「なんですかこの部屋は」
リビングの扉を開けると、不愉快なほど暑い空間が広がっていた。ソファーに呑気に寝転がっている彼女が「おかえりー」と間の抜けた声を出す。
「自分の記憶では冷房は壊れていないはずですが」
壊れてないよ、節電してる!と彼女はヘラリと笑みを零す。笑い事じゃないんですよ。「熱中症になったらどうするんです。冷房つけてくれ頼みますから」そう言って彼女に水の入ったコップを渡すと、目をまん丸にしてこっちを見た。何ですその顔は。心配するに決まっているでしょう、貴女が思っている以上に、自分は貴女の事を大切に思ってますよ。