机の下に身を縮めて隠れる。ここなら絶対見つからない。暗い視聴覚室に隠れている私は月永レオから逃げている。何故かって?同じクラスメイトであり一応プロデュース科。最近、後輩にプロデュース科に転校してきた女の子に、月永レオは仲良さげ。だから私に見向きもくれずただ空気的存在で過ごしていた。ただ、今日は1人違う作業をしようと空き部屋入ったら、月永レオと後輩ちゃんがいた。持っていた筆記用具など落としてしまい、驚く2人。いや私もだわ。
そんな至近距離で何してんねん。すぐその場から逃げるように私は走った。背後から私を呼ぶ月永レオの声。知らない。そして視聴覚室に逃げたという訳。しかし扉が開く音、そして足音。やばい月永レオだ。口を手で塞いだ。今は会いたくない。こんな顔見せたくない。アイツの事なんて、何も思ってなんか...ないはずなのに胸が痛くて苦しい。近付いてくる足音は止み帰ってたのか、机の下から出ようと身を動かすと、視界に写るオレンジ髪。思わず、「ひぃ...」と情けない声が出てしまった。
「わはは、やっと見つけた!隠れるのうまいな!名前」
「...てかなに」
こんな狭い空間に月永レオも入ってきて机の下2人。後輩ちゃんみたいに近い。顔を見られぬよう隠すようにすると名前を呼ばれ、少しビクっとした。何なんだよ、チラリと彼を見ると顔を思いきりあげられた。うわ、最悪。頬に柔らかい感触。何度も何度も。
「泣いてたのか?」
「うるさい、触んないで」
「さっきの事か?あれは目にゴミ入ったから見てもらってたんだ!」
なんだ、キスしてると思ってた私馬鹿。安心したのか頬に伝う視界が揺らいで上手く月永レオの顔が見えない。「うわうわ!どしたんだ、名前」と抱き締められる。制服濡れちゃうよ。押し返そうとしたが駄目なようで、小声でならバレないよね。ぼそぼそと呟いた。
「わはは!俺も好きだよ、名前」
かあぁぁ、と顔が熱い。聞こえてたの!?最悪なんだけど、とぶつぶつ文句を言う私に月永レオは「キスしてい?」と私の返事を待たないで優しいキスをしてきた。恥ずかしくて、帰る!と立ち上がると思い切り頭をぶつけ月永レオに笑われてしまった。