「嵐ちゃんあぶなーい!」

綺麗にされた花々を眺めていたら聞こえてくる名前の声。ガサガサと音を立て木から飛び降りてきた。彼女は恥じらいというものは無いのか。下着が見えちゃってるわよ、駄目じゃない。彼女が頭に葉っぱを乗せたままいるから払い落とし乱れた髪を整えた。にこっと笑いありがと!と言う彼女。一応同じモデルをしている身。よく見れば擦り傷を作っているではないか。

「綺麗な顔に傷付けちゃ駄目じゃない。ほらじっとして」

「ん。絆創膏とかさすが嵐ちゃん!乙女~」

「あらあら、もう可愛いんだから~」

顔に絆創膏を付けた彼女は、花々に囲まれてもなお映るからとても惚れ惚れするお天馬だけれど、ふと彼女が「嵐ちゃんってさ」何か思い詰めた表情になりながら私の顔をじっと見てくる。なあに、と聞き返すと手を握られた。何かしら、首を傾げた。

「好きな人いるって言ってたじゃん。」

「そうね。それがどうかした?」

「なん、でもないけど...」

彼女の綺麗な瞳から1粒1粒綺麗に涙が溢れてきた。それさえも綺麗で見入ってしまう自分の感情を押し殺しながら、名前を呼んで私とそんなに変わらない身長で、まあ私の方が高いけれど見上げてくる彼女、上目遣いじゃない。今だ止まらぬ涙、顔を近付けて離すと驚いたのか涙が引っ込んだ。赤面する名前。可愛いわ。

「好きな人分かったかしら?」

「あた...し?」

「そうよ~名前が好きな人。」

折角止まった涙がまた溢れ出した。そのまま抱き締めてあげると「私も好きぃ」と鼻を啜りながら言うものだから、もう可愛い過ぎて堪らない。とりあえず泣き止まさなきゃ。小さな女の子みたいに泣く彼女。またキスしたら泣き止むんだから本当に正直過ぎる。