嫌な予感がした。


「マスター、ナマエは?」
「今日は来てないよ、昨日も来なかったしな」
「そっか、ここにも来てないのか。メールも返ってこないから、何かあったのかな」
「……それは珍しいな」
「いないならいいや、もし来たら連絡するように言っといて」
「わかったよ、お前も気をつけな」
「さんきゅ、」

昨日……正確には一昨日に別れた後からナマエと連絡が付かない。始めはいきなりキスなんかしたから驚いててメールも返してくれないだけかと思っていたけど、いくらなんでもおかしい。
キスしたのは強行手段だったとは思うけど、あれでナマエが俺を嫌うなんて有り得ないし(でも突き飛ばされたのにはちょっと傷付いたけど)、何か反応があるのが先か会うのが先かって感じだと思っていたから調子が狂う。
ただ、本当に意図的に連絡を返さないで俺に会いたくないから店にも来ないなら良い。
でもそうじゃない気がしてしょうがないから居ても立ってもいられない。
携帯を取り出して電話をかけてもコール音の繰り返しとディスプレイには呼び出し中とナマエの名前が映るだけ。こんな中途半端なまま団長に盗られるなんて無しだろ。
意を決してディスプレイに団長の番号を表示させて決定ボタンを押す。

「もしもし、クロロ?」

君はそこにいる?

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