あほうと言うは信天翁、遠洋遙か亜米利加は紐約より、助走つけてエイヤと飛び出したるは阿呆の男。未だ地球は平らにして、一飛びで神秘の東国まで白波いざ越え、辿りついたが間者の国。嗚呼その門中へ入れてくれと頼み込むこと三日三晩。
阿呆というのは便利なものであります。なんにせよ彼らに遠慮は無いが天井も無い、ちょっとやそっとの距離もなんのその。そんなものを測る必要がないんで御座いますから、その勢いは天井知らず。洋の東西を問わず。そのがらんどうの身中に途方もない夢ばかりが並々と満たされている。異郷の不安も何もかんも、波の花と砕けて散るばかり……。
(眼鏡の噺家、二つ名の勉強会その高座にて一席)