花粉症 / ひいろ
「っくしゅん!!」
「わぁ、大丈夫?風邪をひいたのかな?」
「違う!花粉症だよ!」と彼女は声を上げてズルズルと鼻をすする。目が痒いのか、綺麗な瞳が涙でゆらゆら揺れていた。誰かに泣かされてしまったわけではないのだけれど、涙目の彼女を見るとなんだか胸がざわざわする。「君を守れないなんて、不甲斐ないよ僕は」「いや、だから花粉症なのだが?」彼女は呆れたようにそう言ったような気がするんだけど、その時の僕にはよく聞こえてなかったと思う。僕が彼女のために花粉を滅するしかないということしか、考えられていなかったからね。
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