※呪術長篇「何でも出来る男(ただし性格は以下略)」の後の話
「今日は、お前達に紹介したい奴が居る」
そう言った先生に連れられて私達がやって来たのは、先生の住む教員寮の部屋だった。
初めて来た部屋の奥、白い扉の前に立つと、先生が言う
「此処に居るのは俺の息子だ。友達になってやってくれ」
「先生の息子さん?おいくつですか?」
「今年で五歳になる」
「センセー、何で恵とか雪光じゃダメなの?アイツらのが俺らより近いよ?」
「…子供は時に残酷だろう。だから、歳の近い子供に会わせる前に、まずは俺以外の人間に慣れさせたい。
恵と雪光にはその後に会わせる予定だ」
先生の言い方からして、恐らく息子さんは特徴的な見た目なのだろう。天与呪縛だろうか。
これは先ず、悟が素直に口を開かない様に気を付けるべきか。
三人で素早くアイコンタクトして、さっと傑が先頭に立つ。
その隣に硝子が立った。
私はそっと悟の手を掴む。握るではなく、前に出ない様に掴んだ。
そうとは知らない悟はきょとんとした顔で此方を見て、それからへにゃっと笑った
「なぁに?手ぇ握る?」
『うん。(勝手に前に出ない様に)握りたくなった。良い?』
「良いよ。…へへ、うれしい」
ふにゃふにゃ笑う悟に笑みを返し、前に立つ二人にOKサインを送…れない。
サイレントで死んでる。待って、悟が可愛かったのは判るよ?
でも生き返って?これ悟を抑える為の布陣だよ?先鋒が死んだらダメでは???
ちょんちょんと二人の背をつつくとハッとして、きりっとした顔を作った。
それを見た先生が和んだ顔で頷く。
白い扉がゆっくりと開かれ、部屋の中に居たのは────
「……パンダ、ねぇ。じゃあ君の名前はパンダで良いのかな?」
「そうだぞ。おれはパンダ。おまえらがさとるにすぐるにしょうこにせつなだろ?」
「へぇ、私らの事知ってるんだ?」
絵本やおもちゃの置かれた白を基調とした部屋の中、ぬいぐるみみたいなサイズのパンダがえっへんと胸を張り私達の名を言い当てた。
それに硝子が問えば、パンダは大きく頷いて言う
「まさみちがいってた。
すっごくなかよしなよにんぐみで、もんだいじだけどかわいいやつらだって」
「へぇ、夜蛾セン俺らの事そんな風に思ってたの?あとでいーじろ」
『私達の認識が問題児な件』
「私らは問題児じゃないのにな」
「は???ヤニ臭ぇアル中予備軍がなに寝言言ってんの?」
「死ねクズ」
硝子が悟をグーで殴っているのを尻目に、胡座で座る傑の膝をよじよじしているパンダを見てほっこりする。
かわいい。ぬいぐるみみたいなパンダが大男の膝に登っている。かわいい。
『とてもかわいい』
「かわいいね…」
「おまえらだいじょうぶ?つかれたまさみちみたいなはんのうだぞ?」
『つかれたまさみち』
「え、まさみちは疲れたら何してるの?」
「えーと、おれのおなかにかおくっつけて、すーってする」
『すーって』
「すーっ、はーって」
パンダの暴露に傑が死んだ。
無言で爆笑している。
待って、疲れた先生のパンダ吸いを本人から教えられた私達どうすればいいの???
『wwwwwwwwwwwwwwwwww』
「あのかおでwwwwwwパンダすいwwwwwwwwwwww」
「???パンダはすえないぞ?すぐる、つかれてんのか?」
『心配されてるwwwwwwwwwwwwwww』
「やめてwwwwwwwwwwwwwwww」
ケラケラ笑っている私達に気付いた悟と硝子が此方に寄ってきて、不思議そうに首を傾げた
「お?ママとテディちゃんがゲラじゃん。パンダ、何言った?」
「まさみちがつかれたときに、おれのおなかにかおくっつけて、すーってするっていったんだ。そしたらわらいはじめた」
パンダの発言を聞いて、悟と硝子も噴き出した
「まってwwwwwwあのかおでwwwwwwんなことすんのかよwwwwwwwww」
「うそだろwwwwwwwwwレスラーみたいなかおしてんのにwwwwwwww」
「レスラーみたいなかおwwwwwwwww」
『それはひどいwwwwwwwwwwwwwww』
硝子の発言で私と傑が更に笑わされ、結局全員ゲラった。
沈没した私達を見て、パンダが呟く
「よくわからんが、たのしそうだなおまえら」
傑の肩車で喜んでいるパンダを連れて、寮の周囲を散歩する事にした。
ひょこっと顔を出す野生のさとるっちの頭を撫でていると、幼い声が話し掛けてくる
「せつなはさとるっちとなかがいいのか?」
『そうだね。さとるっちは可愛いし、色々お手伝いしてくれるよ』
〈オレ カワイイ?〉
『うん。可愛い』
〈ヤッタ!〉
足許でさとるっちがくるくる回っている。それを見て笑っていると、ずしっと背後から大きなものがのし掛かってきた。
誰かは判っている。大きい方の猫だ。
『なんだい悟』
「え、なんでクソ猫を可愛いとか言っちゃってんの?俺の方がかわいいよ?ホラ見ろよ、俺の方がかわいいから。ホラ」
「すげぇ。ウゼぇ」
「硝子、もう少しオブラートに言ってやりな」
「なんだアレ?じゅがいにはりあってんのか?にんげんが?」
「凄い正論言うじゃんこのパンダ」
「パンダはすごいんだぞ。いぬとかねこよりすごいんだ」
「犬猫と張り合ってんの笑う」
私の顎を掴んで覗き込んでくるお猫様を、先を行く傑達が振り向いて笑っている。
悟は口を尖らせて私をじいっと見ていた。そんな顔でも可愛い辺り顔面の無駄遣い
「ねぇってば。俺の方がかわいいでしょ?」
『うん。そうだね。可愛いね』
「もっと心を込めて言って」
「面倒臭いなアイツ」
「硝子、仕方無いだろう悟はまだ一歳なんだよ」
「あんなにおおきいのにさとるはいっさいなのか?」
「人間としては一歳なんだよ。身体は今年で十七歳だけどね」
「じゃあおれのほうがおにいちゃんだな!」
「パンダの兄貴が出来たwwwwwwwwww」
「悟はお兄ちゃんが沢山だなwwwwwww」
「は???俺最近恵にも頭撫でられんだけど???とうとうパンダまで兄貴面するの???は??????」
「おいでさとる、おにいちゃんだぞ!」
「オイコラ、パンダ。なんで動物が兄貴面してんだオイ、パンダ」
そうは言いつつ素直に歩いていくので、パンダは嫌いじゃないんだろう。
……私をさらっと抱き上げなきゃ完璧なんだけどなぁ。
「刹那wwwwww抱えられたのwwwwwwww」
「マジでぬいぐるみ扱いじゃんwwwwww」
『おこだよ』
こいつらほんとゲラ。
お腹を抱える傑の上からパンダが此方に手を伸ばしてきたので、抱き上げた。
めぐより少し大きいぐらいだろうか。にこにこしているパンダが可愛くて、此方もつられて笑う。
「おまえらはにこにこしてるな。やさしいかおだ」
『そう?…私が笑えるのはね、大好きな人達がにこにこしてくれるからだよ』
「だいすきなひと?」
『そう。悟と、硝子と、傑。三人が笑ってくれてるとね、私も嬉しくなるから』
私を受け入れてくれた三人。三人が笑ってくれているだけで、私も嬉しくなる。
だから、私が笑えるのは三人のお陰なのだ。
それを聞くと、パンダがつぶらな瞳を瞬かせた
「じゃあおれといっしょ?おれも、まさみちがわらうとうれしいんだ」
『そうなの?じゃあお揃いだ』
「ふふふ、おそろい!!」
パンダってこんなに可愛い生き物なのか。
ぎゅっと抱き付いてきたパンダを抱き返していると、周りが静かな事に気付いた。
ゆっくりと視線を巡らせて、困惑する
「わたしのむすめが………かわいい………」
「いやわかってただろ…せつなはかわいいんだよ…」
「かわいい。せつながかわいい。いや元々かわいいのは知ってたよ?けどさ?こんなに至近距離でかわいい事言うとか思わねぇじゃん?
何なの?俺達のお陰で笑えてるとか何でそんなかわいい事言うの???
えっ、もうキラキラしてるじゃん。なに?六眼の新フレームかなにか?
六眼の機能充実し過ぎてない????いや録画機能付けろや変な方向にアプデしてんじゃねぇよ」
『………皆、あたまだいじょうぶ…???』
「みんなつかれたまさみちみたいだな」
はじめまして、パンダくん
刹那→基本的に子守りに向いている。
この度パンダに懐かれた。
五条→兄貴面するパンダが出来た。
刹那にバグったけど、普段はこいつが三人を可愛い爆弾でバグらせているし、刹那の言い分に一番共感できるタイプ。
夏油→娘とパンダがかわいい…
硝子→娘とパンダがかわいい…
パンダ→まさみち以外の人に初めて会ったけど、みんな良いやつだった。
夜蛾→俺の生徒と息子がかわいい。
パンダみっけ
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