遭遇
「独月、おい起きろ独月」
『……ピーマンやだ…』
「夕飯にピーマン入れるぞコラ。って遊んでる場合じゃねぇ、起きろ」
『………ん…』
聞き慣れた低い声に目を開ける。映ったのは顔が派手な男の人
『…しゅーへーさん……』
「ん、おはよ。今日緊急集会だぞ、さっさと着替えろ」
『…緊急集会…?』
んなもんあったっけ?
ゆっくりと身を起こしつつ首を傾げれば、修兵さんが頭を撫でた
「忘れてたのか?今日は朝から緊急集会だ。まぁ他の隊も忙しくて全員集まるのには時間が掛かるだろうが、早めに行った方が良いだろ」
『…ん』
「良い子だ。じゃあ着替えな」
笑った修兵さんが部屋を出て行った。それを見て用意されていた死覇装に着替える。藤凍月を背負い、副官章を着けながら居間に向かえば、修兵さんが朝食を机に並べていた
「丁度良いタイミングで来たな」
『ん』
『そういえば』
「ん?」
僕を腕に乗せて歩く修兵さんを見下ろす。彼の引き締まった左腕には普段見慣れない物が陣取っていた
『何で副官章着けてる?普段は着けてないのに』
「あ?…お前マジで隊長から話聞いてねぇのか」
『多分寝てた』
財前の話をまともに聞いても眠くなるだけだ。あいつの話は総隊長とどっこいどっこいだと思う
「ったく…副隊長は副官章を着ける様に義務付けられたんだよ。斬魄刀開放許可が下されたのと同時にな」
『開放許可?…卍解も?』
「馬鹿、始解だけだ。卍解を許可してたら瀞霊廷が壊れちまうだろうが」
まぁやむを得ない場合は良いんだろうが。呟いた修兵さんが溜息を吐いた
「各副隊長は基本的には隊長と一緒に行動する事になる。財前隊長の言う事ちゃんと聞けよ?」
『…修兵さんが言うなら努力はする』
「ん、良い子だ」
『……褒められた?』
「おう、褒めた」
『わーい』
頭にぎゅっと抱き付けば修兵さんが笑った。
そうやってじゃれているとぴたりと修兵さんが足を止めた
「あ?通行禁止?」
『…手摺を歩けば問題ない』
「お前はまた斜め上な屁理屈で来たな」
くつくつと笑った修兵さんが通行禁止の立札を見る
「…だがこのまま回り道をすれば確実に遅刻…しゃーねぇな、行くぞ独月」
『ん、行くの?』
「バレなきゃ問題ねぇだろ」
僕を腕に乗せた修兵さんが立札を跨いで通った。確かに誰かに見られなきゃ問題はない。
見られないうちにさっさと行こうと修兵さんが足を早めて────
「きゃああああああああああああああ!!」
「!?」
『…この声は…雛森?』
「まさか旅禍か…?行くぞ独月!」
『ん』
聞こえたのはこの角の向こう。修兵さんが走って曲がれば、壁を見上げた雛森が座り込んでいた。
修兵さんの腕から飛び降り、雛森の傍に行く
『雛森、僕が判るか雛森?』
「桜花、さん…」
『そうだ。何があった?』
背中を擦りながら聞けば雛森はゆっくりと上を指差した。その方向を見ようとして────
「見るな、独月」
『…修兵さん?』
目の前が真っ暗になった。頭を大きな手が撫でる。傍に居た雛森もその状態。どうやら雛森ごと抱き締められているらしい
「雛森も、もう良い。お前は少し眠れ」
「ひ、さぎさん……」
ぎゅっと修兵さんの胸元を掴んだ雛森がくたりと倒れた。この感じからするに、白伏か
『…修兵さん、見えない』
「お前は見るな。お前も寝てろ」
『……雛森のその取り乱し様から見て藍染隊長に何かあったと見ますがどうでしょう』
「…だとしたら尚更見せられねぇな」
僕の頭を撫でる手に僅かに力が籠った。瞬間視界が白んでいく。
「お前の元上官なんだ、見せられる訳ねぇだろ」
『……修兵、さん』
「眠れ、独月。報告は俺がどうにかする」
あの後目が覚めた時には十四番隊の仮眠室に居た。傍に居た修兵さんから藍染隊長の死亡、それから目が覚めた雛森が三番隊に乗り込み市丸隊長に斬り掛かった事で、それに対応した吉良も互いに始解した事で投獄された事を知った。
修兵さんが藍染隊長の死体を見せたくなかったのは彼が僕の元上官だかららしい。別に平気なのに。呟けば馬鹿と小突かれた
『「「あ」」』
財前が頭を抱えた。
目の前にはオレンジの髪に身の丈程の斬魄刀を持った死神
「うわ。ついてへんやん俺ら」
『旅禍の中でもかなりめんどそうな奴に当たったね』
「せやな」
確かこいつでしょ?度々うちに練習試合という名の死合いを挑みに来るトチ狂った十一番隊長を倒したって旅禍は
正直見つけたくなかったなぁ。僕らは旅禍探してるフリしてただけなのに
「チッ……やるしかねぇか!」
旅禍は斬魄刀を構えた
『うわ財前、タンポポ頭やる気だよ』
「隊長付けぇや。俺らやる気あらへんのにな」
「タンポポじゃねぇ!…来ねぇなら此方から行くぜ!!」
言うなりタンポポが此方に向かってきた。ああめんどくさい
『はぁ……雷鳴の馬車 糸車の間隙 光もて此を六に別つ』
「詠唱破棄せぇへんの?」
詠唱破棄して破られたら嫌だしね。念には念をってやつだよ
『縛道の六十一・六杖光牢』
「っ!?」
現れた光の帯が旅禍の動きを封じた。動けなくなった旅禍が僕を睨んでいる。うわ目付き悪っ
つか隊長斬魄刀の柄に手を掛ける事すらしなかったんだけど。やる気なしかこのピアス野郎
「ピアスはお前もやろ」
これはカフスだ馬鹿。って
『え、喋ってた?』
「おん」
これからは気を付けよう。てか捕まえたのは良いけどこのタンポポ頭どうしようか。連れて行くのもめんどくさい。逃がすにしても理由がない
戦うなんて以ての外
あれ、そもそもこいつら何で此処に来たんだ?
『ねぇタンポポくん。何であんたらは此処に来たの?』
「タンポポじゃねぇ!!…俺達はルキアを助けに来たんだ!」
『ルキア……朽木ルキアを?』
タンポポくんは頷いた。
十三番隊所属の朽木ルキア
普通に良い子だけど、助けるってあの子何やらかしたの?
「……朽木ルキアは死神の力を譲渡したっちゅー罪で死刑やっちゅうたやん」
聞いてなかったんか、という財前のジト目は無視。ええ聞いてませんでしたとも。総隊長の話なんて自慢じゃないが眠らずに聞いた覚えはない
『てか譲渡したって、そんだけで死刑?』
「おん。…しかも、双極を使うっちゅう話や」
『え』
刑が余りにも重くない?
確かに力の譲渡(それも人間に)は重罪だけど、双極を使って死刑にする程のものではなかった筈
大体双極って極悪人の処刑とかで使うヤツでしょ
それを何でルキアに?
『…ぜんざいたいちょー』
「……財前隊長や。…なん?」
財前は面倒そうな顔で僕を見た。ああ、僕がしたい事が判ってるからそんな顔してるのか
ごめんね面倒事増やす部下で
『朽木ルキアの処刑に何点か疑問があります』
「ほーか」
『此処は暫くこのタンポ…旅禍を泳がせて上の動きを様子見するべきかと』
「ほんなら逃がすか」
『了解』
鬼道を解いた。きょとん顔の旅禍に蹴りを入れる。
「いっでぇ!!何しやがる!!」
『早く行けタンポポ。捕まりたいのか?』
「は?」
「せやから早よ逃げ言うてんねん。耳聞こえへんのかお前」
財前も呆れた様な顔で旅禍を蹴飛ばした。うん、早く行けよ
『冗談抜きで早く逃げなよ。此処に誰か来たら僕らは戦わないといけなくなる』
流石に黙って見逃したってバレたら面倒な事になるしね。
今だって此処に向かって来る――この霊圧は三番隊の市丸隊長か。
あの人には見つかりたくないな。良く飴くれるけど愉快犯的な所もあって性格悪いし
やっと立ち上がった旅禍が僕らをじっと見ていた。だから早く逃げなよ。もうすぐ来るって
ふとその眼差しが今は居ないあの人と重なった。気付かなかったけど良く見たら面差しもそっくりで、胸が痛む。ああ、だからこの子供には懐かしさを覚えたのか、と納得
「…一つだけ聞きてぇ。何であんたらは俺を見逃すんだ?」
何だ、そんな事か
『僕らがこの処刑に疑問を持ったから』
まぁ財前は僕が巻き込んだ感が拭いきれないんだけど
「早よ逃げ。市丸が来るで」
財前が僕の腕を掴んで瞬歩を使ったから、引きずられる様にして僕も移動した。せめて一言言ってから瞬歩使えよ
掴まれた腕を振りほどいて隣を歩く。
多分あの場所で市丸隊長と鉢合わせたら変な容疑を掛けられる。五番隊の藍染隊長の殺害容疑だとか。絶対面倒な事になるよね、うん。
「独、これからどないするん?」
財前が僕の顔を覗き込んできた。
『取り敢えず、資料室で調べたりするのは?』
「せやな。後は怪しい奴らの動向を探る、とかか」
修兵さんにも相談してみようか。あの人ならきっと協力してくれる。いや、でもだからこそきっと言っちゃいけないんだ。
この行為は護廷十四隊処か尸魂界に反逆するのと同じ。誰も巻き込んじゃ駄目だ。勿論この気に食わない上官も
資料調べまで手伝ってもらったら後は一人でやろう。一人小さく頷くと、不意に財前が立ち止まった
「お二人さん何や楽しそうな話してはるなぁ」
その声に振り向けば居たのは狐。
「ボクも混ぜてぇな」
『お断りします』
「――厄介な奴に見つかってもうたな」
財前が斬魄刀に手を掛けた
予期せぬ遭遇
(独、下がっとけ)
(いや僕がやる)
(あーあ、嫌われとるなぁボク)
『……ピーマンやだ…』
「夕飯にピーマン入れるぞコラ。って遊んでる場合じゃねぇ、起きろ」
『………ん…』
聞き慣れた低い声に目を開ける。映ったのは顔が派手な男の人
『…しゅーへーさん……』
「ん、おはよ。今日緊急集会だぞ、さっさと着替えろ」
『…緊急集会…?』
んなもんあったっけ?
ゆっくりと身を起こしつつ首を傾げれば、修兵さんが頭を撫でた
「忘れてたのか?今日は朝から緊急集会だ。まぁ他の隊も忙しくて全員集まるのには時間が掛かるだろうが、早めに行った方が良いだろ」
『…ん』
「良い子だ。じゃあ着替えな」
笑った修兵さんが部屋を出て行った。それを見て用意されていた死覇装に着替える。藤凍月を背負い、副官章を着けながら居間に向かえば、修兵さんが朝食を机に並べていた
「丁度良いタイミングで来たな」
『ん』
『そういえば』
「ん?」
僕を腕に乗せて歩く修兵さんを見下ろす。彼の引き締まった左腕には普段見慣れない物が陣取っていた
『何で副官章着けてる?普段は着けてないのに』
「あ?…お前マジで隊長から話聞いてねぇのか」
『多分寝てた』
財前の話をまともに聞いても眠くなるだけだ。あいつの話は総隊長とどっこいどっこいだと思う
「ったく…副隊長は副官章を着ける様に義務付けられたんだよ。斬魄刀開放許可が下されたのと同時にな」
『開放許可?…卍解も?』
「馬鹿、始解だけだ。卍解を許可してたら瀞霊廷が壊れちまうだろうが」
まぁやむを得ない場合は良いんだろうが。呟いた修兵さんが溜息を吐いた
「各副隊長は基本的には隊長と一緒に行動する事になる。財前隊長の言う事ちゃんと聞けよ?」
『…修兵さんが言うなら努力はする』
「ん、良い子だ」
『……褒められた?』
「おう、褒めた」
『わーい』
頭にぎゅっと抱き付けば修兵さんが笑った。
そうやってじゃれているとぴたりと修兵さんが足を止めた
「あ?通行禁止?」
『…手摺を歩けば問題ない』
「お前はまた斜め上な屁理屈で来たな」
くつくつと笑った修兵さんが通行禁止の立札を見る
「…だがこのまま回り道をすれば確実に遅刻…しゃーねぇな、行くぞ独月」
『ん、行くの?』
「バレなきゃ問題ねぇだろ」
僕を腕に乗せた修兵さんが立札を跨いで通った。確かに誰かに見られなきゃ問題はない。
見られないうちにさっさと行こうと修兵さんが足を早めて────
「きゃああああああああああああああ!!」
「!?」
『…この声は…雛森?』
「まさか旅禍か…?行くぞ独月!」
『ん』
聞こえたのはこの角の向こう。修兵さんが走って曲がれば、壁を見上げた雛森が座り込んでいた。
修兵さんの腕から飛び降り、雛森の傍に行く
『雛森、僕が判るか雛森?』
「桜花、さん…」
『そうだ。何があった?』
背中を擦りながら聞けば雛森はゆっくりと上を指差した。その方向を見ようとして────
「見るな、独月」
『…修兵さん?』
目の前が真っ暗になった。頭を大きな手が撫でる。傍に居た雛森もその状態。どうやら雛森ごと抱き締められているらしい
「雛森も、もう良い。お前は少し眠れ」
「ひ、さぎさん……」
ぎゅっと修兵さんの胸元を掴んだ雛森がくたりと倒れた。この感じからするに、白伏か
『…修兵さん、見えない』
「お前は見るな。お前も寝てろ」
『……雛森のその取り乱し様から見て藍染隊長に何かあったと見ますがどうでしょう』
「…だとしたら尚更見せられねぇな」
僕の頭を撫でる手に僅かに力が籠った。瞬間視界が白んでいく。
「お前の元上官なんだ、見せられる訳ねぇだろ」
『……修兵、さん』
「眠れ、独月。報告は俺がどうにかする」
あの後目が覚めた時には十四番隊の仮眠室に居た。傍に居た修兵さんから藍染隊長の死亡、それから目が覚めた雛森が三番隊に乗り込み市丸隊長に斬り掛かった事で、それに対応した吉良も互いに始解した事で投獄された事を知った。
修兵さんが藍染隊長の死体を見せたくなかったのは彼が僕の元上官だかららしい。別に平気なのに。呟けば馬鹿と小突かれた
『「「あ」」』
財前が頭を抱えた。
目の前にはオレンジの髪に身の丈程の斬魄刀を持った死神
「うわ。ついてへんやん俺ら」
『旅禍の中でもかなりめんどそうな奴に当たったね』
「せやな」
確かこいつでしょ?度々うちに練習試合という名の死合いを挑みに来るトチ狂った十一番隊長を倒したって旅禍は
正直見つけたくなかったなぁ。僕らは旅禍探してるフリしてただけなのに
「チッ……やるしかねぇか!」
旅禍は斬魄刀を構えた
『うわ財前、タンポポ頭やる気だよ』
「隊長付けぇや。俺らやる気あらへんのにな」
「タンポポじゃねぇ!…来ねぇなら此方から行くぜ!!」
言うなりタンポポが此方に向かってきた。ああめんどくさい
『はぁ……雷鳴の馬車 糸車の間隙 光もて此を六に別つ』
「詠唱破棄せぇへんの?」
詠唱破棄して破られたら嫌だしね。念には念をってやつだよ
『縛道の六十一・六杖光牢』
「っ!?」
現れた光の帯が旅禍の動きを封じた。動けなくなった旅禍が僕を睨んでいる。うわ目付き悪っ
つか隊長斬魄刀の柄に手を掛ける事すらしなかったんだけど。やる気なしかこのピアス野郎
「ピアスはお前もやろ」
これはカフスだ馬鹿。って
『え、喋ってた?』
「おん」
これからは気を付けよう。てか捕まえたのは良いけどこのタンポポ頭どうしようか。連れて行くのもめんどくさい。逃がすにしても理由がない
戦うなんて以ての外
あれ、そもそもこいつら何で此処に来たんだ?
『ねぇタンポポくん。何であんたらは此処に来たの?』
「タンポポじゃねぇ!!…俺達はルキアを助けに来たんだ!」
『ルキア……朽木ルキアを?』
タンポポくんは頷いた。
十三番隊所属の朽木ルキア
普通に良い子だけど、助けるってあの子何やらかしたの?
「……朽木ルキアは死神の力を譲渡したっちゅー罪で死刑やっちゅうたやん」
聞いてなかったんか、という財前のジト目は無視。ええ聞いてませんでしたとも。総隊長の話なんて自慢じゃないが眠らずに聞いた覚えはない
『てか譲渡したって、そんだけで死刑?』
「おん。…しかも、双極を使うっちゅう話や」
『え』
刑が余りにも重くない?
確かに力の譲渡(それも人間に)は重罪だけど、双極を使って死刑にする程のものではなかった筈
大体双極って極悪人の処刑とかで使うヤツでしょ
それを何でルキアに?
『…ぜんざいたいちょー』
「……財前隊長や。…なん?」
財前は面倒そうな顔で僕を見た。ああ、僕がしたい事が判ってるからそんな顔してるのか
ごめんね面倒事増やす部下で
『朽木ルキアの処刑に何点か疑問があります』
「ほーか」
『此処は暫くこのタンポ…旅禍を泳がせて上の動きを様子見するべきかと』
「ほんなら逃がすか」
『了解』
鬼道を解いた。きょとん顔の旅禍に蹴りを入れる。
「いっでぇ!!何しやがる!!」
『早く行けタンポポ。捕まりたいのか?』
「は?」
「せやから早よ逃げ言うてんねん。耳聞こえへんのかお前」
財前も呆れた様な顔で旅禍を蹴飛ばした。うん、早く行けよ
『冗談抜きで早く逃げなよ。此処に誰か来たら僕らは戦わないといけなくなる』
流石に黙って見逃したってバレたら面倒な事になるしね。
今だって此処に向かって来る――この霊圧は三番隊の市丸隊長か。
あの人には見つかりたくないな。良く飴くれるけど愉快犯的な所もあって性格悪いし
やっと立ち上がった旅禍が僕らをじっと見ていた。だから早く逃げなよ。もうすぐ来るって
ふとその眼差しが今は居ないあの人と重なった。気付かなかったけど良く見たら面差しもそっくりで、胸が痛む。ああ、だからこの子供には懐かしさを覚えたのか、と納得
「…一つだけ聞きてぇ。何であんたらは俺を見逃すんだ?」
何だ、そんな事か
『僕らがこの処刑に疑問を持ったから』
まぁ財前は僕が巻き込んだ感が拭いきれないんだけど
「早よ逃げ。市丸が来るで」
財前が僕の腕を掴んで瞬歩を使ったから、引きずられる様にして僕も移動した。せめて一言言ってから瞬歩使えよ
掴まれた腕を振りほどいて隣を歩く。
多分あの場所で市丸隊長と鉢合わせたら変な容疑を掛けられる。五番隊の藍染隊長の殺害容疑だとか。絶対面倒な事になるよね、うん。
「独、これからどないするん?」
財前が僕の顔を覗き込んできた。
『取り敢えず、資料室で調べたりするのは?』
「せやな。後は怪しい奴らの動向を探る、とかか」
修兵さんにも相談してみようか。あの人ならきっと協力してくれる。いや、でもだからこそきっと言っちゃいけないんだ。
この行為は護廷十四隊処か尸魂界に反逆するのと同じ。誰も巻き込んじゃ駄目だ。勿論この気に食わない上官も
資料調べまで手伝ってもらったら後は一人でやろう。一人小さく頷くと、不意に財前が立ち止まった
「お二人さん何や楽しそうな話してはるなぁ」
その声に振り向けば居たのは狐。
「ボクも混ぜてぇな」
『お断りします』
「――厄介な奴に見つかってもうたな」
財前が斬魄刀に手を掛けた
予期せぬ遭遇
(独、下がっとけ)
(いや僕がやる)
(あーあ、嫌われとるなぁボク)