「それは此方や」

『はいはいどーぞ』

「せやからそれは其方や言うてるやろ」

『どっちだよ。指差せ』

あれから雑務を仕方無く七席の財前に聞いてる訳だが何というか苛つきが蓄積されるだけで経験値は積めない。何だこの無駄な作業。苛々するだけなんですけど

「これもやっとけ」

『やだ』

僕に六席から回って来た書類を押し付けようとする。それぐらい自分でやれ

「可愛くないやっちゃな」

『あんたに可愛いとか思われたくないです』

「なら檜佐木さんには思われたいんか」

『それはそれで引く』

「何やねんそれ」

いやだって修兵さんが面と向かって可愛いとか言って来たらまず四番隊に連れて行く自信あるし。それか修兵さんに何をしたのか聞く為に技術開発局に乗り込む。だってそれぐらい有り得ないし
うだうだと雑務をしていればふと感じ慣れた霊圧。それは真っ直ぐ此処に向かって来る。
席を立って扉を開ければ今正にノックをしようとしていた修兵さんと目が合った

『修兵さんっ!』

「うおっ!?」

飛び付けば少しよろめいただけでしっかりと受け止められる。あー落ち着く。修兵さんの胸板は丁度良い硬さだと思う

「良い子にしてたか?」

『ん』

腕に抱えられたので胸元に引っ付く。頭を撫でられて目を細めていると執務室から呆れた様な声が聞こえた

「檜佐木さん、自分の猫くらいちゃんと躾とって下さいよ」

待て猫って誰の事だ

「何だ、こいつやらかしたのか?」

修兵さんが僕の首輪の鈴を鳴らした。猫じゃないぞ僕は

「雑務ほっぽって檜佐木さんに飛び付きました」

『僕がやるべき事はもう終わってますけど?書類押し付けようとした財前七席僕に何かご用ですか』

「…ほんま可愛くないやっちゃなお前…」

そりゃどーも、と顔を反らせば修兵さんに頭を撫でられた。終わってんなら行こうぜ、と言われ頷く。あ、藍染隊長のとこに顔出してから帰んないと。そう言えば修兵さんが隊首室に向かってくれた

『藍染隊長』

「おや桜花くんに檜佐木くん。どうしたんだい」

偶々隊首室から出て来た藍染隊長に話し掛ける。勿論修兵さんからは降りた。

『いえ、今日はもう上がりますので挨拶に』

「そうか。五番隊には馴染めそうかな?」

『はい』

頷けば頭を撫でられた。
そして優しく微笑まれる

「これからの活躍に期待しているよ」

『…頑張ります』

修兵さんが迎えに来てくれるまで


初日終了


(行くぞ独月)

(ん)