怒った顔も笑った顔も全て、愛しい。
「そんなに怒らないでよ」
『… い や !』
「可愛い冗談だったんだけどな」
『私は恥ずかしいの!』
せっかくの部活がない休日。楽しくて甘いデートをしてるはずなんだけど、そんな風ではなくて。
『どうして、精市はいつもいつも人前でっ…!』
だってそれは愛しいから、
「俺のものだって、皆に教えてるみたいで良いと思うけど?」
『良くない恥ずかしい!』
顔を真っ赤にして怒るなまえ。
そんな顔すら可愛いなんて、俺はかなり重症かもしれない。
『ひ、ひ人前でキ、キキスするなんて…!!』
「フフ…、そんなに噛まなくても良いのに」
そっと、真っ赤になったなまえに手を伸ばし、髪を梳く。こうやって怒っていたって、この俺の手を払い抵抗することはない。
「好きだよ、なまえ」
そっと、触れるだけのキスをなまえの髪に落として、目を合わせる。
『もう、本当に知らないんだから……』
「機嫌を直してくださいな、お姫さま?」
相変わらず赤くなった顔で、目を反らす。
『……精市がそういう事言うと逆にはまり過ぎて怖いよ、』
「恥ずかしいんじゃなくて?」
『それもある…けど。』
「けど?」
精市は格好良いから……
って、消え入るような声で呟いたなまえ。
「なまえの方が可愛いよ、俺じゃもったいないくらい」
『っ!そんなことない!私の方がもったいないの!』
俯き加減だった顔を、バッと上げて言った。
あぁ、なんて君は…
「……なまえってばどれだけ俺を君に溺れさせれば気が済むの」
『え?』
そんな顔されたら我慢出来ないよ。今日2回目の、君へのキスを落とす。
『精市またっ…!』
「我慢できなかったや、」
1度目は君の反応が楽しいから。
2度目は、君が愛しいから。
どんな反応をしても、どんな顔をしても可愛くて、欲情してしまう俺はきっともう、どうしようもない。
『……馬鹿、』
また顔を赤くした君が、呆れたように笑う。
「やっと笑った、」
『精市が変な事するからでしょ…、笑わないのは!』
「それは俺を煽るなまえが悪い」
『なっ…!』
口をパクパクさせて、唖然とするなまえ。可愛い。
「でも、こんな俺でも好きでいてくれるんだろう?」
『……馬鹿、』
また呆れたように、それでも当たり前だと言うように、笑うなまえ。
「ねぇ、もう1度キスして良い?」
愛しい君が笑う、
愛しい君が笑えば、それだけで幸せ。