単に防がれた
「踏み込みが甘ぇ!」
『………っ!』
弾き飛ばされ慌てて体勢を立て直す
「遅ぇ!」
瞬間蹴り飛ばされた。咄嗟に腕でガードしたもののあまり意味はなかった。まともに食らった右腕めっちゃ痛い。あの人本気過ぎ
『破道の十一・綴雷電!』
背後の木を踏み台にして刀に電流を流す。物質に電流を流す綴雷電の応用だ
斬り掛かれば修兵さんは上に跳んで避けた
「縛道の六十二・百歩欄干!」
光る棒の様な物が投げられ、それは幾重にも分裂して僕に降り注ぐ。え、ちょっ分裂し過ぎじゃね?これはやばい
『破道の三十三・蒼火墜』
百歩欄干の大群に穴を開け其処から真上に跳ぶ。そのまま横薙ぎに刀を振るえば瞬歩で躱された
「なかなか強くなったが、やっぱり弱ぇ」
左側から声が聞こえたのと同時に背中に衝撃。蹴られた、と理解した瞬間に地面に突っ込んだ
『……っ…』
痛い。背骨折れる。受け身を取るので精一杯で修兵さんを見失った。上には居ない。何処行った
「縛道の六十三・鎖条鎖縛!」
後ろから太い鎖で身体を縛られた。体勢を崩し前に倒れる。修兵さんが僕の前まで来てしゃがみ込んだ
「53点だな」
先程の実践形式の鍛錬の点数である。まぁ何とも微妙な数字。確かに動けてなかったが
「お前やっぱ眼帯外せ」
『やだ』
僕は左側からの攻撃には弱い。眼帯で左側が見えないからだ。そのハンデも戦闘経験を積めばどうにかなるのだろうが、僕に其処までの経験は勿論ない。だからこそこの実戦は僕には丁度良いのだが
「お前眼帯取りゃ席官入りなんか確実になんだろうが」
『いーやーだー』
誰がこんな化け物おめめを晒せるか。常時左目解放とか拷問以外の何でもない。他の人とかどうでも良いけど僕にだって見せたくないものの一つや二つはある
「なら今だけでも外せ」
この顔はあれだ。逆らえば酷い事になる。目が据わってるもん。逆らう=死、だ
渋々頷けば修兵さんが笑って眼帯の紐を解いた。つか良い加減鎖条鎖縛解いて下さい
「綺麗な眼だよな」
左目を覗き込んだ修兵さんが一言そう言った。左目見る度にそう言うけど修兵さん一回目を診て貰った方が良いと思う。絶対異常が見付かるから
そう思っているとデコピンを食らった。痛い
「んなに綺麗なもん隠してんじゃねぇよ」
だから目がおかしいって。
何で瞳孔が縦に裂けてる紫の眼なんか綺麗だって言えるんだ。僕自身気持ち悪いと思うのに
「んなもん俺が好きだからだよ」
『………は?』
今何て言ったこの人。診て貰うべきなのは頭か
「俺はお前の眼、好きだ。右目は空みてぇだし、左目は藤みてぇ」
『………』
「だから、俺が好きなもんを隠すな」
鎖条鎖縛が解かれて立ち上がらされる。怪我はねぇな、と確認されるも動けない。だってあんな事初めて言われた。空に藤って。左目は元の色に血が混ざったから紫なんだとかは陰口で言われた事あるけど
そう考えていると急に修兵さんがしゃがみ込んだ。そして僕の膝裏に手を置く。え、何してんの
「よっと」
『っうわぁ!?』
修兵さんが立ち上がった。僕を腕に乗せて。いやちょっと何してんの修兵さん。腕に乗せるとか何考えてんの
「お前もうちょっと飯食えよ。軽過ぎだろ。だから一撃が軽いんだ」
『あ、はい判りました…ってそうじゃなくて』
何故こうなった。あんたの中でどう考えたらこんな行動を取るって結果に至ったんだ
「よーし帰るかー」
『っ急に動くな!』
落ちそうになって歩き出した修兵さんの頭にしがみつく。つかほんと急に動くな、心臓に悪い
「うわ、お前ドキドキし過ぎ」
ケラケラと修兵さんが笑う。ああ、丁度しがみつく僕の胸の所に修兵さんの頭があるから心音が聞こえるのか
『修兵さんなんか顔面卑猥罪で捕まってしまえ』
「何だそりゃ」
この日から僕の移動手段は修兵さんの腕になった。教室に入った時の皆の反応が一様に口をあんぐり開けたものだったから少し笑えた
先輩と鍛錬
(ちょっと独月どうしたの!?何であんな運び方!?)
(…さぁ?まぁ修兵さんだし)
((……あれはもうセクハラって言えるんじゃ…))
「踏み込みが甘ぇ!」
『………っ!』
弾き飛ばされ慌てて体勢を立て直す
「遅ぇ!」
瞬間蹴り飛ばされた。咄嗟に腕でガードしたもののあまり意味はなかった。まともに食らった右腕めっちゃ痛い。あの人本気過ぎ
『破道の十一・綴雷電!』
背後の木を踏み台にして刀に電流を流す。物質に電流を流す綴雷電の応用だ
斬り掛かれば修兵さんは上に跳んで避けた
「縛道の六十二・百歩欄干!」
光る棒の様な物が投げられ、それは幾重にも分裂して僕に降り注ぐ。え、ちょっ分裂し過ぎじゃね?これはやばい
『破道の三十三・蒼火墜』
百歩欄干の大群に穴を開け其処から真上に跳ぶ。そのまま横薙ぎに刀を振るえば瞬歩で躱された
「なかなか強くなったが、やっぱり弱ぇ」
左側から声が聞こえたのと同時に背中に衝撃。蹴られた、と理解した瞬間に地面に突っ込んだ
『……っ…』
痛い。背骨折れる。受け身を取るので精一杯で修兵さんを見失った。上には居ない。何処行った
「縛道の六十三・鎖条鎖縛!」
後ろから太い鎖で身体を縛られた。体勢を崩し前に倒れる。修兵さんが僕の前まで来てしゃがみ込んだ
「53点だな」
先程の実践形式の鍛錬の点数である。まぁ何とも微妙な数字。確かに動けてなかったが
「お前やっぱ眼帯外せ」
『やだ』
僕は左側からの攻撃には弱い。眼帯で左側が見えないからだ。そのハンデも戦闘経験を積めばどうにかなるのだろうが、僕に其処までの経験は勿論ない。だからこそこの実戦は僕には丁度良いのだが
「お前眼帯取りゃ席官入りなんか確実になんだろうが」
『いーやーだー』
誰がこんな化け物おめめを晒せるか。常時左目解放とか拷問以外の何でもない。他の人とかどうでも良いけど僕にだって見せたくないものの一つや二つはある
「なら今だけでも外せ」
この顔はあれだ。逆らえば酷い事になる。目が据わってるもん。逆らう=死、だ
渋々頷けば修兵さんが笑って眼帯の紐を解いた。つか良い加減鎖条鎖縛解いて下さい
「綺麗な眼だよな」
左目を覗き込んだ修兵さんが一言そう言った。左目見る度にそう言うけど修兵さん一回目を診て貰った方が良いと思う。絶対異常が見付かるから
そう思っているとデコピンを食らった。痛い
「んなに綺麗なもん隠してんじゃねぇよ」
だから目がおかしいって。
何で瞳孔が縦に裂けてる紫の眼なんか綺麗だって言えるんだ。僕自身気持ち悪いと思うのに
「んなもん俺が好きだからだよ」
『………は?』
今何て言ったこの人。診て貰うべきなのは頭か
「俺はお前の眼、好きだ。右目は空みてぇだし、左目は藤みてぇ」
『………』
「だから、俺が好きなもんを隠すな」
鎖条鎖縛が解かれて立ち上がらされる。怪我はねぇな、と確認されるも動けない。だってあんな事初めて言われた。空に藤って。左目は元の色に血が混ざったから紫なんだとかは陰口で言われた事あるけど
そう考えていると急に修兵さんがしゃがみ込んだ。そして僕の膝裏に手を置く。え、何してんの
「よっと」
『っうわぁ!?』
修兵さんが立ち上がった。僕を腕に乗せて。いやちょっと何してんの修兵さん。腕に乗せるとか何考えてんの
「お前もうちょっと飯食えよ。軽過ぎだろ。だから一撃が軽いんだ」
『あ、はい判りました…ってそうじゃなくて』
何故こうなった。あんたの中でどう考えたらこんな行動を取るって結果に至ったんだ
「よーし帰るかー」
『っ急に動くな!』
落ちそうになって歩き出した修兵さんの頭にしがみつく。つかほんと急に動くな、心臓に悪い
「うわ、お前ドキドキし過ぎ」
ケラケラと修兵さんが笑う。ああ、丁度しがみつく僕の胸の所に修兵さんの頭があるから心音が聞こえるのか
『修兵さんなんか顔面卑猥罪で捕まってしまえ』
「何だそりゃ」
この日から僕の移動手段は修兵さんの腕になった。教室に入った時の皆の反応が一様に口をあんぐり開けたものだったから少し笑えた
先輩と鍛錬
(ちょっと独月どうしたの!?何であんな運び方!?)
(…さぁ?まぁ修兵さんだし)
((……あれはもうセクハラって言えるんじゃ…))