「修兵とちびさぎの副隊長・三席昇格を祝ってかんぱーいっ!」

「「「かんぱーいっ!」」」

『かんぱーい』

乱菊さんが音頭を取り飲み会が始まる。何時ものメンバー+偶然遭遇した阿近さんで僕と修兵さんの昇進を祝う会は開かれた

「おうちびさぎ!オメーも遂に三席か!流石天才児だな!」

『…天才じゃないです』

海燕さんに頭をわしゃわしゃされる。つか何回天才児じゃないって言ったら判るんだこの人

「十分天才だよ。努力する天才なんざそうそう居ねぇんだ。もっと自信持て!」

『いだっ!!』

思い切り背中を叩かれる。今物凄い良い音したんですけど。滅茶苦茶痛い。背中がひりひりする。あ、やばい涙出て来た

「痛かったか?此方来い独月」

修兵さんに呼ばれ其方に行けば頭を撫でられる。僕にお冷やを渡した修兵さんが海燕さんを見た

「海燕さん、こいつ女なんですから少しは加減して下さいよ」

「悪ぃちびさぎ、痛かったか?」

「くくっ…強がんなって」

痛くないと首を横に振れば修兵さんに笑われた。これぐらい我慢出来るし
海燕さんと修兵さんと話していれば頭に手を置かれた

「おうチビすけ、三席昇格おめでとさん」

『阿近さん』

振り向けば額に角を三本生やした男の人。阿近さんは修兵さんを通して仲良くなった人だ。修兵さんの左の頬に入れた灰色の刺青と左の鎖骨付近にある桜の刺青も阿近さんにして貰ったらしい。あと腕輪も阿近さんが作ったヤツ。そう考えるとこの人にはかなりお世話になっている

「檜佐木もお前もあっという間に上位席官か」

『僕は偶然ですよ』

修兵さんは勿論実力だけど僕はそんなに強くないし。寧ろ四席でも僕には過ぎた席だと思ってたのに。そう言えば修兵さんにデコピンされた

「俺が認めてんだから偶然じゃねぇ」

『痛い…ちょっ修兵さん痛い…』

額をつつく指を掴んでもそれは止まない。ちょっと本気で痛いんですけど

「仲良いなお前等」

『阿近さん修兵さんを止めて下さい』

「嫌だ」

きっぱり断った阿近さんはお酒を飲み始めた。くそ、あんた中身も鬼なのか
そう考えつつ両手で修兵さんの手を止める。痛いんだってそれ。絶対つつかれたとこ赤くなってる

「これで認めたか?」

『はい認めますから止めて』

「嫌だ」

『何で?』

額を押さえれば頬を摘み始めた。あんたは虐めっ子か

「仲良しねー」

『え、これが?』

カシャリと鳴ったシャッター音。見れば乱菊さんがカメラを構えていた。いや何してんのあんた

「ちびさぎと修兵の写真!結構売れるのよねー」

『「何してんですか乱菊さん」』

「息ぴったりねあんた達」












『ふぁあ……』

「眠ぃか?」

『少し』

答えれば修兵さんが笑った。枝豆をつまみにコップに注いだ酒を飲む。ほんと良く飲むなこの人

「先に寝てて良いぞ。俺まだ飲むし」

『いや、起きとく』

部屋から持ってきた虎のぬいぐるみを抱え欠伸。飲み会の後の宅飲みが現在修兵さんの部屋で行われている。
風呂も入って丁度一時間程度。眠くなり始めた僕を見ながら修兵さんが笑う

「おねむだな」

『……眠くない…』

コップを置いた手に肩を抱かれる。寄り掛かる状態になれば自然と目蓋が落ちてきた。いや、寝る気はないんだって

「寝ねぇの?」

『……ん…』

頷いて頭をぐりぐり押し付けてみる。眠気覚ましにはならなかった。擽ってぇ、と修兵さんが笑う

『……修兵さんの匂いがする…』

「そりゃ俺だからな」

そう言った修兵さんが僕の肩にタオルケットを掛ける。背中をぽんぽんと叩かれ今度こそ目蓋が落ちてきた。落ちてきたそれはもう持ち上がらない

『……しゅーへーさん…』

「お休み、独月」

その声を最後に意識は沈んで行った



お祝い



(すぅ………)

(俺もそろそろ寝るかな)