にこにこと嬉しそうに笑って君は可愛くラッピングされた緑(いや、この場合若草色って言った方がええんかな)の包装紙にくるまったプレゼントをくれた。
「おおきに。中身なんなん?」
『ん〜とね、この前蔵ノ介が欲しいって言ってた図鑑と私とお揃いのシャンプー!』
「シャンプー?」
『この前私のシャンプーの匂い好きって言ってたから』
あぁ、なんて可愛いんやろか。私とお揃い、やなんて嬉しそうに笑うから俺もつられて口角が上がってしまう。
「せやけど、なまえの髪からするから好きなんやけどな」
『……もしかしていらなかった?』
「いや、嬉しい」
『なら良かった!』
例えば、少し前に放課後寄った本屋で欲しいと言った毒草図鑑とか、今使ってるシャンプーの匂いが好きだとか、そんな些細な事を覚えてくれとる君が愛しくて、プレゼントなんか何でも良い訳やって、ただなまえがおめでとうと言ってくれるだけでほんまはそれで十分。
『蔵ノ介…?』
そっと引き寄せれば、なんの抵抗もなく腕の中に収まってくれて、それが気を許してくれてる、俺の彼女やって、そんな証みたいで嬉しい。
頭1個分違う身長のおかげで、すっぽり顎の下に頭のてっぺんが収まるから、抱きしめると髪の香りを感じる。それが結構…否、かなり好きやったりする。
『蔵ノ介、』
「ん?」
くるくると指になまえの髪を巻き付けるのはもう癖で、彼女ももうそれは当たり前の様に気にすることはない。
『好き』
「ん、」
『蔵ノ介』
「なんや?」
『お誕生日おめでとう』
「……おおきに」
抱きしめとるからよく見えへんけれど、ピンク色に染まった頬が少しだけ見えてしまって、あぁ…俺かなり愛されとるかもしれん、なんて都合良く考えれる自分は相当幸せな奴かもしれへん。
きみに浸かる
君のこの香りに溶け込めたらええのに、
(企画:蔵誕2008様提出)