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どこからおかしかったのだろう。なんで、おかしいと気付かなかったんだろう。多分、始まりは両親の不自然な転勤話からだと思う。

「なまえ、いきなりだけどパパが海外赴任する事になったの」

そうにっこりと告げたママの言葉から始まった。今思えば、そんな急な話ある?っていうくらい、あれよあれよと言う間に話が進んでいって、私は日本に残された。普通、未成年の一人娘の意見も聞かずに置いていくなんておかしい。そりゃあ、行きたいかと聞かれて、行きたい!と即答なんて出来ないけど、それでも残りたいかという質問だって即答では頷けないのに。それに、なんでわざわざ大阪に引越しする必要があるわけ?それをママに問えばさすがに1人じゃ心配だから、独身でバリバリ働いてる叔母さんの所なら安心だからね、なんてまともっぽいこと言ってたけど、跡からそこに住めば家賃いらないしね〜、なんて本気か冗談かも分からないことを言っていた。そもそも叔母さんって出張ばっかで家にあんまりいない、って引っ越し直前に聞いてたのも今考えれば怪しい。バリバリのキャリアウーマンなのは知ってるけど、出張が多いような仕事だった記憶があまりない。そもそも、何の仕事してたっけ?全然思い出せない。
……とまぁ、たくさんの疑念と疑問を残しつつやってきた新しく住むお家、なんだけど。私は早々に大変な事に気付いてしまった。

ふと、視界に入ってきたお隣りの表札。苗字は特に変わってる訳でも何でもなくて、よくある名前。……だけど。上から4番目。
【白石蔵ノ介】
そこにあった名前は、大好きなキャラクターと全く同じ名前でした。


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