――オオオオオオオオ!!

『……化け…もの………』

「チッ…おいチビ!俺が時間稼いでやるから早く逃げろ!」

『でも……お兄さんは…?』

「心配すんな。俺は負けねぇよ。……逃げるのが嫌なら下がってな。斬魄刀の名前知ってても満足に刀振り回せねぇんじゃ話にならねぇ」

『……うん…』



「ふぅ……何とか倒せたな…」

『……お兄さん…けが、してる…』

「気にすんな。どうって事ねぇよ」

『………あの……』

「ん?」

『助けてくれて……ありが、とう…』

「ああ、どーいたしまして」

『…あの…お兄さんの、なまえ…』

「ん?……ああ、俺は檜佐木修兵だ」

『…ひしゃぎ…しゅーへー…?』

「……修兵って呼べ」

『……しゅーへーさん…』

「ん、そうだ。お前は?」

『……独月…』



『………なま、え?』

「そうだ。名前だ。斬魄刀はな、認めた奴に名前を教えてくれるんだ」

『…じゃあ…ふじのいてつきは…僕を認めてくれた?』

「ああ。つーかそれってすげぇ事なんだぞ独月。死神になっても名前を聞けてない奴は沢山居るんだからな?」

『……じゃあ、しゅーへーさんは?』

「俺はまだ死神見習いっつーか……院生だしな。まだ聞けてねぇよ」

『…しゅーへーさんなら…大丈夫…』

「…ははっ。ありがとな」



「独月」

『……何?』

「お前、死神になる気はねぇか?」

『………死神に?』

「ああ。もう刀も使えるし、鬼道も出来る。真央霊術院に通ってみる気はねぇか?」

『…刀も鬼道も出来るのは修兵さんが教えてくれた、から』

「たかが優等生って呼ばれてるだけの俺に一年教わってそんなに育てば大したもんだ。霊術院に通えばもっと強くなるだろうしな」

『……でも…』

「…独月。辛い事を言っちまうが…お前はあの家を離れた方が良い」

『……え…』

「………藤凍月はどういう力を持つ斬魄刀か、覚えてるか?」

『えっと……氷雪系の…斬魄刀』

「そうだ。…お前が寝てる間あの家は氷点下まで気温が下がっちまってる」

『………』

「理由は、お前が霊圧を調節出来てないからだ」

『……霊圧…』

「お前の持つ氷の力が寝てる間に駄々漏れになっちまってるんだ…その冷気が太蔵さんとお琴さんを凍らせちまってる」

『………………』

「お前は霊圧の制御を学ばないといけねぇ。お前自身の為に」

『……僕自身の為…』

「ああ」

『………』

「……新しい所に足を踏み入れるのが怖いか…?」

『……うん…』

「大丈夫だ。俺が居る。ちゃんと護ってやるから、な?」

『……うん…』



『………』

「何だ、入学式居ねぇと思ったらこんな所でサボってやがったのか」

『…修兵さん』

「おう。入学おめでとさん」

『ありがとう』

「何かあったら言えよ。飛んでくるから」

『うん…頼りにしてる』



「あの子が天才児だって」

「何でも此処に入って初めての実習で鬼道使えたらしいよ」

「目の色が両方違うとか気持ち悪ぃ」

「実は虚なんじゃねぇの?」

『………』

「……おいてめぇら」

「檜佐木先輩っ!?」

「こいつは俺の知り合いだ。文句があんなら俺んとこ来いよ」

「ひぃ……っ!」

『……修兵さん、そんなに霊圧上げたらこの人達気絶する』

「良いんだよ。一回痛い目に遭わせときゃもうあんな事言えなくなるだろ」



「おーっす。独月居るか?」

『…こんにちは修兵さん』

「おうこんにちは。飯食おうぜ」

『ん』


『修兵さん。僕教室に来ないでって言った』

「あ?そうだったか?」

『ん。女子が騒いで面倒だからって、言った』

「…あー…悪かった…」

『…もう、良い。許す』

「ありがとな。じゃ、食おうぜ」

『ん』

「待て飴食うな。ほらよ」

『?』

「弁当だ。お前どうせ午後も飴で凌ぐつもりだったんだろ?」

『……ありがとう』

「どーいたしまして」

『「いただきます」』

『……これ苦い…』

「こらピーマン残すな」






『……………ん…?』


懐かしい夢


(おう、目が覚めたか独月)

(しゅーへーさん)

(んだよ、懐かしい呼び方だな…寝ぼけてんのか?)