今日は日曜日。こんな天気の良い午後の休日にはきっとナマエはあの喫茶店にいる。


ナマエは最近偶然出会った女の子。特別美人でもないけど、なんとなく可愛い雰囲気を持った普通の子。だけどナマエに出会ってから、まだ確信ではないけれど自分で感じる予感に少し困惑してる。俺って面食いだと思ってたけどそうじゃなかったのかも。

「シャルナーク、ちょっといいか?」
「……俺あんまり時間ないんだけど」
「大丈夫だ、あまり時間は取らせない」
「そ。ならいいよ、何?」

午前中はホームでちょっと調べものをしていたけど、ナマエに会いたくなって出掛けようとした所でタイミング悪く団長に捕まってしまった。

「これについて調べてくれ」

そう言って渡された1枚の紙。タイトルには"クルタの生き残りについて"と書かれている。

「団長、クルタ族って前に俺達が全員殺ったやつでしょ?緋の眼も飽きたって言って売ったのに今更?」
「生きた緋の眼が欲しくなったんだ」
「……ふうん、ま、いいけど。じゃあまだ生き残ってるクルタ族がいないか捜せば良いんだね」
「あぁ。……それから」
「ん?」
「そこに少しだけ記載されているんだが、メイデンピンクの眼というのが気になってな、それも詳しく調べといてくれ」
「……分かったよ。じゃあね」

メイデンピンクの眼。
残されたクルタ族の資料に記述してあった、突然変異と思われるピンクの眼。ま、今はどうでも良いや。さっさと行こう。

「あ、シャルだ」
「ナマエ、」

喫茶店のドアに手をかけた所で後ろから声を掛けられた。顔を見なくても誰か分かるけれど、振り向いてナマエを見る。

「ナイスタイミングだね」
「……だね、」

はにかんで目を細めて笑うナマエは中々可愛くてお気に入りだったりする。そっと頭を撫でて、開けたドアから先に入らせてあげる。

「いらっしゃいませ……お、とうとうそういう仲に…」
「なってません!」

2人一緒に入ってきた俺達を見てマスターは楽しそうにナマエをからかう。マスターも中々楽しい奴で、おっさんだけど結構気に入ってる。俺の正体知ってるし念能力者だしね。

「ま、それはナマエ次第ってとこかなー」
「ちょ…!ちょっとシャル!変なこと言わないで!」

恥ずかしいのか真っ赤に染めた頬で静止させられてしまう。こんな細い腕で何されたって俺には何でもないけど、面白いからされるがままにする。

「いい?シャルのそのちょっとチャラチャラしたところが変な誤解を生むんだから気をつけてよね!」

何も言わずとも出てくる、ロイヤルミルクティーとブラックコーヒーを受け取ってナマエを見ながら口に含むと、興奮したナマエもそれを見てミルクティーを口にする。
マスターだってからかってるだけなのに、真っ赤になって否定するナマエはハムスターか何かみたいで可愛い。でも、男としてはちょっと傷つくなぁ。

「まったく、シャルはちょっとモテるからって、からかわないでよね」
「……じゃあさ、本気だったら良い?」
『っ!……だから!からかわないでって、もう』

だって、ナマエが可愛くて面白いのが悪いんだよ。そう言ってあげたかったけど、また怒っちゃうのが目に見えたから止めた。そのかわりにごめんごめん、って笑ってカウンターの横に座るナマエの頭を撫でた。
マスターはそんな俺達を見て、含み笑いでナマエに今日のケーキを出した。

自分で気付く頃には相当入れ込んでるかも
てゆうかそもそも俺、恋とかしたことないし
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