結婚

「ただいまー」

「おじゃまします」

「おかえりー、ゆうくんもただいまでいいよー?」

「ははっ、次からそうしまーす」

年が明けてからになるが、控えている撮影に影響しない休みを2人で取ってお互いの実家に新年の挨拶に来ることができた。名前の家に一泊して、裕貴の家にも挨拶してすぐ帰ることになっているけれど。

「あ、芸能人!」

「よしくん、それ好きだな」

「よし兄荷物運んで」

「全部名前の部屋でいいやんな?」

「いいよ」

「ゆう兄はまだお客さんやから先にくつろいでてくださーい」

名前の1つ上の兄に言われた言葉に気恥ずかしさを覚えながら言われた通りにリビングに行くとソファに座った同い年であるもう1人の兄が手招きして裕貴を呼ぶ。それに従って横に座った。

「結婚するって聞いた」

「…前に挨拶きたとき、みっちいなかったから、直接言いたくて遅くなった。ごめん」

「別に報告が遅いとかは気になんない、ただちゃんと真剣なのかは確かめたくて」

「ちゃんと真剣だよ。どう言えばいいかわからんけど名前ちゃんと幸せな家庭を作りたいです」

名前の兄が見定めるみたいに見つめてくるのを裕貴も力強く見つめ返した。目元を緩めた兄が安堵するようにため息をついて裕貴の肩に手を回した。

「大事にしてください。大事な妹です」

「ありがとうございます。お義兄さん」

「気が早いわ。認めんとか言いたかったんに」

「おじさんにもそれ言われた。親子やね」

「大事な妹言ったの名前には内緒な」

「名前ちゃんとこ行くわ」

「言うなよ!」


勝手知ったる名前の部屋を覗けば床に座り込んでいるのを見つけて後ろから抱きついた。

「!びっくりした」

「何してたの?」

「アルバム見つけちゃって、見始めたら止まらなくて」

そのまま覗き込めば幼い名前と自分の写真が目に入ってこの頃から好きでいてくれてるのかと思うと心が暖かくなって抱きしめる力を強めた。

「お兄と何話してたの?」

「んー、婚約のご報告と、いつ結婚するのかって」

「事務所には自分たちのタイミングでいいよって言われてるもんね」

「うん。あ、あとね」

「んー?」

「幸せにしますって」

「…私も裕貴くんを幸せにします」

少し恥ずかしくなって2人で笑い合った。
*前次#

HOME