戦いは終わった。そしてフェルディナンドの活躍により、王族との会談の内容も決まりつつある。フォルトゥナータはアダルジーザの離宮で、側近や騎士たちとともに反逆者の事情聴取を行なっている。
 やけに整えられた離宮を見ていると、王族にグルトリスハイトをもたらす女神の化身たるローゼマイン様に、“いわくつき”の離宮を用意した王族の意図が察せられて、ムカムカとこみ上げてくるものがある。
 今はアウブが変わったためにアーレンスバッハの寮を使用できないので、野宿せずに済むことは感謝しているが、納得できないものがある。

「では、わたくしはエーレンフェストのお茶会室へ向かいます。後ほど王族の使者が来るでしょうから、引き継ぎを頼みます」
「かしこまりました」

 これから王族との会談が始まる。

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