誰もいない部屋に帰って来て電気もつけず腰を下ろすと小さなため息が溢れた。こうも松平様のお相手は疲れるものかとまたため息がでる。この疲れはそれだけじゃないことはわかっている。だけどそれがどうしても認めたくなくて考えをやめよと頭を振るとパチリと電気がついた。


「電気もつけずに何してんだ、大丈夫か?」
「土方さん、なんで」
「鍵開いてたぞ、危ねぇーな」


疲れてんのか?とポンと頭に手をやり撫でてくれた。


「ううん、大丈夫ですよ」


邪念を振り払うように立ち上がる。


「夕飯食べました?」
「いや、まだだが疲れてるだろ」
「大丈夫ですよ」


ニッコリと笑い、台所へとはいる。ちゃんと笑えていただろうか。冷蔵庫をあけて食材を取り出そうとすればその手は止められる。


「どうかしました?」
「店屋物でも取りゃいい」


どうやら、うまく笑えていなかったらしい。じゃ、そうしましょうかと居間へと戻って店屋のチラシを探し、注文をし待っている間お風呂を洗いお湯を張る。食べ終わる頃には入れるだろう。





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