それは書類整理をしている時。まぁ敬語を使わなくなる程度には打ち解けた財前が口を開いた

「独、お前ウチの隊花の意味は知っとるか?」

『確か……淡白、だっけ?』

財前が訊いてきた事に朧気な記憶を手繰り寄せる。確か十四番隊の隊花は桜。意味は淡白。確かに優美とか良い意味もあった筈なのに何故か淡白を掲げている

「せや。淡白や」

頷いた財前が此方を見た

「なしてそないなもんを掲げとるか判るか?」

『………判んない』

首を傾げつつ思考を巡らせるがなかなか良い考えは浮かばない。淡白って執着しないとかそんなもんでしょ?他に興味を持つなって事?

「自分の護りたい唯一以外には例え仲間にでも刃を向ける淡白さを持て――それが淡白の意味や」

『……護りたい唯一…?』

首を傾げればせや、と頷く

「十四番隊は自由なんや。必ず隊長を護れとは言わん。瀞霊廷の為に死ねとも言わん」

財前が窓を開けた。風が財前の死覇装を揺らす

「只自分の護りたいもん護って隊花を誇りながら勝手に死ね――それがウチの隊訓や」

『………………』

護りたいもの。浮かんだのは顔に傷のある69番。あの人を護って死ねるならそれでも良いかも知れない

『……なら僕は修兵さんだけ護って死ぬ』

「それでええ。何にも代え難い唯一はしっかり持っとけ」

それがお前の強さになる、そう言って財前は笑った



誇りを胸に



(財前、お茶)

(隊長付け。自分でやれや)