ゼラニウム(白)

※刹那がやっぱりかわいそう
※倫理は桜花の所業に啜り泣いてる









『お疲れ様です樋廻さん。お迎えありがとうございます』


中性的な声が投げ掛けられ、私は頭を下げた。
うなじを刈り上げた黒の短髪に、鋭い青紫の瞳。真一文字に引き結ばれた唇。
黒いスーツ姿の人物は、同じく黒の手袋で包まれた手を脇に差し込み腕を組んだ。


『任務終了。犠牲者は非術師が五。重傷者が一。肝試しに来ていた大学生のグループでした』


「救護要請は?」


『担当の補助監督が要請しました。近くに特級が出て重傷者多数の現場もあるらしいので、彼が助かるかは知りませんが』


平淡な声でそう言うと、彼女は…刹那様は目を閉じた。


────氷華。
それが彼女を指す言葉になったのは、何時からだったか。


桜花刹那。一級術師。
禪院傘下桜花の女当主。桜花に仕える私を側仕えに抜擢してくれた方。
女の身でありながら苛烈なまでの戦い方で特級呪霊すらも祓い、腕が千切れかけても氷の表情を崩さない。
氷の華。美しいけれど、触れれば全て凍らせる死の刃。
それが、この方の異名。


『次の任務は?』


「高架下、一級呪霊です。到着予定は三十分後かと」


『了解しました。二十五分仮眠します。何かあったら呼んで下さい』


「はい。おやすみなさい」


目を閉じ動かなくなってしまった彼女。
まるで機械の様に業務的に、感情の起伏も少なく、淡々と任務に取り組む刹那様はこうしてタイトなスケジュールになってしまう事が多い。


そうでもしなければ、彼女は桜花の当主でいられなくなるからだ。


彼女が一定の成績を納めなければ、直ぐにまだ高専生である義理の弟の雪光様が当主の座に据えられてしまう。
刹那様はそれを嫌がった。
未だ雪光様は弱い。ただでさえ扱いにくい桜花の相伝術式では強くなるのに時間が掛かる。
今の状態で高専の庇護から抜け出せば、彼は直ぐに殺されてしまう。
故に、刹那様はこうしてボロボロの身体を酷使して、任務に当たっている。
彼が強くなる為の時間を、命を削って稼いでいる。
この間は脇腹を抉られていた。
その傷もまだ治っていないのに。相談役達は揃って言うのだ。
女だから、その程度の傷で根を上げるのだ、と。


「…せめて、少しでも貴女の荷が軽くなれば良いのですが……」


独りごちて、スマホが着信を告げる。
新たな任務かとタップして、聴こえてきた声に思わず背筋が伸びた











『────深夜に女を呼び出すクソ野郎に弟を預けたとは、私も焼きが回りましたかね』


「はは、開口一番辛辣だね。オマエの判断はこれ以上なく賢明だったと思うけど?」


呼び出されたバーのカウンターでゆったりと脚を組むサングラスの男に舌打ちしなかった私は偉い。
隣に座り、酒を飲む気分でもなくて出されたレモン水を飲んでいれば、頬杖を付いた男が此方を覗き込んだ


「顔色が悪いよ。ちゃんと休んでる?」


『問題はありません。移動時間に仮眠を摂っていますので』


「それで足りてりゃそんな死人みたいな顔色にはならないんだよなぁ。
樋廻さんに聞いたよ、食事も十秒チャージなんだって?」


舌打ちが漏れた。
樋廻さん、なんでこんな面倒な男にそんな話をしたんだ。


『食欲が沸かず、しかし任務には栄養が必要なので十秒チャージを愛飲していますがそれが何か』


「知ってる?それ最早流動食の域だからね。後は治療も受けられてないって聞いた。
刹那、オマエはもう少し自分を大事にしなよ」


『過労死筆頭がほざかないで頂けますか』


「僕も大概だけどオマエマジで重症だよ。休みな」


随分お節介な男だ。
コーラを飲みながら此方に説教じみた事を並べる男を横目で睨む。


五条悟。
特級呪術師であり、五条家当主であり、東京校で教鞭を執る男。


一年前、歌姫さんを介し連絡を取り、義理の弟の雪光を彼に預けた。
理由は簡単、京都校は保守派の巣窟で、弟の思考回路が歪められかねないと考えたからだ。
雪光は優しい。故に、きっと京都校では苦労する。
何れ桜花の当主として散々悩む事になろう彼には、今のうちに少しでも良い思い出を作ってほしかった。
…それが、京都校で育った私のせめてもの願い。


『用がないのなら帰りますが』


「まぁまぁ、そう生き急ぐなよ。…ねぇ、僕とちょっと取引しない?」


隣の男がにやりと笑った。
その類いの笑みで良い思い出はない。
席を立とうとした私の脇腹を────大きな手が、無遠慮に突いた。


『ぐ、ぅ…!』


「ありゃ、血が出てんね。こりゃ大変だ、高専に行こっか」


自分の指を見て、目を丸くしてから五条が眉を下げた。わざとらしい。
舌打ちを溢しつつ、どくどくとうるさい心臓と痛みを鎮める為に深く息を吐く


『はー……っ…結構です。今日はもう帰らせて頂きます』


「いやいや、これはオマエの怪我も考えずに触っちゃった僕の過失だよ?傷開いちゃったよね。ほら、謝らせてよ。
大丈夫、今日は硝子、医務室に詰めてたから」


絶対に判ってて突きやがった、このクズ。
甘い声で囁いて、私をゆっくりと立ち上がらせる。
…然り気無く反対側の傷の直ぐ傍に手を添えたのが腹立たしい。


『性格悪いって良く言われませんか』


「はは、そんなの初めて言われたよ」


『クズ野郎』


「…あんまり可愛い事言うなよ。傷口を舐め回したくなるだろ」


低く甘さを帯びた声で囁かれ、更に苛立ちが増した。コイツ死ねば良いのに。
そのまま連れられてバーを出る。


「運ぶから、寝てな」


『は?』


とん、と額に指が、当てられて。
────暗転。












「栄養失調、貧血、傷の化膿による発熱、過度のストレス、睡眠不足。
これじゃ呪術師の弱る原因のデパートだな」


「良くこんな細っこい身体でそんな無茶したねー。死にたいのかな」


「有り得るな。この子はそういうタイプだし」


「は?」


医務室のベッドで点滴を打たれる刹那を眺めながら冗談で言ったのに、硝子は肯定した。


「は?硝子、どういう事」


「見れば判るだろ。重傷を負っても包帯で縛って誤魔化して、次の任務に向かう。仮にも当主がやる所業じゃない」


「……それは、桜花がこの子を殺したいからだよ」


「それでもこんな風に、外部に助けを求めるって手もあっただろ。でも刹那はそうしなかった。
…アンタ、身体の傷見てるだろ。
傷を治せないんじゃない、治さなかった。
身体に残った傷も、残らなかった傷も全部。
……この子、死に場所探してるんじゃないかって、正直思ったよ」


熱に魘されている刹那の前髪を払う。
…小さい頃に御三家の会議で見掛けた穏やかな夜の海は、大人になって再会した時には輝きが失くなっていた。


彼女の瞳を輝かせていた希望が死んだ。
直感的に、そう感じた。


「…やっぱ禪院傘下から桜花ごと引き抜きゃ良かったなぁ。そんで此方に通わせるべきだった」


「……まぁ、当時の京都はヤバかったらしいしね」


硝子が目を伏せる。
記録によると一度も交流会に出される事のなかった一級術師。正しくは、交流会に出る暇もない程酷使されていた少女。
女の身でありながら一級を名乗る彼女に、男共は嫉妬した。
そして気に食わない奴等で共謀し、少女を暴行した。
否、暴行しようとした、だったか。


「禪院の…何だっけ、直哉?ソイツが居なきゃどうなってた事か」


「ああ、この子の“弟”ね」


普通に僕から見てもヤバい思考回路の男は、刹那に幼少期より世話になっていたらしい。
衰弱した状態で暴力を受け倒れる刹那に馬乗りになる男共を見た直哉は、素早くソイツらを排除した。
それでどうにか事なきを得たが、衰弱していた刹那は死の淵を彷徨ったらしい。


歌姫経由で刹那と再会した時、あまりの変わり様に絶句した。
後ろを刈り上げた短い黒髪に、つり上がった温度のない菫青。真一文字に引き結ばれた唇。
隙のない男物のスーツに、小さな手を隠す様な黒い手袋。細い首を隠すタートルネック。女らしさのない先の尖った革靴。
…徹底的に女という要素を殺そうとしていた。


桜花刹那僕の初恋を、彼女自ら殺していた。


「直哉にも言われてんだよねぇ。気があるならとっとと東京に持ってけって」


「へぇ。クズだって評判だけど、マトモなトコもあるんだ」


「小さい時に刹那に何度も溺死の刑に処されて牙折られたっぽい。
本当なら通う必要のない直哉がわざわざ高専に行ったのも、お姉ちゃんが行ったからっぽいしね」


「なんだシスコンか」


「それか舎弟」


「上下関係出来てんのウケる」


血の気のない頬を指先でなぞる。
敵しか居ない、凝り固まった旧態依然の代名詞みたいなあの場所で。
…君は何度、独りで絶望したんだろう。













「……何で居んねん」


『おかえり直哉。部屋を借りています』


「それは見たら判るわ。お前悟くんトコ居ったんやないの?何で此方居るん?」


『クズが休ませようとしてうるさいので、逃げてきました』


「それアカンやつやん」


『出ては来ましたが、目眩が酷く動けなくなったので、此方で休憩しています』


「それアカンやつやん…」


深く深く溜め息を溢した人格破綻者は放置して、目を閉じる。
五条悟の所為で昨日と今日の任務がゼロになってしまった。
私の任務ノルマは一日十件。一週間で百件こなせば不問となる為、明日からそちらにシフトしなくてはならない。


「……刹那ちゃん」


『何ですか』


「…桜花、逃げへんの?」


畳に倒れる私に毛布を掛けた直哉の問いに口を閉ざした。
…今更、どうやって。何処に逃げろと言うのだろう。
逃げ道なんてない事は、直哉も良く知っている癖に


『今更何処に逃げろと言うのでしょう』


「東京行けや。悟くんトコ行けばええやん」


『…逃げれば雪光が犠牲になります。それは、私の本意ではありません』


「雪光やって今は悟くんトコやろ。姉弟の保護も五条の当主なら簡単や」


『………』


「……俺じゃ護れへんねんで。
禪院の傘下にあった事でこうなってるんやさかい、幾ら俺がなんか言おうけど親父が止めへんかったって前科がある以上、状況は変わらへん」


『…いっそ、腐った奴等を皆殺しにすれば雪光は生きやすくなりますかね』


「そら禪院に付け込む隙見せる様なモンやし、そもそもそないな事したら、桜花の能無しが親父に泣き付くだけや。
古参の能無しに泣き付かれたら、当主として親父も動かざるを得えへんくなる」


『………』


「あかんえ。それしたら処分されんで」


何度も重ねて思い留まれと説得してくる直哉に重たい手を伸ばす。
それに気付いた直哉が手を握ってくれた。
…久々に、口角が上がるのを感じた。


『……優しくなったねぇ。昔はクソアマァッ!って叫んでたのに』


「叫んどった俺をなんべんも溺死させようとしたおねえは誰やろうな?」


『はは、教育的指導だよ』


「暴力的過ぎますぅ」


切れ長の目を細め、直哉が笑った。
ごつごつした手が労る様に頬を撫でる。


「眠りぃ。まだ疲れ取れてへんやろ?布団に運んどくさかい」


『……ありがとう。おやすみ』


ゆっくりと目を閉じる。
意識は直ぐに闇に沈んだ












目を開ける。
……視界いっぱいに広がる見覚えのない天井に、身体が自然と動いた。
装備類、なし。服装が違う。武器は近くに見当たらない。
相手は誰だ。目的は?
私は確か、五条から逃げ出して直哉の許に居た筈だ。
それが何故、こんな所に…


「あ、起きた?」


────右手の体温を一気に下げ、氷を纏わせる。
部屋の入り口、刃を高い位置にある首に突き付け、鋭く睨め付けた


『……どういう事ですか』


「起きたばっかりでそんなに動いちゃ駄目だよ。具合はどうだい?」


『…………どういう、事ですか』


「まぁまぁ、落ち着きなって。君が素直にベッドに戻ってくれるなら教えてあげる」


『………………』


「ほらほら、どうする?僕としては彼シャツ状態の君を眺められるから全然良いんだけど」


睨む私を、スクエアのサングラスを掛けた男が口角を上げて見下ろしている。
暫し膠着状態に陥り……折れたのは、私だった。


『チッ……直哉が貴方に連絡でもしましたか』


「さっすがお姉ちゃん、その通り!俺んトコ来てんでって連絡があってね」


あのクソ野郎今度シメる。
イライラしつつ術式を解き、ベッドに戻った。しかし座っただけでは不十分なのか、五条は此方を笑顔のまま見つめている


『戻りました。説明を』


「えー?まだ不十分だよ、判るでしょ?ちゃんと横になって布団も被んなきゃ。それとも僕にお世話されたい?」


『………………』


舌打ちを溢し、渋々男の言う通りにする。
ふかふかのベッドに転がりこれで良いだろうと睨むと、そこで漸く五条が動いた。
ベッドに腰掛け、此方に手を伸ばしてきた。
反射的に叩き落とそうとして不可侵の壁に阻まれる


『突然手を伸ばすのは止めて頂けますか』


「ああ、ごめんね?熱が計りたかったんだけど」


『熱はありません。状態は正常。問題はありません』


「さっき術式使って右手冷やしただろ。今の君は体温が下がってる筈だよ。寒くないかい?必要なら暖房入れるけど」


『問題はありません。状況の説明を』


「君さぁ、もう少し肩の力抜きなよ。そんなに肩肘張ってて疲れない?」


『……もう良いです。貴方との会話は諦めます。私のスマホは』


「え?何処にやっちゃったっけな。…ああ、直哉に預けたかも!色々武器が仕込んであった上着ごと!ごっめーん!うっかりしてた☆」


死なないかなこいつ。
きゃぴっ☆と可愛い子ぶる成人男性に純粋に殺意しか沸かない。
無言になった私を見下ろして、静かな口調で五条が言った。


「……正式に桜花を五条に引き抜こうと思ってるって言ったら、どうする?」


『……直哉に相談されましたか。それとも雪光が泣き付きましたか』


「いいや?僕個人の考えだよ」


その返しに目を細めた。
感情を読み解こうにも真っ黒なサングラスで判らない。
目を逸らさない私に、五条がゆるりと口の端を持ち上げた


「ねぇ、一目惚れって信じる?」


『人によるのでは』


「まぁそうだよね。じゃあさ」


サングラスがゆっくりと外される。
空と海を融かし込んだ美しい蒼が、私を捉えた


「僕が君に一目惚れしたって、言ったら?」














────雨が降っている。


私にとってはこれ以上にない良い日だ。
故にノルマを達成し、万が一の為に達成数稼ぎを敢行している最中。
信号で停まっている車の後部座席が突如開けられた。


「お疲れサマンサー!奇遇だねぇ刹那!元気?どうせ祓除数稼ぎとかドラクエみたいな事やってるんでしょ?ほーんとクソ真面目!そんな腐ったミカンの言う事なんかシカトしちゃえば良いのにさぁ!
あ、ご飯食べた?この近くに美味しいお寿司あるから今から行かない?」


『……………………樋廻、どういう事だ』


「申し訳ございません刹那様…近くに来たら連絡しろとおd……前々から申し付けられておりまして」


運転席で樋廻さんがぺこぺこと頭を下げている。言いかけたのは確実に“脅されて”だろう。
深く溜め息を吐いて、うるさい目隠し男から少しでも距離を取ろうと扉に身を寄せた


「ねぇ刹那、今日は雪光任務ないけど、たまには会ってみない?」


『結構です』


「えー?そこは是非行きたいです五条さん♡とか返すトコじゃない?
刹那としても可愛い弟の成長具合は気になるでしょ?」


『特には』


雪光のペースで強くなれる場所が東京校だと思っただけなので、ぶっちゃけ今すぐ成長しなくても良いのだ。
元々桜花の相伝は非常に扱いにくいものだと聞いている。
他所から買われてきた私の良く似た術式とは格が違うのだと、指南役は威張りくさって言っていた。


「……ねぇ、五条に入る話。考えてくれた?」


おちゃらけていた五条の声が低くなる。
不意に投げ掛けられた本題に、私はゆるりと目を閉じた。


『お断りします』


「そりゃまた何で?そっちにとっても悪い話じゃないと思うけど」


『現状雪光に被害がないので』


「雪光じゃなくて、刹那個人としてはどうなの?睡眠時間も満足に摂れてない、栄養管理もズタボロ。オマケに傷も治せない。
…五条に来れば、そんなの全部僕がどうにかしてあげる」


…確かに五条の提案はとても輝いて見える。
でもそれは、私を主軸で考えるからだ。


『私を主軸で考える必要はありませんし、雪光の事を考えると現状維持が最善です。わざわざ鞍替えして両者の傘下の家に睨まれる必要はない』


「君は口を開けば雪光ばっかり。自分の事はどうでも良いわけ?」


『そうですね。私が死んでも代わり雪光が居るので』


騒がしかった五条が口を閉ざした。
…親に売られ、桜花にも嫌われる私の存在意義は雪光の代わりでしかないのだ。
今はまだ弱い雪光を護る為に居るのが私。そんな私が、誰にも愛されない私が私を大事にしてやる必要はない。


「ねぇ、刹那」


『はい』


「…君は、僕が嫌い?」


『いいえ』


好きでも嫌いでもない。
スマホを取り出しスケジュールを確認する。
それから少しでも身体を休めようと目を閉じると、雨粒が車体を叩く音が車内を満たした。
暫くその音を聴いていると、低い声が小さく紡ぐ


「ごめんね、僕は君が好きだ」


返事はしない。
ごめんなさいもありがとうも、きっと私に言う権利はないのだから。


「…ねぇ、刹那」


頼りない声がそっと私を呼ぶ。
目を閉じたまま意識だけを向けていれば、微かな声が言葉を続けた


「もし君が東京校に来ていたら、僕達は今も皆で笑えてたのかな」


家入さんと五条と、呪詛師になった夏油傑。
笑っている三人の中に高専の制服を身に纏った私が駆け寄ろうとして、ビジョンは崩れ去った。


『知りませんよ。それは私じゃないので』


────そんな幸せな私なんて、知らないから。












の手をらない未来













桜花刹那→桜花当主。
自分の所為で人生が狂わされた雪光の為に生きている。
この世界は刹那が京都高専に進んだIFの未来。
心はもう折れている。
だって彼女にはパパもママも、空みたいな宝石もなかったから。
氷華とは冬に木に雪が付いて花の様に見えること。つまりまやかし。
彼女は何時だって、誰かに溶ける事を願われている。
そして死は彼女の希望である。

五条悟→小さい頃に見た、目が綺麗な女の子を探していたが、京都高専に行った事しか知らなかった。
大人になって弟を預けたいと言われた時には夜の海は死んでいた。

禪院直哉→俺に歳近い女が居るんやって!どんなブスか見たろ!と思ったら無礼な事を言ってしまって水球ヘルメットを食らわされた。
それ以降噛みつく度に溺死寸前までヘルメットに処され、牙が折れた。今はただの弟枠。
刹那がそのうちひょいっと死んでしまわないかヒヤヒヤしている。




ゼラニウム(白)の花言葉「私はあなたの愛を信じない」


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