誰のお祝いだっけ
「よーし!じゃあちびさぎの隊長昇格を祝ってかんぱーい!!」
乱菊さんが音頭を取る。いやあんたは只飲みたいだけでしょ
てか今月の瀞霊廷通信どうするか。修兵さんに任せきりなのもアレだし
注がれたお酒をちびちび飲んでいると頭に手を置かれた。隣に座った修兵さんが小皿に焼き鳥を取ってくれる。礼を言って皿を受け取ると顔を覗き込まれた。
「どうしたんだ独月。元気ねぇな」
『ん…別に、普通だよ』
そう返せば修兵さんが眉間に皺を寄せた。いやほんとに普通なんだって。只瀞霊廷通信の事考えてただけで
そう言っても修兵さんの眉間の皺は減らなかった。寧ろ増えてる。
『何でもないよ?只少し酔っただけ』
そう言って見上げると修兵さんは暫く不服そうな顔をしていたけれど、やがて追及するのを諦めたのか溜息を吐いた
「…何かあったら言えよ?」
『ん』
肩に少しだけ寄りかかってみると頭を撫でられた。優しい手付きと温もりに少しずつ瞼が落ちていく。いやこれ寝たら不味いでしょ。一応僕が主役っぽいし。必死になって目を開けているとそれに気付いたらしい修兵さんに笑われた
「眠いなら寝ちまいな。乱菊さん達も勝手に盛り上がってるから大丈夫だ」
『…修兵さん…きつくない…?』
僕の問いに修兵さんは首を横に振った
「お前の体勢がキツいだろ。此処に座れよ」
ぽんぽんと叩かれた所にのそのそと移動する。そのまま修兵さんの胸に寄りかかり目を閉じた。ごめん修兵さん五分だけ寝ますね
「お休み、独月」
低い声が優しく響いた
「あら?ちびさぎ寝ちゃった?」
徳利片手に乱菊さんが寄って来た。ふらふらしてますけどそれこいつに零さないで下さいね。
「はい。あんまり寝てねぇみたいだったんで」
慣れない隊長業務を必死になってこなしてれば当然か。隊長の仕事は兎に角多い。それなのにこいつは周りの負担を減らす為に他の書類整理まで進んで行う。下手に席を外して戻って来たらもう他隊に渡されてたとかざらに訊く話だ
「てめぇ一人で背負い込むなって何時も言うんですけどね…」
無理すんなと言えばしていないときょとんとした面で返される。前にたまたま俺が任務で一日現世に向かえば部下が伝令神機越しに泣きついてきた。理由を聞けば隊長が休んでくれない、と。
慌てて任務を終わらせて帰れば行った時と同じ体勢で書類整理をする独月を発見。話し掛ければ何時戻って来たのかと驚かれる始末。扉の音に気付かねぇ程疲れてんだから取り敢えず休めと言えば疲れてないよ?ときょとん顔。お前ほぼ一日休憩も飯も採らずに書類整理してるって判ってんのか。そう言うと独月は時計を見て驚いていた。その時思ったが恐らくこいつの疲労指数はメーターが振り切って壊れてる。元から自分の事には疎い奴だったがこれはもう異常だ。医者に行け
「あんたも大変ねぇ」
「もう慣れてますけどね」
無茶しくさるちびっこ隊長の補佐はぶっちゃけ今までと余り変わらない。只俺が休憩時間を決めてちゃんと休む様に見張る事が増えただけだ。
頭を撫でつつ酒を煽れば乱菊さんが独月の頬をつつき出した。あんま強くしないで下さいね、起きますから。こいつ眠り浅いし
「でもまぁ、ちっさくて何時もあんたを追っかけてたちびさぎが隊長になるなんてねぇ…」
「ちびさぎ先輩いっつも檜佐木先輩に追い付こうと必死でしたよ」
声の方を見れば酔った阿散井が此方に来ていた。ふらふらしてっけどその徳利の中身此方に零すなよお前。
「院生の時も予習復習当たり前の天才児でしたし」
「だからあんなに飛び抜けて強かったのねー」
乱菊さんに続いて阿散井が独月の頬をつつき始める。お前バレたらこいつにキャメルクラッチ食らうぞ。
「俺に追い付こう、ねぇ…」
手酌して中身を飲み干す。まぁ白打だの剣術だのの実力で抜かれる気はねぇがその心構えは良い事だ。というか卍解が出来る時点で俺より上だろうに、何で俺に拘るんだか
「檜佐木さんには一生勝てないって言ってましたよ?」
「おい阿散井そろそろ起きちまうからマジ止めろ。乱菊さんも止めて下さい」
その話も気になるが今は独月の睡眠優先だ。流石にひたすら頬をつつかれ続けたら起きる。つか何で全員此方に来やがった。
「何の話ですかぁー?」
「吉良、褌だけで此方に来るんじゃねぇ」
せめて袴を着てくれ。独月が起きたらどうすんだ
「吉良、あんた飲み過ぎよ?」
「まだまだ飲みますよ!」
「おめぇ顔真っ赤じゃねぇか」
酔っ払い共が騒ぎ出した。
だからあんまり騒ぐとこいつが起きちまうって言ってんだろうが。しかも騒ぎながら酔っ払い共は独月の頬をつつく。何だ、こいつの頬はそんなに酔っ払いがつつきたくなるもんなのか
『…しゅーへーさん……』
お前も寝言で俺を呼ぶんじゃねぇ。酔っ払い共が調子に乗るだろうが
『……1ヶ月…減給ね……』
「何でだよ」
お前の夢の中で俺は何をやらかしたんだ。独月の寝言を聞いた酔っ払い共が笑い転げる。ちょっ阿散井引っ付いてくんなっ
「しゅーへーさーん」
「こいつの真似か!?一切似てねぇし気持ち悪ぃっ!」
「飲みますよー!」
「よっ男前ー!」
吉良がジョッキの一気飲みを始め乱菊さんが囃し立て阿散井が絡んでくる。やってらんねぇと酒を煽れば腕の中の独月が僅かに身じろいだ。起きたのかと独月を見ればその目はぼんやり開いている。
「おう、気分はどうだ?」
『……微妙…』
半開きの目を瞬かせて酔っ払い共の方を見る。あ、吉良の野郎褌のままかよ
「教育に悪ぃから彼方見んな独月」
『?』
元の位置を向かせて頭を撫でてやれば首に腕を回して来た。最近じゃ独月からして来なくなっただけあって珍しい。寝ぼけてんのか酔ってんのか、いや両方か?
『しゅーへーさん』
「ん?」
独月が首に擦り付いて来る。髪が擽ってぇ。ちりんちりんと鳴る鈴に本当に猫みてぇだと思った
『いつも…ありがとーごじゃいましゅ……』
「呂律回ってねぇなおい」
ごじゃいましゅって何だごじゃいましゅって。逆に言い辛ぇわ。そのまま動かなくなった独月が耳元で安らかな寝息を立て始める。勝手だなお前
頭を撫でていれば聞こえてきたカシャッという音。驚いて其方を見れば乱菊さんがニヤニヤしながらカメラを構えてた。
「…何撮ってんすか乱菊さん」
「ふふーこれで酒代はがっぽりねー!」
「………酒代?」
首を傾げると乱菊さんはにんまりと
「ちびさぎと修兵の隠し撮り写真集!」
「………は?」
今何て言ったこの人。
隠し撮り写真集?んなもん何時の間に撮ってんだ。いや前からやたら写真撮られんなとは思ってたけど。写真集なんか出してたのか
「隊長の隠し撮り写真集も売れるけどあんた達のも良く売れるのよー?」
「…良く…売れる…?」
って事はもう売りやがったのか。
そう訊けば重版も売れ行き好調よ?と。何で重版までしてやがんだこの人。前に写真集は止めろって言った筈なんだが
しかも隠し撮りって。マジで何時撮られてたんだ
「あんた達が昼寝してる時にこっそり撮ったりー廊下でじゃれてるとこをこっそり撮ったり?」
「犯罪です」
プライバシーの侵害で訴えるぞコラ。
「やーね男ならもっと撮って下さいの一言ぐらい言いなさいよ」
「それ言ったらプライバシーもクソもなくなるんで言いません」
「えー」
えーじゃねぇだろ。普通は言わねぇよ。阿散井がのし掛かって来るのを肘打ちで阻止する。悪ぃ阿散井、加減出来ねぇわ
「いてぇ!」
「加減してねぇし当たり前だ」
「僕隊長居なくても平気ですぅ!!」
「お前は酔い過ぎ」
「ちびさぎ可愛いわー」
「乱菊さんも写真撮んないで下さいよ」
身じろいだ独月の背中をぽんぽん叩きながら思う。これ何の為の飲み会だったっけ
昇格祝い
(すぅ…)
(お前は幸せそうだな)
(…しゅーへーさん……)
(…また俺の夢かよ…)
((笑った修兵の隠し撮り写真ゲット!))
(阿散井くん飲もう!)
(飲むぞー!)
乱菊さんが音頭を取る。いやあんたは只飲みたいだけでしょ
てか今月の瀞霊廷通信どうするか。修兵さんに任せきりなのもアレだし
注がれたお酒をちびちび飲んでいると頭に手を置かれた。隣に座った修兵さんが小皿に焼き鳥を取ってくれる。礼を言って皿を受け取ると顔を覗き込まれた。
「どうしたんだ独月。元気ねぇな」
『ん…別に、普通だよ』
そう返せば修兵さんが眉間に皺を寄せた。いやほんとに普通なんだって。只瀞霊廷通信の事考えてただけで
そう言っても修兵さんの眉間の皺は減らなかった。寧ろ増えてる。
『何でもないよ?只少し酔っただけ』
そう言って見上げると修兵さんは暫く不服そうな顔をしていたけれど、やがて追及するのを諦めたのか溜息を吐いた
「…何かあったら言えよ?」
『ん』
肩に少しだけ寄りかかってみると頭を撫でられた。優しい手付きと温もりに少しずつ瞼が落ちていく。いやこれ寝たら不味いでしょ。一応僕が主役っぽいし。必死になって目を開けているとそれに気付いたらしい修兵さんに笑われた
「眠いなら寝ちまいな。乱菊さん達も勝手に盛り上がってるから大丈夫だ」
『…修兵さん…きつくない…?』
僕の問いに修兵さんは首を横に振った
「お前の体勢がキツいだろ。此処に座れよ」
ぽんぽんと叩かれた所にのそのそと移動する。そのまま修兵さんの胸に寄りかかり目を閉じた。ごめん修兵さん五分だけ寝ますね
「お休み、独月」
低い声が優しく響いた
「あら?ちびさぎ寝ちゃった?」
徳利片手に乱菊さんが寄って来た。ふらふらしてますけどそれこいつに零さないで下さいね。
「はい。あんまり寝てねぇみたいだったんで」
慣れない隊長業務を必死になってこなしてれば当然か。隊長の仕事は兎に角多い。それなのにこいつは周りの負担を減らす為に他の書類整理まで進んで行う。下手に席を外して戻って来たらもう他隊に渡されてたとかざらに訊く話だ
「てめぇ一人で背負い込むなって何時も言うんですけどね…」
無理すんなと言えばしていないときょとんとした面で返される。前にたまたま俺が任務で一日現世に向かえば部下が伝令神機越しに泣きついてきた。理由を聞けば隊長が休んでくれない、と。
慌てて任務を終わらせて帰れば行った時と同じ体勢で書類整理をする独月を発見。話し掛ければ何時戻って来たのかと驚かれる始末。扉の音に気付かねぇ程疲れてんだから取り敢えず休めと言えば疲れてないよ?ときょとん顔。お前ほぼ一日休憩も飯も採らずに書類整理してるって判ってんのか。そう言うと独月は時計を見て驚いていた。その時思ったが恐らくこいつの疲労指数はメーターが振り切って壊れてる。元から自分の事には疎い奴だったがこれはもう異常だ。医者に行け
「あんたも大変ねぇ」
「もう慣れてますけどね」
無茶しくさるちびっこ隊長の補佐はぶっちゃけ今までと余り変わらない。只俺が休憩時間を決めてちゃんと休む様に見張る事が増えただけだ。
頭を撫でつつ酒を煽れば乱菊さんが独月の頬をつつき出した。あんま強くしないで下さいね、起きますから。こいつ眠り浅いし
「でもまぁ、ちっさくて何時もあんたを追っかけてたちびさぎが隊長になるなんてねぇ…」
「ちびさぎ先輩いっつも檜佐木先輩に追い付こうと必死でしたよ」
声の方を見れば酔った阿散井が此方に来ていた。ふらふらしてっけどその徳利の中身此方に零すなよお前。
「院生の時も予習復習当たり前の天才児でしたし」
「だからあんなに飛び抜けて強かったのねー」
乱菊さんに続いて阿散井が独月の頬をつつき始める。お前バレたらこいつにキャメルクラッチ食らうぞ。
「俺に追い付こう、ねぇ…」
手酌して中身を飲み干す。まぁ白打だの剣術だのの実力で抜かれる気はねぇがその心構えは良い事だ。というか卍解が出来る時点で俺より上だろうに、何で俺に拘るんだか
「檜佐木さんには一生勝てないって言ってましたよ?」
「おい阿散井そろそろ起きちまうからマジ止めろ。乱菊さんも止めて下さい」
その話も気になるが今は独月の睡眠優先だ。流石にひたすら頬をつつかれ続けたら起きる。つか何で全員此方に来やがった。
「何の話ですかぁー?」
「吉良、褌だけで此方に来るんじゃねぇ」
せめて袴を着てくれ。独月が起きたらどうすんだ
「吉良、あんた飲み過ぎよ?」
「まだまだ飲みますよ!」
「おめぇ顔真っ赤じゃねぇか」
酔っ払い共が騒ぎ出した。
だからあんまり騒ぐとこいつが起きちまうって言ってんだろうが。しかも騒ぎながら酔っ払い共は独月の頬をつつく。何だ、こいつの頬はそんなに酔っ払いがつつきたくなるもんなのか
『…しゅーへーさん……』
お前も寝言で俺を呼ぶんじゃねぇ。酔っ払い共が調子に乗るだろうが
『……1ヶ月…減給ね……』
「何でだよ」
お前の夢の中で俺は何をやらかしたんだ。独月の寝言を聞いた酔っ払い共が笑い転げる。ちょっ阿散井引っ付いてくんなっ
「しゅーへーさーん」
「こいつの真似か!?一切似てねぇし気持ち悪ぃっ!」
「飲みますよー!」
「よっ男前ー!」
吉良がジョッキの一気飲みを始め乱菊さんが囃し立て阿散井が絡んでくる。やってらんねぇと酒を煽れば腕の中の独月が僅かに身じろいだ。起きたのかと独月を見ればその目はぼんやり開いている。
「おう、気分はどうだ?」
『……微妙…』
半開きの目を瞬かせて酔っ払い共の方を見る。あ、吉良の野郎褌のままかよ
「教育に悪ぃから彼方見んな独月」
『?』
元の位置を向かせて頭を撫でてやれば首に腕を回して来た。最近じゃ独月からして来なくなっただけあって珍しい。寝ぼけてんのか酔ってんのか、いや両方か?
『しゅーへーさん』
「ん?」
独月が首に擦り付いて来る。髪が擽ってぇ。ちりんちりんと鳴る鈴に本当に猫みてぇだと思った
『いつも…ありがとーごじゃいましゅ……』
「呂律回ってねぇなおい」
ごじゃいましゅって何だごじゃいましゅって。逆に言い辛ぇわ。そのまま動かなくなった独月が耳元で安らかな寝息を立て始める。勝手だなお前
頭を撫でていれば聞こえてきたカシャッという音。驚いて其方を見れば乱菊さんがニヤニヤしながらカメラを構えてた。
「…何撮ってんすか乱菊さん」
「ふふーこれで酒代はがっぽりねー!」
「………酒代?」
首を傾げると乱菊さんはにんまりと
「ちびさぎと修兵の隠し撮り写真集!」
「………は?」
今何て言ったこの人。
隠し撮り写真集?んなもん何時の間に撮ってんだ。いや前からやたら写真撮られんなとは思ってたけど。写真集なんか出してたのか
「隊長の隠し撮り写真集も売れるけどあんた達のも良く売れるのよー?」
「…良く…売れる…?」
って事はもう売りやがったのか。
そう訊けば重版も売れ行き好調よ?と。何で重版までしてやがんだこの人。前に写真集は止めろって言った筈なんだが
しかも隠し撮りって。マジで何時撮られてたんだ
「あんた達が昼寝してる時にこっそり撮ったりー廊下でじゃれてるとこをこっそり撮ったり?」
「犯罪です」
プライバシーの侵害で訴えるぞコラ。
「やーね男ならもっと撮って下さいの一言ぐらい言いなさいよ」
「それ言ったらプライバシーもクソもなくなるんで言いません」
「えー」
えーじゃねぇだろ。普通は言わねぇよ。阿散井がのし掛かって来るのを肘打ちで阻止する。悪ぃ阿散井、加減出来ねぇわ
「いてぇ!」
「加減してねぇし当たり前だ」
「僕隊長居なくても平気ですぅ!!」
「お前は酔い過ぎ」
「ちびさぎ可愛いわー」
「乱菊さんも写真撮んないで下さいよ」
身じろいだ独月の背中をぽんぽん叩きながら思う。これ何の為の飲み会だったっけ
昇格祝い
(すぅ…)
(お前は幸せそうだな)
(…しゅーへーさん……)
(…また俺の夢かよ…)
((笑った修兵の隠し撮り写真ゲット!))
(阿散井くん飲もう!)
(飲むぞー!)