風見裕也/まーきんぐ
「...なーんかしっくりこないね」
首を傾げながら裕也くんが掛けていた眼鏡を外す。今日は裕也くんが珍しく1日お休みだったので眼鏡をプレゼントします!と言ってデートに来ていた。デパートのメガネ屋さんで既にお店の半数近くの眼鏡をかけてもらっているけれどこれだ!というものが見当たらない。
「...だから言っただろう」
怒ったような恥ずかしそうな顔をした裕也くんは私から目線を外し、いつもの眼鏡を掛ける。それにむむむ、と口を尖らせ不満を全面に出してアピールする。そうするとそんな私を怪訝そうに裕也くんが見る。
「何がそんなに不満なんだ」
直に聞かれてモゴモゴと口を動かす。
「だって」
裕也くんはそんな私に焦れたように眼鏡を押し上げる。早くいえ、と目線で訴えてくる裕也くんに観念して彼の裾を引く。それにつられ屈む彼の耳に手を当てる。
「だって、眼鏡なら仕事中でも私の選んだもの身につけてられるでしょ?...だからマーキング、みたいな。」
恥ずかしくなりさっ、と顔を離すと裕也くんがそんなこと言って恥ずかしくないのか、と片手で顔を覆っていた。それから早く選んでこいと言って裕也くんが顔を隠したものとは別の手で私を追い払う仕草をする。裕也くん、付き合いきれないみたいな態度とってるつもりかもだけど赤くなってる耳隠れてないからね。
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