周りの友達は新開の事をカッコイイと言うけれど、私はそれに素直には頷けない。
だって私の知ってる新開はちょっと変わってるとゆうか変態だと思う。
「心外だね、俺はなまえちゃんの事は特別扱いしてるつもりなのに」
『そんな聞こえの良いこと言わないでよ』
いつも嫌がらせばっかしてくるくせに。
『特別ってゆうかいじめられてる、っての…』
「そんなことないのに。なまえちゃんの反応が可愛いから、構いたくなっちゃうだけだよ」
『そういうのがからかってるって言うし全然嬉しくないし、特別っていうならもっと優しい扱いにしてほしい!』
「俺はいつでも優しいよ?」
にこにこといくらこっちが不機嫌に言っても全く動じず、ちょっとイライラしてきた。
『もういい…』
そういえば、今日は女の子の日だったんだ。疲れて後ろの席の新開に背を向ければ、少しくらりとした。やば、ちょっと貧血気味になってるかも。今日は大人しくしてないと……。
そう思ったのに、背筋に沿ってスーッと指でなぞられて、ぞわっと一瞬で鳥肌が立つ。
『きゃ…!やめてよ!』
「…つれないねぇ」
『…………』
病気は気からとはよく言ったものだと思う。コレは病気なんかではないけど、貧血だと自分で認識した途端、新開の悪ふざけに付き合ってられる程の気力も出なくなった。
無言でまた前に向き直すと、今度は新開も何もしてこなかった。
あれ…?これって…、無視とかスルーが1番効くんじゃない?と、今更気付いて、今度から使おうかなぁなんてぼんやり考えていたら、いつの間にか授業が終わっていた。
「なまえ、次体育だよ?行こう〜」
『うん、今行く』
既にジャージを持った友達に呼ばれて、慌てて鞄の中にしまってあるジャージを引っ張り出す。急がなきゃ、と席を立ったところで、くらりと視界がゆっくり歪む。
一拍遅れて友達のびっくりしたような声が聞こえてきて、視界に天井が広がったところで自分が倒れた事にようやく気付く。
やってしまった〜と思うけど、全然体は動かない。とゆうかそもそも痛みすらしないんだけど、これもしかしてヤバい?
「……全く、危なかっしいな」
『……え?』
そう聞こえてきた声は新開の声で。
痛みがしないのは、新開が床に倒れる前に抱き留めてくれていたからだった。
『新開?……なんで』
「無理に動くなよ。このまま保健室いくから」
いつもなら、そんなのいい!って言うんだろうけど、さすがにそんな余裕もなくて頷くことしか出来なかった。
「先生には友達が言っておくって言ってくれてたし、しばらく休みな」
保健室のベッドまで運んでくれたのに、息一つ乱してない新開はさすが。
『……重かったでしょ』
照れ臭くて素直にお礼も言えないで、そんな事を言ってしまう。
「重くなんかない。好きな子くらい抱き上げられなくてどうするんだよ」
『……』
開いた口が塞がらない、とはこの事を言うんだ、と。想像していたような反応ではなくて、予想外の新開の言葉に何も反応できない。だけど、ただ顔が熱くなるのだけは分かった。
特別扱い
「言ったでしょ、なまえちゃんは特別だって。惚れちゃった?」
『……知らない…!』