「なまえ!」
次の日、学校へ行くと大声で名前を呼び、一目散にあたしの元へやって来たルフィ。後ろにはナミが手を合わせている。あ、バレたのね。
「聞いたぞ!ケガした所はどこだ!」
「ルフィ、大丈夫だよー。そんな大したケガじゃないし…」
「バカヤロウ!俺の大事な仲間が傷付いたんだ!ケガに大きいも小さいもあるか!」
「ルフィ…」
嬉しいけど、廊下でそんな大声出してるからみんな集まってくる。話を聞き付けたゾロは、ケンカなら加勢するぜ?と言って指を鳴らしていた。これは大事になったぞ…。
「で、どこの男に殺られたんだ?」
「なまえ、ついにヤられたのか?ヴァージンやったのかよ」
「ちょっと待って。いつの間に男に殺られたことになってるの?しかもローはいきなり現れて何言ってるの?」
「あ?さっきから居るぜ?麦わら屋が大声でお前の心配してる辺りから」
「最初じゃん?」
「トラ男。ヴァージンって美味いのか?」
「ヴァージンは最高だな」
なんだか収集かつかなくなっていると、ヤレヤレと言った様子でナミが前に出てくる。そして、あたしの情報網を甘く見ないでよね、と言った。
「昨日、あの後心配だからサンジくんに付けさしたのよ…そしたら、あんな事が…」
「おーい、ルフィ!なまえちゃん!」
ナミの話を聞いている時に、再び大声。この声知ってる。振り向くとエース先輩と…その後ろにキラキラ光る金色が見えた。だからあたしはエース先輩の方へ走り出す。
「あ、あの!昨日はありがとうございました!」
「なまえちゃん、サボの事知ってんのか?」
「サボさんって言うんですね。昨日助けていただいて…」
「サボッ!」
「っと、ルフィ…久しぶりだな!」
後ろから駆け寄ってきたルフィの頭を撫でるサボさんと呼ばれた金色のお兄さん。エース先輩が、コイツ、兄弟のサボ。よろしくな!と笑顔で言われ、サボさんも、よろしくね、なまえちゃん、と言われ、頭を撫でられた。大きな手で安心する…。
「俺、昨日留学から帰ってきて、今日からまたこの学校通うんだ。仲良くしてくれ、なまえちゃん」
「あ、そうだったんですね。昨日は本当に危ないところをありがとうございました」
「…何の話だよ」
ズシッと重みを感じたと思ったら、すぐ近くにローの顔。抱き着かれてる。廊下では止めてって言っているのに…おかげで悲鳴と小声が耳に入る。
「昨日、怖いお兄さんに絡まれてるところを助けてもらったの」
「それだけか?」
「それだけだよ。あと何あるの」
「…」
「なんで喋んないの」
「お前がトラファルガー・ローか。エースから話は聞いてるよ」
「ローは幼馴染みです。サボさん」
「…そうか。トラファルガー、そんなに敵意剥き出しにしなくても大丈夫だぞ。でもな、もっと周り見ないとなまえちゃんが、可哀想だぞ?」
「コイツは俺のもんだから良いんだよ」
「んもぅ!いい加減離れて!暑苦しい!」
なんで抱き締める力強めるかなぁ?本当に周りの視線が痛いからー…抵抗するのもめんどくさくなって来て、今日もまたナミに手当てしてもらわないとな…って思っていると、遅れて来たらしいキッドが、離れろ!トラファルガー!と怒っている。お母さんは朝から大変だ。
「お母さん助けてーローが首絞めてくるー」
「なっ?!お前!そんなことしていいと思っているのか!」
「そしてさり気なく胸触ってくるーセクハラー」
「あ?これ胸か?平ら過ぎて分からなかった」
「ルフィ聞いた?!ローすごい酷くない?!」
「オイ!トラ男!なまえになんて事言うんだ!確かになまえはナミみたいに饅頭は付いてないけど飯は美味いだろ!」
「敵しか居ない」
「あのバカ…胸を饅頭と思ってるの?」
「俺ァ、酒がいいな」
「ロロノア、論点違うぞ…」
私達のやり取りを見て、微笑ましいな、とサボさんはエース先輩に言った。そして、そうだな…と言ったエース先輩は少し寂しげな表情をしていたのをあたしは見て見ぬふりをした。その表情の意味が分からなかったからだ。
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