電話口から聞こえるかつての戦友の声に耳を傾けながらずっと悩んでいた。同窓会と言えどもまだ2年しか経っていないし、成人式のために東京から宮城へと帰るだけで次の日の昼には地元を離れなければならない
『来る気ねぇのか?』
「マッキーとかまっつんからも連絡きたけど、今のところ出るつもりないよ」
『みょうじが来るって言ってもか?』
「は......え、なんで?」
どうして岩ちゃんの口からその名前が出るのだろう。あの時自分の中にしまい込んだ気持ちは、それは俺自身しか知らないはずなのに
『てめぇはわかりやすいんだよ...いつまでも一人でうじうじ悩んでるくらいなら会ってこいよ』
「でも、会ったって話すことなんか...」
『グダグダ言ってんじゃねぇ!お前ら2人見てるとこっちが焦れったいんだよ!』
久しぶりに岩ちゃんからのお叱りを受けた気がする。蓋をしていたこの気持ちはいつも隣にいた岩ちゃんにはだだ漏れだったようだ。そこまで言われたら行くって言うしかないじゃん...あれ、でも..
「2人ってどういう...」
『お前も同窓会出席するって伝えとく。じゃあな』
「えっ、ちょ、岩ちゃん!?......なんなんだよもう」
はぁーと大きな溜息をついて手で顔を覆う。頭の中に浮かんでくるあの子の顔はいつでも辛そうな笑顔を貼り付けていて、それが前に進めない大きな足枷になっていた
「成人式までに髪の毛切りに行こうかな...」
なんだかんだ言っても結局彼女を意識してしまっているのだから笑えてしまう
ねえなまえちゃん、君は今どんな女の子になってるのかな
(会いたいなぁ)
2016.03.12
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