「巡回行くぞ独月」

『拒否権は?』

「なし」

『ですよねー』

仕方無く席を立てば修兵さんに頭を撫でられる。そのまま腕に乗せられた。黙って頭に引っ付く。どうせ言ったって降ろしてくれないし

「じゃ、行くか」

『ん』











「此処も平和だな」

『ん』

修兵さんの隣で周りを見る。まぁ此処は第1地区だし平和じゃないなんて事ないだろう。ふと視界に入ったのは銀髪の子供とお婆ちゃん。珍しいな銀髪なんて。見ていれば彼も此方を見た。目が合うと翡翠色のそれが大きく見開かれる。何故かと考え納得。僕顔に桜の痣やら傷痕やらあるし目の色違うし死覇装着てるし。立ち止まった少年にお婆ちゃんが声を掛ける。僕を見たお婆ちゃんも目を見開いても、それから笑顔で会釈された
彼等が歩けば周りが少年を指差し囁く。氷の様だ、と何処からか聞こえた。やっぱり銀髪ってそういう風に見られるのか。幾ら治安が良くても後ろ指差されるのは変わらない
僕もあんな風に見られてたのか

「…俺はお前の髪の色好きだぜ」

『………へ?』

予期していなかった言葉に間抜けな声が出た。腰をかがめて視線を合わせて来た修兵さんに優しく髪を梳かれる

「目の色も髪の色も好きだ。すっげぇ綺麗」

『………』

真顔で何言い出すんだこの人。直球は止めてくれ、何か恥ずかしくなるから。俯けば頭を優しく撫でられた

「だから周りなんか気にすんな。俺が好きだって言ってんだからよ」

『………ん』

小さく頷く。修兵さんに好かれていればきっとそれで良い。実際あれだけ淀んでいた心は修兵さんの言葉ですっきりした。魔法使いみたいだな、この人


I The Wizard of limited


(さて、巡回続けんぞ)

(了解、魔法使いさん)

(鬼道しか使えねぇ魔法使いってのもなぁ)

(僕を元気にする魔法があるからそれだけで良い)

(可愛い事言うなお前)