「それでは今からハンター試験を始めたいと思います。皆さんは私に着いてきて下さい」

とうとう始まるんだね!よし、頑張ろう!

無表情な君へ3

「ナマエ?」
「へ?」
「やっぱり」
「キ、キルア……元気だった?」
「まぁね。それよりこんなとこでなにやってんだよ?」
「何でってハンター試験受けに?」

キルアを連れ戻しに来たけど、実際は私の仕事じゃないし、試験終わるまでは黙っておかなきゃ。
そもそもイルミのオマケ受験で来てるわけだし。
それにしても着いて来て、ってこんな走って案内するものなのかなぁ?ま、私には普通とか常識とかよく分かんないけど。

「俺を連れ戻しに来たんじゃないんだ?」
「え…あ、うん」
「ふ〜ん」
「あ、信じてない!嘘じゃないよー!それに試験受けるのだってイルミ説得するの大変だったんだからね!」
「あー、そっか。イル兄が簡単にナマエを1人で外に出す訳ねぇもんな。ごくろうさん…」
「本当だよ!まぁキルアも私がいると心強いでしょ!」
「いや別に」
「ひどい!」
「てゆーか、足手まといにならないか心配だっつーの」
「キルアこそすぐ落ちないでよねー!」
「わりぃ……ちょっと俺あっち行ってくるから」
「え?ちょ、キルア?!」

そう言ってキルアは少しスピードを落としたかと思うと一瞬のうちにどこかへ消えてしまった。
ひ、酷い…。置いてけぼり。キルアったら逃げ足とかは本当に早いんだから!

たくさんいる受験者の中へ紛れていったキルアの姿は全然見えなくて、仕方ないからペースだけは保ちつつ走っておくことにした。

「それにしても、どこまで行くのー!」
「第2試験会場かな◆」
「きゃっ?!ちょっとヒソカさんビックリさせないでくださいよ」
「ごめんごめん★」
「てゆーか、ヒソカさんといるとイルミの殺気がするんですが…」
「うん◆イルミの殺気ったら鋭くってゾクゾクしちゃうね」
「そう言う意味じゃなくて…!」
「♪」

だ、ダメだ、この人何言ってもダメだ!
もうやだ、イルミの友達ってろくな人いないんじゃないのかな……まだヒソカさんしか知らないけどさ。

「あー、じゃあ私ここで失礼しますねー?……また後で〜」

ヒソカさんのメイクとかキャラとかイルミの殺気とか後からの事とか色々な意味でその場にいるのが怖かったから、少しスピードを落としてヒソカさんから離れた。
試験で関わりたくない人No.1だよね…。
スピードを落とすと、ちらりとキルアの綺麗な銀髪が見えた。

「キルアー!良かったー、ヒソカさんに絡まれて大変だったんだから!」
「なに?ヒソカに?!」
「え…、うん…」
「ちょっとおっさん。うちのナマエが怯えてるからそんなに近付かないでよ」

キルアいわく、おっさんさんがヒソカさんに反応したのか(寧ろ飛び付いて?)きて、ぐぐぐっと寄られた私は心持ち上半身が後退る。
私は鼻が利くから香水がきついって言うのも相まって、辛い。

「そうだ、レオリオ。初対面な女性に失礼なのだよ」

うわぁ…、美人。
1番背の高いレオリオさん(って言うんだよね?本当は)の後ろにいた金髪少年。
女の子に見えないこともないけど、声からして男の子なのだろう。

「そうだよレオリオ!ナマエさんビックリしてたよ!」

あ、更に小さい子。可愛いー。
ツンツン頭に(キルアもツンツンしてるけど、そんな比じゃないくらい)くりくりした目。
イルミやキルアみたいな猫目のくりくり感も可愛いんだけど、この子のも可愛い。キルアと同じくらいの年頃かな?

「だからおっさんは駄目だよなー、空気読めよ」
「なっ…!」
「なぁ、ゴン?」
「うん」
「ゴンまで!?ひでぇな…」

ゴンくんて言うんだ。本当可愛いなぁ…キルアとセットで可愛い!

「ナマエ?」
「え…、な、なに?」
「このツンツン頭がゴン、金髪がクラピカ、んでこれがおっさんね」
「うん!はじめまして!私はナマエ。よろしく、ゴンくんクラピカさんレオリオさん」
「よろしく、ナマエちゃん!」
「よろしくなのだよ」
「よろしくな」
「……ふふふ!」
「え、ナマエ何笑ってんの?」
「キルア、私にも初めてお友達が出来たね!」

えへへ!今まで外に出るなんてこと滅多になかったから友達だなんて出来た事なかったから嬉しい!(キルアもだよね!)

初めてお友達が出来た!(キルアの紹介だけれど)
「せいぜいイル兄にバレないように気をつけろよ、俺知らねぇから」


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