うわー……むさ苦しい。
まず受付しておいで、ってイルミに言われて受付の列に並んでるんだけど、既に汗くさくてむさ苦しい男の人達に息が詰まりそう……。汗のせいか酸っぱい臭いがするよー、気持ち悪い!
でも見る限りでは、見た目だけの人が大半かな?この感じなら、なんとかなるかもしれない。まぁ、こんな受付の人達を見てもきっと何の参考にもならないんだろうけど。
段々振り落とされる訳だし、この時点では雑魚しかいないのも当たり前か。にしても女の子全然いないし、目立ちそうで嫌だなぁ。

「おい嬢ちゃん、ここは嬢ちゃんみたいな女の子が来るとこじゃないぜ」

これみよがしに筋肉質な腕や足を露出したムッキムキなおじさんがニヤニヤ笑った。その見下す目が気持ち悪い。あーもう!だから嫌だって言ったのにー!

「次の方どうぞー」
「は、はい!」

気が付くと前に何人か並んでいた人がいなくなっていて、受付のお姉さんがにっこり笑いかけてくれてる。必要事項を聞かれて答えると、最後に頑張ってね、と番号札をくれたのでポケットにそれを突っ込んでイルミを探す。

「ナマエ、ここだよ」
「ぎゃ!び、びっくりした……驚かせないでよ」
「何言ってんの、ここで修行するんでしょ?まともに絶もしてないんだから、これくらい気付いてもらわないと」
「だって!」

てゆうか最初の方は念なんか使わなくて余裕で大丈夫だって言ってたじゃん!手刀でいけるんじゃないの?!

「次から気付かなかったら、1回ごとにナマエからキスでもしてもらおうかな」
「は!?い、いやだ……恥ずかしい!」
「じゃあ気付くことだね。油断しなきゃ大丈夫だよ」
「やだ…!」
「駄目。ほら行くよ、そのうちすぐ呼ばれるから」

自分からキス?無理無理無理!いやでも、不可避なわけじゃなくて、私が油断しなければ済むと思えば、これも修行のうちか……。疲れるけど、イルミと離れてる時は気を抜かないでいるようにしよう。離れることの方が少ないだろうし、やるしかない。
よし!やったるぞ!初試合ッ!

心配だから、気をつけて貰わないとね


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