名前と黒髪
「おーっす。元気か独月」
『……こんにちは、しゅーへーさん』
あの日。
化け物に襲われてから、檜佐木修兵さんはお菓子を持って僕の家に顔を出す様になった。
理由は僕を鍛える為らしい。
何でもあれは虚っていう魂を食べる化け物らしく、魂魄を食べる。
特に霊力がある者を狙うらしい。
え、霊力?と思い聞いてみれば、何とまぁ僕に霊力があるらしく虚はそれで僕を狙った、と。
そもそも藤凍月も死神が持つ斬魄刀という物らしい。
死神とは現世と尸魂界との魂の調整者。
魂魄を護る為、虚とも戦う。
死神の武器は斬魄刀と、あの日修兵さんが使っていた鬼道。
斬魄刀は死神と、死神になる為の学校みたいな所に通う院生達のみが手にする事が出来る。
そう考えると何時の間にか斬魄刀を手に入れていた僕は異質である。
夢に出てきて、勝手に現れた斬魄刀。
修兵さんに手に入れた経緯を話したら首を傾げられた。そうか、やっぱり変なのか。
ちょっとショックだったのは秘密である
『………なま、え?』
只今僕の部屋で斬魄刀の名前について勉強中。
教科書という物を渡されたんだけど、内容が難し過ぎて読むのを断念した。
結果修兵さんが僕でも分かり易い様に、内容を噛み砕きながら教えてくれている
「そうだ。名前だ。斬魄刀はな、認めた奴に名前を教えてくれるんだ」
何でも自分の力を使うのに相応しいと思ったら、斬魄刀の方から教えてくれるとか。
その名前を呼べば始解とかいう第一段階の力の解放が出来る…らしい。頭こんがらがりそう
『…じゃあ…ふじのいてつきは…僕を認めてくれた?』
名前、つまり藤凍月は僕に自らの名前を教えている。良く判らないが、僕が手にすると同時に。
だから僕は始解がどうのこうのじゃなくて、藤凍月は自己紹介の意味で名乗ったんだと思っていたんだけど
その旨を伝えれば、修兵さんが笑った
「や、多分自己紹介じゃねぇな…つーかそれって凄ぇ事なんだぞ独月。死神になっても名前を聞けてない奴は沢山居るんだからな?」
僕認められたのか。
でも刀使えないんだけど。それに始解しても刀身がやたら長くなって、地面スレスレな長さになる。もう片方の手には変な小さいの握らされて、使い方がさっぱり判らん。
僕には長い刀振り回しながら小さいの使うとか無理なんじゃないか。取り敢えず不安しかない。
「小せぇの…ああ、ありゃ拳銃だ」
拳銃というらしいそれの使い方は、また今度教えてやると修兵さんに言われた。
話を聞きながら、ふと思う
ていうか修兵さんは僕より凄いんだから、もう始解とか簡単にしちゃうのか?
『……じゃあ、しゅーへーさんは?』
「ん?何が?」
『斬魄刀…の、名前…』
訊ねれば、修兵さんは気まずそうに視線を逸らした
「ああ…俺はまだ院生……えーと、死神見習いみてぇなもんだしな。まだ聞けてねぇよ」
……何かごめん。軽くへこませた気がする
『…しゅーへーさんなら…大丈夫…』
えーと、人を励ますのってどう言えば良いんだっけ?考えるが良い言葉が浮かばない。
ボキャブラリーが貧困に喘いでいる。というか語量が無さ過ぎて多分泣いてる。
駄目だ僕の脳味噌使えない
うんうん唸っていれば、僕を見つめていた修兵さんが声を出して笑った
「…ははっ。ありがとな」
優しくそう言って、頭を撫でられた。
暫く撫でると満足したのか、修兵さんはお婆ちゃんの持ってきた緑茶を飲んだ。
そういえば、修兵さんはどうやらお爺ちゃんとお婆ちゃんに気に入られたらしい。
あの日見た目が怖い修兵さんに連れられて(僕は泣き疲れて寝た為背負われて)山を降りると、心配していたお爺ちゃんとお婆ちゃんに人攫いに攫われていると勘違いされたらしい。
いや修兵さん人攫いじゃないし。
まぁお爺ちゃんとお婆ちゃんは少しお茶目な所があるから、そんな変な間違いをしても仕方はないのだが
暫く経って目を覚ました僕が、お爺ちゃんとお婆ちゃんに修兵さんが虚から助けてくれたのだと話せば誤解は解けた
その日はそのまま別れたのだが、次の日に家に誰かが訪ねてきて戸を開ければ修兵さんが居た。
『……こんにちは、しゅーへーさん』
あの日。
化け物に襲われてから、檜佐木修兵さんはお菓子を持って僕の家に顔を出す様になった。
理由は僕を鍛える為らしい。
何でもあれは虚っていう魂を食べる化け物らしく、魂魄を食べる。
特に霊力がある者を狙うらしい。
え、霊力?と思い聞いてみれば、何とまぁ僕に霊力があるらしく虚はそれで僕を狙った、と。
そもそも藤凍月も死神が持つ斬魄刀という物らしい。
死神とは現世と尸魂界との魂の調整者。
魂魄を護る為、虚とも戦う。
死神の武器は斬魄刀と、あの日修兵さんが使っていた鬼道。
斬魄刀は死神と、死神になる為の学校みたいな所に通う院生達のみが手にする事が出来る。
そう考えると何時の間にか斬魄刀を手に入れていた僕は異質である。
夢に出てきて、勝手に現れた斬魄刀。
修兵さんに手に入れた経緯を話したら首を傾げられた。そうか、やっぱり変なのか。
ちょっとショックだったのは秘密である
『………なま、え?』
只今僕の部屋で斬魄刀の名前について勉強中。
教科書という物を渡されたんだけど、内容が難し過ぎて読むのを断念した。
結果修兵さんが僕でも分かり易い様に、内容を噛み砕きながら教えてくれている
「そうだ。名前だ。斬魄刀はな、認めた奴に名前を教えてくれるんだ」
何でも自分の力を使うのに相応しいと思ったら、斬魄刀の方から教えてくれるとか。
その名前を呼べば始解とかいう第一段階の力の解放が出来る…らしい。頭こんがらがりそう
『…じゃあ…ふじのいてつきは…僕を認めてくれた?』
名前、つまり藤凍月は僕に自らの名前を教えている。良く判らないが、僕が手にすると同時に。
だから僕は始解がどうのこうのじゃなくて、藤凍月は自己紹介の意味で名乗ったんだと思っていたんだけど
その旨を伝えれば、修兵さんが笑った
「や、多分自己紹介じゃねぇな…つーかそれって凄ぇ事なんだぞ独月。死神になっても名前を聞けてない奴は沢山居るんだからな?」
僕認められたのか。
でも刀使えないんだけど。それに始解しても刀身がやたら長くなって、地面スレスレな長さになる。もう片方の手には変な小さいの握らされて、使い方がさっぱり判らん。
僕には長い刀振り回しながら小さいの使うとか無理なんじゃないか。取り敢えず不安しかない。
「小せぇの…ああ、ありゃ拳銃だ」
拳銃というらしいそれの使い方は、また今度教えてやると修兵さんに言われた。
話を聞きながら、ふと思う
ていうか修兵さんは僕より凄いんだから、もう始解とか簡単にしちゃうのか?
『……じゃあ、しゅーへーさんは?』
「ん?何が?」
『斬魄刀…の、名前…』
訊ねれば、修兵さんは気まずそうに視線を逸らした
「ああ…俺はまだ院生……えーと、死神見習いみてぇなもんだしな。まだ聞けてねぇよ」
……何かごめん。軽くへこませた気がする
『…しゅーへーさんなら…大丈夫…』
えーと、人を励ますのってどう言えば良いんだっけ?考えるが良い言葉が浮かばない。
ボキャブラリーが貧困に喘いでいる。というか語量が無さ過ぎて多分泣いてる。
駄目だ僕の脳味噌使えない
うんうん唸っていれば、僕を見つめていた修兵さんが声を出して笑った
「…ははっ。ありがとな」
優しくそう言って、頭を撫でられた。
暫く撫でると満足したのか、修兵さんはお婆ちゃんの持ってきた緑茶を飲んだ。
そういえば、修兵さんはどうやらお爺ちゃんとお婆ちゃんに気に入られたらしい。
あの日見た目が怖い修兵さんに連れられて(僕は泣き疲れて寝た為背負われて)山を降りると、心配していたお爺ちゃんとお婆ちゃんに人攫いに攫われていると勘違いされたらしい。
いや修兵さん人攫いじゃないし。
まぁお爺ちゃんとお婆ちゃんは少しお茶目な所があるから、そんな変な間違いをしても仕方はないのだが
暫く経って目を覚ました僕が、お爺ちゃんとお婆ちゃんに修兵さんが虚から助けてくれたのだと話せば誤解は解けた
その日はそのまま別れたのだが、次の日に家に誰かが訪ねてきて戸を開ければ修兵さんが居た。