05

次にクロロに連れてこられたのは、誰もいなさそうな廃屋で、ぶっちゃけホームみたいだ(いや、私はあそこをホームだなんて思ってないよ?)


「ちょっとクロロ、こんなボロ家に何の用事が…」
「黙って着いてこい」

薄暗く、今にも何か出てきそな雰囲気が怖くて、走ってクロロの横まで走っていけば何故かクロロは楽しそうに笑った。……クロロまで気味悪い。
そう思ったけど、状況が状況だから大人しくクロロ着いていくことにしよう。こう見えてホラー系には弱いんだよね。でもまぁ、ホームだって人なんて住んでないでしょ?みたいなボロボロ瓦礫の山だけど、住んでる訳だし…ここも仲間とかが住んでるとかかな?

「ここだ」
「ここ?」
「……クロロか、入れ。そのよく分からん娘もな」
「え?!だ誰かいるわけ?」

まだドアも開けていないのに、中から声がしてクロロと名前を呼ばれて、自分でもびっくりするくらい肩が上がった。しかも、娘って……私の事?なんでいるって分かってる訳?これも念な訳?

「ほら、入るぞ」
「あ」
「ほぅ……またこれはこれは普通の娘を連れてきたもんだ……、と言いたいところだが」
「きゃっ?!」
「一体何者だ?」
「痛い痛い!」

え、何が起きたの?!クロロがドアを開けた瞬間、がたいの良い男の人がいて……次の瞬間、両腕を掴まれてそのまま捻られた。痛いし訳わかんないし、何なのこれ?!
ちょっとクロロも真顔でこっち見てないで助けてよ!誰この人!

「……変わった娘だな、どこから連れてきたんだ?」
「俺も分からん。だからお前に見てもらおうと思ってな」
「なるほど」
「どういうこと?」
「……とりあえず水見式だな」

部屋も汚くて、どこに何があるのか分からないけれど、がさごそと男は棚らしきものを漁り始めた。あったあった、と出されたのはグラスと、入れ物は汚いけど中は綺麗そうな水。水見式って……私、だから念は使えなかったって言ったじゃんか。クロロもなんか言ってよね!

「ほら、やってみな」
「言う通りにしてみろ」

ちらりと、クロロに視線をやればそう言って促された。しょうがないからやってみて、それで納得してもらおう。全く…クロロは何がしたいのよ。

「……ほら、何もならないし!」
「…………」

ほらほら!出来ないって言ってんじゃんか!水見式以前の問題なんだってば。

「お前、名前は?」
「はい?」
「名前聞いてんだ、答えろ」
「#NAME1#……ですけど」
「#NAME1#、俺が見たとこお前は特質系だな」

へ〜、私特質系だったわけ。だから水見式やってもどれにも当てはまらなくて……

「って!なんでそうなるの?!」
「こりゃ原石かもしれんな、クロロ。中々のお宝見付けたな」
「……原石と言っても、磨くのが大変そうな石だな」
「ちょっと人の話聞いてますかー?!」

水見式


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