各チームに分かれ練習を開始する。去年も音駒でお世話になったから殆どの人は覚えていたけれど、新入生はわからない為に自己紹介から始まった


「梟谷のみょうじなまえです。合宿中は音駒でサポートさせてもらいます、ケガとか体調とか些細なことでも普段と変わったことがあればすぐに言ってください」

「真面目か」

「黒尾さん黙っててください」

「なんでなまえちゃん俺には辛辣なの!?」

「去年私の仕事、散々邪魔してきたの覚えてないんですか!」

「いやぁ〜そんなこともあったっけか」


楽しんでいるであろうその人をジロリと睨めば孤爪くんが深く溜息をついたのが横目で見えた。もう何でも良いから早く練習始めてくださいと言えば漸く主将モードに切り替わったようで部員を集めてポジションの確認をする。それを見届けてから監督さんに声をかけドリンクを作りに向かった




「あの...すみません」


声をかけられ後ろを振り返ると、黒髪美人と可愛らしい女の子が立っていた。あ、もしかして


「烏野のマネージャーさんですか?」

「3年の清水潔子です」

「いいいいい1年の、や、谷地仁花でしっ」

「梟谷2年のみょうじなまえです。ドリンク...ですよね、案内します!」


初めて見る顔に声をかけてみれば噂の烏野高校のマネージャーだった。合宿中よろしくお願いしますなんて話し始めれば、ガールズトークとまではいかなくともお互いを少し知れるまでの話ができた。そろそろドリンクを作り終える頃に、赤葦から聞いていたあのコンビについて聞いてみた


「烏野にすごいコンビがいるって聞いたんですけど、どんな子ですか?」

「あ、えーっと...その2人なんですが、」

「実は学校で補習受けることになっちゃって...夕方まではここに来れないの。もしかしたら今日の練習には参加できないかもしれなくて」

「そ、そうなんですね...」


残念なことに夕方頃までお預けとなってしまったようだ



中学3年生の夏に見たあの試合のときのように、初めて見たものにぞくりとする感覚をもう一度味わいたい。なんとなく、この合宿でそんなものに出会えるんじゃないかと期待していた。新しい風は、新しい変化を生み出す

たくさんの刺激を受けて梟谷にたくさんの良い変化がありますように


そんな風に願っている私は本当に梟谷が大好きだ



2016.04.02