星を見失った男たち


 一代で商人として成功して莫大な財産を得た父は、いつだってアパルに対してその自分の財と名誉を引き継ぎ後世に残すことを期待していた。
 住んでいる自分でさえ入ったことのない部屋がいくつもあるほどの広大な屋敷に住み、使用人は全員の顔を覚えきれないほどたくさんいた。
 身の回りの世話は全て他人にされ、金にも食にも困ることがない不自由が一切ない生活。
 その代わりとばかりに求められたのが、幼いころから詰め込まれた父の事業に関する勉強だった。机と一体になったと錯覚するほど長く机にかじりつかされ、忙しい父とは会う度に「お前が頼りなんだ」と重たいプレッシャーをかけられる。
 母はまるで息子に媚びを売るようにでれでれとした笑顔で、「頑張ってうちをもっと大きくするのよ」と機嫌よく言っていた。
 だだっ広いあの家の中で、アパルはいつだって溺れているようだ。と思っていた。
 水面すれすれであっぷあっぷと懸命に息を吸っているような、そんな心地だった。いつからか家にいることが嫌になって、十五の誕生日を機に家を飛び出した。
 いくつか島を渡った。その島は治安は悪く、ヒューマンショップもあるようなところだったが、父の追っ手から逃げるには都合が良かった。
 ほっと一息つけるようになって小さな廃れたバーに入った。店には酔っ払って寝ている親父が一人いるだけで、がらんとしていたものだ。マスターは無愛想で、だが酒や食事が出てくるのだけは早く、何日も追っ手から逃げて食事を取る暇もなかった空腹のアパルにはちょうどよかった。
 食事を終える頃、ふっと照明が絞られて店の奥――一段高くなったステージに緑髪の男が現れた。
 マイクを手に歌い出した男はまだ若く見えるが、深く渋みの入った声は囁くように店内に響いた。たった一曲。五分にも満たないような短い時間だったが、アパルには瞬きのうちに終わったようや刹那のものに感じてしまった。
 男が最後に礼をすると同時に照明が元の明るさに戻り、そのときになってようやく見惚れていたことに気づいた。
 ステージ奥の控え室に消える男に、慌てて手を叩いて賞賛の拍手を送った。驚いたように男が振り向き、信じられないものを見るようにアパルを見て呆然としている。
 最初は帰ってしまう男に礼儀とばかりに咄嗟にしたことだったが、じわじわと感動が心の内に押し寄せ、アパルはとびきりの笑顔で拍手を送った。
「すごい! すごかった! 歌が上手なんだね! こんなに素敵な音楽を聴いたのは初めてだ!」
 昼夜問わず部屋に押し込められて娯楽という物を一切知らなかったアパルには、初めて真っ当に聴いた音楽がこの男のライブだった。
 囁かれるような低い声から繰り出される優しい音。手が痛くなるまで必死に彼を称え続け、マスターが呆れた顔で「もうテゾーロは帰ったよ」と言うまで、アパルはただただ身のうちに湧く感動に酔いしれていた。

 その男に再会したのはそう経たない頃のことだ。
 ほとんど金銭を持たずに家を出たアパルには、そう長い間宿を取れるほどの金もなかった。
 町外れの採掘場で日雇いの仕事を受け、その日暮らしな生活を送っていた。
 ふいに眼の端を過った人物が、あの日バーで歌っていたテゾーロだった。驚き、感激のままに声をかけようとしたが、まさか客の一人である自分が覚えられているはずもないと躊躇した。結果、また会えたことに喜びつつも、その場はひっそりとやり過ごした。
 だが、意外なことに彼のほうから声をかけられることになったのだ。
 ほとんど屋内での勉強だけに身を費やしてきたアパルは、ひょろりと細い体と体力のなさから他のみんなからは白い目で見られていた。そりゃ三十分もせずにひいひい言っているような同僚は、ハッキリ言って仕事の邪魔だろう。
 体がついて行かず、気づかれないように陰に入って項垂れながら息を整えるアパルに気遣いの声をかけてくれたのがテゾーロだった。テゾーロはあの日バーにいた客だとは気づいていないのか、とくにアパルを見て驚いたようにすることもなく、どこから持ってきたのか水を渡して背中を撫でてくれた。
 歌がうまいだけじゃなくて優しいんだな、と人からの優しさに飢えていたアパルの胸がわずかに早く動いた。家では常に事業を継ぐようにと様々な課題を課されつつも、褒められたことも、労られたこともなかった。
 彼とはそれから仲良くなり、休憩時間を使って色んな話をした。
 ヒューマンショップにいる女性を救うために色んな場所で仕事を掛け持ちして働いていること。その過程でバーで歌っていると聞いたので、堂々と歌を聴きに行けるようになった。
 テゾーロは存外気のいい人間で、ステージからアパルを見つけると微笑むように瞳を細めてくれる。アパルは彼の流し目にあうたびに、どうしてドキリと胸が高鳴った。
 ライブはそう長い時間は続かない。ステージから降りたテゾーロは、よく歌の感想を聞きにくる。
 アパルが子どもみたいに興奮して真っ赤な顔でしどろもどろになりながらも伝えると、からりと嬉しそうに笑うのだ。
「ああ、ステラも褒めてくれたんだ」
 だからお前にも聴いてほしかった、などと言われて、嬉しいはずなのにズキズキと胸が痛んだ。さっきまでのライブの充足感が萎んでいって、今度は別の感情で胸がいっぱいになって息苦しい。
 テゾーロはステラの話をするときだけ、すごく優しい顔をする。
 一度だけ、こっそりとテゾーロの後を追って彼女を見に行ったことがあった。金の髪を揺らした美しい女性だった。
 柔らかく純真そうな笑顔でテゾーロを迎える彼女と、そんなステラに懸命に話をするテゾーロ。誰が見ても想い合っているのが分かる二人だった。
 テゾーロはステラを自由にするために、体を壊すような勢いで働いている。それがあんまりに見ていて心配で、アパルは一度だけ俺が貸そうか? と訊ねたことがあった。
 実家に頼み込めば女性一人分ぐらいの値段ならどうにかなるだろう。そのとき自分は家に戻らなければならないだろうが、テゾーロがそれで幸せになれるならば、あの家に戻ることも我慢できる気がしたのだ。
 神妙な顔で訊ねるアパルを、テゾーロは笑い飛ばした。
「いや、いいんだ。これは今まで裏社会で生きてきた俺の贖罪でもある……なにより表の仕事で自分が集めた金で、彼女を救いたいんだ」
 彼女への愛おしさを滲ませたテゾーロの表情に、切なく胸が痛んで泣きたい気持ちになった。
 きっとテゾーロへの自分の恋心を自覚したのはそのときだった。

 自覚したところでアパルに出来ることなどなく、ただ二人の恋路を見守るだけだった。そのころになればアパルの体も仕事に慣れてきて、テゾーロに助けてもらうことも減った。ただでさえ忙しい彼の手を煩わせるのは心苦しかったので、自分の成長は嬉しい。
 体は相変わらずひょろりとしたままだが、心なしか筋肉もついた気がする。
 テゾーロはもうすぐ目標の金額に達するらしく、ここ最近はどこか浮き足だった様子だ。そんなテゾーロに胸に痛みが走りつつも、耐えることが出来た。
 アパルと出会った時にはすでに二人は想い合っていた。叶えたいと思う暇もなく、アパルは恋心を昇華するしかなかったこともあり、だんだんと穏やかに憧憬に近い気持ちへと変化させていけていた。
 ステラがヒューマンショップを出たら、二人でお金を貯めて小さなお店を持つのが夢だと言っていた。そこのステージで歌うのだと。
 アパルはそんな二人の幸せをそっと見守っていければいいと思っていた。そうなるのだと、確信めいた気持ちを持っていた。
 だが、幸せな夢な簡単に壊れてしまう。


 仕事が休みの日で、アパルは食料品を買うために市場に出向いていた。テゾーロはステラのところに行くと言っていたので今日は会えないだろう。
 (あと何日かな……)
 次の仕事の給料が入れば、やっとステラをヒューマンショップから出すことが出来ると言っていた。
 胸に切ない思いが浮かぶが、それが痛みとして現れることは少なくなった。
 ああ、よかった。自分の中で上手く折り合いを付けられている。この恋心と決着をつけられれば、自分はこれからもあの二人の傍にいることを許される。そう信じているアパルの中に、安堵が生まれた。
 外の世界に飛び出し、初めて感じた感動。美しい音。アパルの世界をきらめかせてくれた優しい人。
 恋じゃなくなったとしても、アパルにとってテゾーロが大事な人だということに変わりはないのだ。
 そう思えると、なんだか気持ちも前向きになった。
 今日は気分もいいしいつもより贅沢をしようか、などと考えていると、ふいに肩を組まれて耳元で下卑た笑いが起こった。
「よおアパル。休みの日に会えるなんて運がいいな」
 彼は同じ職場の同僚だ。アパルよりも随分と大きな体に厚みのある筋肉。その人より恵まれた力を、男は暴力でしか使わない。勤務態度は不真面目だし、女とみると見境がない。
 アパルは女ではないが、痩身と美人で有名だった母の面影を宿した顔立ちのせいか、よく絡まれていた。
 ベタベタと触られ、「こんなところよりも裏町通りの店のほうが稼げるだろう?」と揶揄してくるのがお決まりだ。
 そうしたら俺が客として行ってやるよ。そう言ってニタリと笑ってアパルの顎を捉えると無理やり上を向かせて、ジロジロと眺めてくる。
 裏町通りとは、曰く裏社会のものが開いている店が立ち並ぶ通りだ。ヒューマンショップもそこにあるし、多くは男たちが欲の発散のために女を買いに行く場所だ。
 つまり、アパルにそういう意味で体を使って稼げと言っているのだ。しかもこの男が客でくるなんて冗談じゃない。
 不快さに顔を苦く歪めるが、男との力の差は歴然で、振り払って距離をとる事が出来ない。そんなときに毎度助けてくれていたのがテゾーロだった。
 だが、今はテゾーロは一緒では無い。自分一人でどうにかしないといけない。
「……なんの用?」
 警戒を隠しもしない態度に、男はいつもの口角を上げる笑いで答えた。
「おいおい、そんな態度をとっていいのか? もうお前を守ってくれるテゾーロはいないんだぜ?」
「どういう意味……?」
 今、この場にテゾーロがいないとかそんな単純なことではない気がする。心臓が嫌な予感を知らせるように早鐘を打った。
「テゾーロが執心してたあの女、ついに天竜人に買われたんだよ。しかもあいつそれに立てつきやがって一緒に首輪をかけられてやんだ」
 無様だったぜ! と男は高笑いした。サッと顔が青ざめたアパルを面白そうに見つめ、顔に手を伸ばして来たのでそれを思いっきり振り払ってアパルは駆け出した。背後で怒った男の声がしたが、それよりも大事なことがある。
 テゾーロの後をついて行って以来、一度も足を踏み入れていない場所。石畳の路地を何度か曲がって辿り着いた先――テゾーロがいつも道ばたに腰を下ろして話をしていた檻の中には、誰もいなかった。
 テゾーロはまだ金を集め切れていない。なら、どうしてステラがここにいないのか。
 男の言葉が頭を過った。嘘だ、と俯いて頭を振る。
 そのとき、ふと道路に落ちた少量の血痕を見つけてひやりとしたものが背中に走った。
 いくら周囲を探してもステラもテゾーロの姿も見えず、日が暮れ始め頃になってようやく現れた店の者を捕まえて問いただせば、たしかに昼間に騒動があって天竜人が奴隷を何人か買っていったと言われてしまった。
 よろよろとした足取りであのバーに向かい、酒を頼んだがテゾーロは一向に顔を出さない。
 アパルがテゾーロ目当てに店に来ていると知っているマスターは、少し怒った顔をしながら
「あいつ今日は何の連絡も寄越さねーで休みやがって」
 と、ぼやいていた。
 事実が肩にのしかかってきた。アルコールを一気に飲み下し、体の中心が熱くなると、勝手に涙がボロボロと零れた。

 ◇◇◇

 どうしても諦めることが出来ず、実家の力を借りようとアパルはあのあとすぐに故郷の島に戻った。
 親からは軽蔑と侮蔑の目で見られ、額を地面にこすりつけて許しを請うた。二度と逆らわないと念書を書き、父の補佐として事業を拡大し、ライバル企業の娘との縁談も受け入れた。といっても、その相手である彼女は親の言いなりに結婚することを良しとしておらず、当初は結婚前夜に自死する予定だったと言うが、いつか必ず解放するから数年だけともに生活して欲しいと頭を下げた。
 あまり父の機嫌を損ねてテゾーロとステラの行方を捜す障害にはしたくなかったのだ。
 仕事の片手間に部下や民間の機関を使って行方を追い、そうしてやっとテゾーロの居場所と持ち主を調べあげたときには二人が売られてから三年の月日が経過していた。
 父は未だに孫の顔が見られないと苛立ちを持ち始めた時期で、これ以上は形式上の妻のためにも猶予がないと焦り始め頃のことだった。
 島を出ること禁じられているので、信頼できる部下経由で天竜人に取引を持ちかけた。
 人魚や希少種ならいざしらず、たかが人間の男にそこまで執着はないのか、むしろ買ったときの倍額払うというと喜んでテゾーロを解放してくれたと報告を受けた。
 アパルの名前は出さないように頼んだ。治安の言い人里までは連れて行くように命じ、その後は当面の生活費を持たせて好きにさせるように指示をしていた。
 結果、部下は二ヶ月程度で帰還し、テゾーロは途中の島で下ろしたという。
 もしかしたら行く当てもなく、この部下に着いてくることもあるんじゃ……などと期待していたのか、一人で船から下りてきた部下に、アパルは落胆の息を吐いた。
 会えなかったのは残念だが、むしろ顔を見なくて良かったかもしれない。一体どんな顔で会えばいいのか分からなかったから……。
 テゾーロだけでも救い出せた。その事実のおかげか、前よりも心が軽くなった。
 妻は友人のようにアパルを支えてくれ、最近は顔色が良くなったと笑っていた。アパルもそれに久方ぶりに笑みを浮かべて返した。
 あとはステラを見つけなければ。気持ちを入れ替えてアパルは励んだ。
 ステラも救い出せれば、この燻った二人への贖罪にも近い気持ちを吹っ切れる気がしたのだ。
 だが、現実はそう甘くはなく。
 一年経っても二年経っても、ステラの行方は分からなかった。その代わりとばかりに、テゾーロの名をよく聞くようになった。
 商人というのはコネクションが大事だ。とくに父は、そういった後ろ暗い連中とも付き合いがあり、そうした裏社会の連中のなかで、突然現れた緑髪のテゾーロという男が、一気に勢力を掲げて荒稼ぎしているという。
 あの日、陽差しの下で笑った彼の綺麗な笑みを思い出した。
 これは今まで人を苦しめて生きてきた分の贖罪だと。綺麗な金で彼女を救うのだと、前を向いていた彼の顔を――。
「早くステラを見つけなきゃ……」
 そうしなければ、彼は取り返しがつかないことになってしまう気がした。
 寝食も忘れて情報を探り始めた頃。真夜中のテラスに彼は現れた。
 昔よりもすさんだ表情。人を見下すような、狂気を孕んだ瞳。
 体格も随分と良くなり、その威圧感に圧倒されてはじめは誰だか分からなかった。
「アパル……」
 そう呼ぶ声に聞き覚えがあり、そこでやっとテゾーロなのだと気づいた。
「テゾーロ? テゾーロなのか?」
 駆け寄るが救い出すのに三年もかかった自分がどの面下げて会えたものかと触れることを躊躇っていれば、テゾーロの大きな手に腕を引かれた。ぽすんと彼の厚い胸板に飛び込むようによろめき、痛いほどに左手首を握りしめられた。
 ぎりぎりと締めつけられ、骨の軋む感覚につい「いたい」と声が零れる。
「お前だけ幸せになるのか?」
 左手の薬指にはまる指輪が、彼の骨太な指につままれて遠くに飛ばされた。
 責めるように怒気を孕んだ彼の声に、再会の嬉しさがサッと引いていった。
 久しく忘れていた罪悪感と絶望が新鮮な痛みを持って自分の胸に帰ってくる。胸が潰れるような思いだ。
 なにより、テゾーロの瞳に映っていた前向きな希望の光が完全に消えてしまっていることが、自分は無力なのだと思い知らされた。彼女だったなら……ステラだったなら、きっとこうして冷たい檻に閉じこもってしまったテゾーロのことだって温かく包み込めてあげられただろうに。
 そう思うと無念で無念でしようがなかった。
「ご、ごめんテゾーロ……ステラはまだ見つからないんだ。必ず見つけてみせるから、だからもう少し待っていて」
 子どもでも宥めるように彼の頬を撫でて懇願すれば、テゾーロは怒りや嬉しさを混ぜたような複雑な顔で吐き捨てた。
「ステラは死んだ」
「うそ……」
 言葉を失い、はらはらと泣き出したアパルの頬をテゾーロの指が拭った。その手つきだけは昔のように優しくて、余計に涙が溢れてくる。
「許さない。お前があんな女と幸せになるのは許さない」
 鼻先が触れ合うような距離で囁かれた恨み言に、アパルはなにも言えなかった。
 片腕で腰を攫うように抱かれ、そのまま屋敷の外に連れ出された。どこへ連れて行かれるのかも知らない。ただ不安も怯えもなかった。だってテゾーロと一緒なのだから。
(ごめんテゾーロ、俺はきみと一緒にいられるだけで幸せになってしまうんだ)
 結婚して事業を継いだアパルは、彼からすると幸せに見えるのだろう。自分は愛した女性と死別したのに、結婚して金もあるアパルが恨めしく見えたのだろう。そこから無理矢理連れ出すことで、復讐でもするつもりか。
 そう思うと、申し訳なかった。
 トクトクと自分の薄い胸板の下で心臓が息を吹き返す。こんな状況なのに、久しぶりに会えた喜びが全身に血を巡らせ、温かな多幸感を体にしみこませていった。
 彼の腕に抱かれて幸せを感じてしまう自分が、どうしようもない人間に思えて、アパルは抵抗もせずにただただ涙を流していた。


 
 ◆◆◆

 テゾーロ相手の切ない片思いからの結ばれ、または片思いからの不幸などとにかく切ないものを、とのことでした! リクエストありがとうございました!!!
 切ないのと救いがないのは別物では? て途中で我に返りそうになってしまったんですが、あまりにも書くのが楽しくて最後まで止まれませんでした……お許しください……。

 ぶっちゃけテゾーロから男主への愛情はあるんですよ!! ただちょっとばかし変な方向に歪んじゃってて……助けに行くのが男主本人で、かつそのときに言葉をかけていればまだ二人でステラの死を悲しんでワンチャン関係の再構築出来たかもだけど、助けてくれたのは男主だと気づいて、じゃあなんで直接来ないだって思って調べたら、どこぞの女と結婚してるやんけ!!??(テゾーロ一番のぶち切れポイント)てなって攫いに来ちゃったんですよね。

 このあとのテゾーロは無理矢理に男主を家族から引き離した負い目が内心であるし、男主は男主で自分はステラを助けられなかったのにテゾーロと一緒にいて幸せになってるって泣き暮らす(テゾーロは家族を思って泣いてると思ってる)という地獄絵図が完成します。
 あんまりに男主がめそめそしてるから、あんなに俺の歌を褒めて世界一だと言ったのに、今じゃこっち見向きもしねーのか!? って自棄になったテゾーロ(大々的にショーをやって男主に喜んでもらおうとして失敗した姿)が無理矢理ことに及んでしまうかもしれない……。誰も幸せになれないよぉ……。

 ご希望に添えたかめっちゃくちゃ不安ですが、リクエストいただきありがとうございました!
 少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。