昨夜見た雑誌の内容がふと頭に過ぎった。


「グリーンて、男女の友情って成り立つと思う派?」

「おっ!何お前ついにオレに惚れた?」

「ンンンンン?ちょっと待て何でそういう解釈に至った」


内容はアンケートの結果発表。今グリーンに聞いた事がほぼそのままタイトルで、結果はYESが5割以上。しかも男性の方が女性より「成り立つと思う」という解答率が高かった。なので身近な男性・グリーンに聞いてみると、私の予想斜め上の超解釈をした上にナルシストここに極まりみたいな自惚れも甚だしいことをのたまいやがった。


「ここでナマエが『成り立たないと思う』って言ったら つまりオレをただの友人として見られなくなったってことだろ?」

「あの、私グリーンに質問したのであって」

「じゃあナマエはどう思うんだよ」

さっきから全部質問を質問で返してる気がする。でも確かに、私が「成り立たないと思う」なんて答えたら じゃあ今の私とグリーンの関係はどうなのよって話だよな。そこは確かに一理ある。


「成り立つと思うけど」

「オレもそう思う」

「最初からそう言えよ・・・」


無駄に言葉の応酬をしてしまった。脱力しているとグリーンは続ける。


「続きがあんだよ。ただ、成り立つ奴と成り立たない奴の2パターンに分かれる」

「ほう?恋愛食指が動く女とそうでない女がいると」


基準が可愛いか否かとかだったらぶん殴ってやろうと思う。


「まぁな。オレにも女友達はいるし、今後とも変わらない仲でいたい奴には男女の友情は成り立つって断言するぜ。けどある1人の女には友情は成り立たないって否定したいし、否定してほしい」

「あ、好きな人ってこと?」

「あぁ」


なんだ。考えてたよりずっとマシな内容だった。いやマシどころか、ちょっと見直した。

一途、なんだ。
かっこいいじゃん。


「案外ロマンチストだよねグリーンて」

「まぁな」


さてこの流れ的には「その好きな人って誰?」って聞いても全く不自然じゃないだろう。カントー最強のジムリーダー様のハートを射止めたのはどんな娘(こ)なのか。出会いは?片想い歴は?いやもしかしたらもう付き合ってる?幼馴染として付き合いの長い私でさえも知らなかった情報をこれから根掘り葉掘り余すところなく聞いてやろうと、ちょっとわくわくしながら口を開いた、ところでグリーンの方が早かった。


「で、お前いつオレに惚れんの?」

「ンンン??」

「・・・言い方変えるわ」


ハァーと深い溜め息をついたかと思えば、茶化したような表情は消え、真剣な瞳がそこにはあった。




お前はいつ否定してくれる?
お前はいつ否定してくれる?




ずっと待ってるんだけど、さ。