「朽木、おい朽木?」

鯉伏山に向かっている途中
海燕さんが幾ら呼んでもぼやーっとした顔でルキアは返事をしない。…もしかして、寝てる?

「朽木!!」

すぱーんと海燕さんの大きな手がルキアの頭をひっぱたいた。うわぁ、と小さな声を修兵さんが漏らした事は秘密にしておく。

「何をするのですか海燕殿!」

「オメーが何回呼んでも返事しねぇからだろうが」

「寝違えたらどうするんですか!!」

「歩きながら寝てたのかよオメーは」

海燕さんとルキアの会話を眺める。面白いなあの二人。

『てかね修兵さん、僕も歩くべきだと思うんだ』

「俺が運びてぇの。大人しく運ばれとけ」

『修兵さん、体力作りって知ってる?』

ぽんぽんと頭を叩いても降ろす気配のない修兵さんに溜息を吐く。あれだ、修兵さんと居ると大概僕は荷物宜しく運ばれている気がする

「着いたぞ」

海燕さんの言葉にルキアが笑った













「甘ぇぞ独月!もっと集中しろ!」

右側から襲って来た刃を斬魄刀で受け止め手を翳す

『破道の三十三・蒼火墜!』

至近距離で撃ったが手応えはない。躱されたか。見失った気配を探っていれば影。

「――縛道の六十二・百歩欄干」

『――――っ!!』

降り注ぐ棒を瞬歩で躱し狙いを定める。鬼道を放とうとした瞬間修兵さんの姿が消えた

「遅ぇ」

首筋に斬魄刀が突き付けられる。背後から伸びて来た片手で僕の両手は固定された

『……参りました』

そう呟けば修兵さんが笑った

「60点ってとこだな」

微妙な点数を付けた修兵さんが僕から離れる。解説をしようとした所で海燕さんがお昼にしようと言った




「何であの時直ぐに鬼道を使わなかった?」

おにぎりにかじりつく修兵さんがそう言った。どうやら今の時間で解説を終わらせるらしい

『狙いを定めてた』

そう答えれば水筒の水を飲んだ修兵さんが口を開く

「意識すんのは良い。だが時間が掛かり過ぎだ」

狙いながら使える様になれ、と言われこくりと頷く。

「大分速くなってるし他は割と良かったぞ」

『ありがとうございます』

頭を下げれば修兵さんが笑う
それを見たルキアが首を傾げた

「桜花副隊長と檜佐木副隊長はどのくらいの間共に居られるのですか?」

ルキアの問いに修兵さんと顔を見合わせる

「………どのくらいだ?」

『…二〜三十年……?』

いや寧ろそれ以上?詳しく数えた訳じゃないから判らないけど。取り敢えずずっと一緒に居る気はする

「まぁこいつが霊術院に入るきっかけ作ったのも俺だし、取り敢えず長い間一緒に居るな」

『僕が今生きてるのも修兵さんのお陰だし』

「馬鹿、持ち上げんなよ」

薄く笑った修兵さんが僕の額をつついた。いや持ち上げてない、事実だ

「生きてるのも?」

『僕小さい時に虚に襲われたんです。その時に助けてくれたのが修兵さんで』

「へぇ……じゃあ檜佐木がオメーの人生を変えたのか」

海燕さんの言葉に頷くと修兵さんが目を逸らしながら頭を掻いた。あ、照れてる

「……んな大した事じゃないっす」

『………照れてる』

「うっせ」

頭をわしゃわしゃと掻き混ぜられる。それを見た海燕さんとルキアが笑った



Happy days with you we are limited



(おし、続きやんぞ独月)

(了解)

(俺等もやるか朽木!)

(はい!)