「交わる過去、交わらない未来」
終わらない今があると思った
大好きだった過去を越えて
君のいない明日へ
無くしたロマンの居場所
大人になれないままでいい
一夏だけの特別
季節は巡り青の残り香が揺れる
飛行機雲と流れ星
いつかあの日に逢えるだろうか
忘れられない残像
花になるよ様
「めぐりあわせ」
花束が降る空
今日から恋が醒める
愛の園までまっしぐら
自由の殺害
祝福を纏う聖女
指輪の値段は君の価値
綺麗じゃなくても愛してね
さよならまでのカウントダウン
幸福を繋ぐキス
変わる愛と変わらない場所
めぐりあわせ様
「わたしのモラトリアム」
零れ出す栄光の日々
変わらず笑った最後の日
憧れの夏はすぐ側で笑う
夜明け前の胸騒ぎ
モノクロ世界に色が付く
永遠を感じさせる朝
桜色の旅立ち
次はきっと君の街で
放課後のヒーロー
君のための春
Romance様
「泣き虫とあのこ」
いつしか君は大人になって
差し伸べられた手の行方
知りえない悲しみ
2人手を繋いで夕暮の帰路
今日だけ背中合わせの愛
瞳の奥の面影
不幸せな君の幸せそうな顔
小さな傘を傾けて
綺麗な朝にさようなら
君が知るのは思い出だけ
花殻と迷子様
「終止符」
12時の鐘は終焉を鳴らす
触れるだけの口付け
夜に融ける金糸
夕景を永遠に閉じ込めて
銃口はこの胸元に向く
過ちを解く術
その手で結末を描いて
冷たい逢瀬
告げられたのは僕、泣いたのは君
君と出逢ったのはこの終わりを迎える為に他ならない
鱗粉転写様
「ニセモノ」
偽りを紡ぐ愚者
画面越しの恋人
主人公である証明
代替品のプライド
華やかなる夢の主役
無意識な憐情
違法性のある正義
元より星には届かない
微睡みの中の幻
纏うドレスは蠱惑者の夢
鱗粉転写様
「机上の空論」
無気力な喜劇王
怠惰な少女は緩く嗤う
最初から最期は決まっていた
あくる日君は革命を起こす
チェックメイトの一手前
始まりもしない戦争
不法な正論
有限を告げる鳥
抱えた想いの行く末
下らない理屈じゃなくて変わらない愛が欲しい
鱗粉転写様
「あいまい」
美しいだけのロマンスは要らない
キスだけで繋がるふたり
言葉の無い男
永遠の2番手
切り捨てられる程度の関係
右薬指の約束
1つになる輪郭
残り香だけの逢瀬
顔も知らない想い人
夜明け前の刹那君は一人消えて行く
鱗粉転写様
「浄化」
汚れた私も好きと言う
君は僕の幸せを願った
生きるための原罪
虚無を埋める愛
その不幸を二人で背負って
透明に近付くために
誰かの苦しみで笑う街
闇は流星を伴って散る
聖女は君に愛を注ぐ
夜明けは等しく世界に注ぐ
鱗粉転写様
「科学」
パラドクスは未来への礎を築く
月並みなスペース・オペラ
AtoBの反応式
多世界解釈上の君
暗黒星は1人泣く
昨日より分解された世界
未知への挑戦状
否定される創造論
知識欲の悪魔
科学じゃ愛は測れない
鱗粉転写様
Moratology