メイデンピンクの眼。中々興味深いかもしれない。


「団長」
「なんだ?」
「この前の調べ物」
「そうか、すまんな」

そう言って、団長に資料を手渡す。
団長が期日を言わない仕事は、大抵急がなくても良い。だから数日経ってたけど、特に気にするようなそぶりもなく目を通し出した。

「シャル、」
「何?」
「俺達が殺した中にピンクの眼のやつはいたか?」
「…いなかったと思うよ。全部緋の目だったし」

少しだけ嬉しそうに笑う団長。これはもうコレクションに入れる気満々だな。

「緋の眼は良いの?」
「男より女の方が良い」

調べた結果はクルタ族の生き残りとされるのは1人。もう40歳すぎのおっさんで、俺達の襲撃より先に移住していることから逃れられたんだと思われる。
一方、聞いたこともなかったメイデンピンクの眼。一般のネットや情報屋ではもちろん、ハンターの方を使っても中々情報が出てこなかった。

「メイデンピンクについては結構お金注ぎ込んじゃったから後から返してよね」
「ああ、いいだろう」

"メイデンピンクの眼"

クルタ族の中で生まれたとする緋の目にも劣らない綺麗なピンク色の目。
しかしその希少価値からから一般では全く知られておらず、2体以上同時に存在したことはない。
また緋の眼とは違い、死を迎えると色は消えることから保存が出来ず、怒りで緋色になる緋の眼に対してメイデンピンクは喜びや嬉しさ、哀しみや恐怖によって現れる場合と個体によってバラバラということ。
そして、クルタ族の中で最後に確認されたのは今から15〜20年ほど前。生きていれば成人するかしていないかくらいのはず。

「実際、この今生きてるであろう女の前は空白が約100年あったみたいだし、相当希少だね」

誰も知らないクルタが隠していた眼。興味がないと言ったら嘘になると思う。
団長が欲しがってるものだし、欲しいとまではいかなくても俺も見たい。

「クルタをまた殺すのは勿体ないが、見栄えのよくない生体はあってもなくても一緒だ」
「…聞き出せってことだね、了解」

今日は喫茶店に行こうと思っていたけど、予定変更だ。
ナマエにも会いたいけど、ナマエは逃げないし(てゆうか逃がさない)、団長の希望通りにクルタのいき残ったおっさんの所へ行ってちゃちゃっと終わらせるか。

*

「良いから吐きなよ」
「……俺は知らない!知らない!」
「死にたいの?」
「本当に知らないんだ!村長があの子の話はするなと、あの眼の子は……何が起きるか分からないから…、と…」
「他に知ってることは?」
「あとは名前位しか知らねぇ、よ…」
「名前は?」

名前だけでもそれなりの情報だ。こんなおっさん、いたぶる趣味もないし早く帰りたいし。

「……ナマエだ」
「え?」
「……ぁ…」
「あ、やっちゃった」

まだ知ってそうだったから、もう少しだけ粘ろうと思ってたのに、こいつがナマエだなんて言うからびっくりして殺っちゃったじゃん。あー、俺としたことが失敗。……でも、まさか。こいつが言ったナマエと、俺の知ってるナマエが同一人物だなんてことあるんだろうか。
ナマエがクルタ族…?そんな訳……ないか。
とりあえず帰ったらナマエという名前の人について片っ端から調べるしかないのか。面倒だな。

小さな嫌な予感
違ってくれたら良いけれど
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