『……良し…』

静かに深呼吸。新しい場所に踏み込むのはやっぱり緊張する。

「さぁ、行こうか」

『はい』

東仙隊長について隊舎に入る。整列した隊士の前に立った。沢山の目が僕に向けられる。その中に何人か面識のある人のものを見つけそっと息をつく。てか修兵さん真正面に居るし

「今日から我が隊の七席になった桜花独月だ。……桜花、自己紹介を」

『はい』

東仙隊長に言われ一歩前に出る。真正面を見つめれば口がぱくぱくと動く。が・ん・ば・れ?うん、頑張りますよ

『本日より九番隊七席に配属された桜花独月です。よろしくお願いします』

頭を下げれば聞こえる拍手。目の合った修兵さんが優しく笑ったのが印象的だった






「結構緊張してたな」

頭を撫でられ見上げれば修兵さん。そりゃ緊張するわ。僕人見知りだし
修兵さんが僕の左肩に手を置いた。手温かいですね修兵さん

「何で片方だけ袖切ったんだ?」

肘まである紫の手袋をくいくい引っ張ってくる。何か動きが可愛いなおい

『両方切ると寒いから』

両方切ると身体が冷えやすくなると思うんだよね。僕体温調節苦手だから冷えたら色々面倒くさい事になるし。それを言えば修兵さんは納得した

「お前寒いと冬眠するもんな」

『冬眠違う』

寒いと動けなくなるだけだ。あ、あとお腹痛くなる。冬に修兵さんにお腹撫でて貰う事も多い気がする

「まぁ腕出してんなら丁度良いわ」

『?』

修兵さんが懐をごそごそ漁る。取り出したそれを左腕に巻き付けた。見れば二の腕辺りに修兵さんと同じ黒い腕輪が巻かれている

「九番隊への異動おめでとう」

『……ありがと…』

右手の分は二重にして手首に着けた。僕の左腕を握ったまま修兵さんが口を開く

「お前細過ぎ。多分俺このまま折れるわ」

『あんたは僕の腕折りたいんか』

何を言い出すかと思えばそんな事か。つか修兵さんの腕が筋肉質なんだよ。修兵さんの腕を掴もうとすると半分も覆いきれなかった。それを見た修兵さんが笑う

「手ぇちっさ」

『喧しい』

修兵さんの手が大きいだけだ。僕の手は小さくない。
つか手なんか物掴めれば十分だと思う

「それな、手のちいせぇ奴が負け惜しみに使う台詞だぞ」

『うっさい』

そっぽを向けば頭を撫でられる

「拗ねんなよ独月チャン」

『拗ねてない』

「拗ねてんじゃねぇか」

ぎゅっと抱き付かれてよろめく。身長差考えてくれ修兵さん。見上げればにやりと笑った修兵さんと目が合う

『……これからも宜しくお願いします』

「いきなりかよ。宜しくな」

修兵さんが目を細めて笑った。優しい笑い方。うん、その笑い方好きだわ



I hope to place



(その笑い方好き)

(………っ!)

(修兵さん顔真っ赤)